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老後の車はいくらまでなら安心?60代の購入予算を考える

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結論から言うと、老後の車予算は一律200万・300万円ではなく、買ったあとに残せるお金と年間維持費から逆算します。

60代の車選びでは、「退職金もあるし300万円くらいなら大丈夫かな」「でも、買ったあとに預金が減りすぎるのは怖い」と迷いますよね。

そこでこの記事では、預貯金500万円・800万円・1,500万円という3つのモデルケースを使いながら、「買える金額」ではなく「買ったあとも安心して暮らせる金額」を考えていきます。

まず、老後の車予算を考える基本式はシンプルです。

安心予算=現在の金融資産-残しておく生活資金-近い将来の大型支出

ただし、この計算で残った金額を、そのまま車両本体価格にしてはいけません。

登録時の費用や必要な用品などを含めた購入時の総支払額で考え、さらに購入後の税金、保険、燃料、車検、点検、タイヤなども退職後の家計から払えることを確認します。

つまり老後の車では、二つの上限を見る必要があります。

購入できる上限と、持ち続けられる上限です。

この二つが重なる金額こそ、60代にとっての「安心して使える車予算」だと私は考えています。

老後の車はいくらまで?まず「使ってはいけないお金」をよけよう

老後の車予算を考えるとき、私は「車にいくら使えるか」から始めるより、車に使ってはいけないお金を先によける方法をおすすめします。

冷蔵庫のプリンに「食べないで」と名前を書いておくようなものですね。老後資金の中にも、車屋さんへ連れて行ってはいけないお金があります。

基本の手順は次の通りです。

  • 現在の預貯金など金融資産を確認する
  • 購入後も残したい生活資金を先によける
  • 数年以内に予定している大型支出をよける
  • 残った金額を車購入の総予算上限とする
  • 購入後の年間維持費を毎年払えるか確認する

大型支出には、住宅修繕、給湯器やエアコンなど家電・住宅設備の交換、家族への支援などが考えられます。

そして、ここはとても大切なので先にお伝えします。

これから紹介する「300万円残す」「500万円残す」「800万円残す」という数字は、推奨基準ではありません。

比較方法を分かりやすくするために置いた説明用の仮定です。

必要な生活資金は、年金額、住宅費、住宅ローン、健康状態、家族構成、働き続ける期間などによって大きく変わります。

ですから、「貯金500万円なら車は100万円まで」と覚えるのではありません。

覚えていただきたいのは、残すお金を先に決めて、その残りで車を選ぶという順番です。

預貯金500万円なら車はいくらまで?

まずは、65歳で預貯金500万円ある家庭を仮定してみましょう。

比較のため、購入後に残しておきたい生活資金を300万円、近いうちに予定している住宅設備などの修繕費を100万円と仮定します。

計算すると、

500万円-300万円-100万円=100万円

となります。

この条件なら、車に使える購入関連総予算は100万円程度です。

「500万円もあるのに、車には100万円しか使えないの?」

そんなふうに感じるかもしれませんね。

しかし、残りの400万円にはすでに「生活を守る」「住宅を直す」という仕事があります。

そこへ手を伸ばして200万円、300万円の車を買えば、車は立派になっても、暮らし側のクッションが薄くなります。

このケースなら、100万円前後の中古車まで候補を広げる、今の車の下取り・売却代金を足す、買い替え時期を少し延ばす、といった方法も考えたいところです。

預貯金800万円なら200万円台も見えてくる

次は預貯金800万円のケースです。

ここでも推奨額ではなく説明用として、生活資金500万円、近い将来の住宅修繕などに100万円を残すと仮定します。

800万円-500万円-100万円=200万円

この場合、購入関連総予算の上限は200万円程度です。

ただし、これは車両本体価格200万円という意味ではありません。

車を購入するときには、本体価格以外にも登録などに必要な費用がかかります。必要な用品を付ければ、さらに支払額は増えます。

そのため、販売店では見積書の最終行にある支払総額を200万円以内に収めるという考え方が分かりやすいでしょう。

車両本体200万円で探し始めてしまうと、見積もりを作ったあとに「あと少しなら……」となりやすいんですね。

上位グレードであと15万円。

便利な用品であと10万円。

見た目も少し良くして数万円。

気がつくと予算が冬物のセーターのように、ずいぶん伸びています。

60代では特に、本体価格ではなく総支払額の天井を決めてから商談することをおすすめします。

預貯金1,500万円でも500万円の車が最適とは限らない

では、預貯金が1,500万円ある家庭ならどうでしょう。

こちらも比較用の仮定として、生活資金800万円、住宅修繕やその他のまとまった支出として200万円を確保するとします。

1,500万円-800万円-200万円=500万円

計算上は500万円残ります。

しかし、ここで「では500万円の車を買えばいい」と考えるのは少し早いですよ。

この500万円は、使い切ってよい金額ではなく、これ以上になるほど慎重に考えたい上限だからです。

たとえば300万~400万円程度で車を選び、残りを車関連の予備費や生活の余裕として残す選択もあります。

70代まで乗るのであれば、任意保険、税金、燃料、車検、整備、タイヤなどの支払いも続きます。

貯蓄が多い人ほど高額車を買ってよい、とは限りません。

「買える最高額」と「気持ちよく使える金額」は別物なのです。


60代の車購入予算は「総支払額」で決める

「予算200万円で買える車」「300万円以下のおすすめ車」といった情報を見ていると、つい車両本体価格ばかりに目が向きます。

ですが、老後資金から購入するなら、見るべきなのは実際に財布から出ていく総額です。

販売店では、最初からこう伝えてみてください。

「車両本体ではなく、購入に必要な費用を全部含めて200万円以内で考えています」

これだけで商談の方向がかなり明確になります。

私は長くディーラーの現場でお客様とお話ししてきましたが、予算オーバーは一つの大きな追加装備で起きるというより、「せっかくだから」の小さな積み重ねで起こりやすいものです。

そのため、車を見る前に「絶対に超えない総額」を決めることが大切です。

そして予算を超えた場合は、貯蓄から追加するより先に、グレード、用品、車種、新車か中古車か、といった条件を見直してみましょう。

老後資金は、一度車に変えてしまえば簡単には現金へ戻せません。

60代では「少し足せば上級グレード」より、少し残せば将来の安心という視点も持っておきたいですね。


年間維持費はいくら?「買える車」と「持てる車」は違う

車の予算は、納車日に完成するものではありません。

税金、自賠責保険、任意保険、燃料、車検、点検、タイヤ、バッテリーなど、所有している間は支出が続きます。

そこで老後の車選びでは、もう一つ式を持っておきましょう。

退職後の年間収入-年間生活費-車以外の固定費>年間の車維持費

この状態を無理なく保てることが理想です。

たとえばインズウェブが2025年4月から2026年3月までのサービス利用者を集計したデータでは、60代の自動車保険料平均は、車両保険なしで年29,916円、車両保険ありで年59,006円とされています。

ただし、これはサービス利用者の集計値です。

車種、等級、補償内容、使用目的などで保険料は変わるため、「60代なら保険は年間3万円」と固定してはいけません。実際の条件で見積もる必要があります。

年間維持費を仮に27万円として考えてみる

ここで、「購入できる上限」と「持ち続けられる上限」の違いを見るため、平均値ではなく説明用の仮定を置いてみましょう。

あるコンパクトカーを年間5,000~7,000km程度使う家庭を想定し、家計管理用として次の金額を仮置きするとします。

項目 年間予算の仮定
任意保険 6万円
税金など 4万円
燃料 8万円
車検・点検・整備の積立 6万円
タイヤ・バッテリー等の消耗品積立 3万円
合計 27万円

この27万円は統計上の「60代平均」ではありません。

車種、排気量、燃費、走行距離、駐車場代、地域、保険条件、故障状況などで大きく変わるため、家計を考えるための架空モデルです。

それでも一つ重要なことが見えてきます。

年間27万円なら、月平均では約2万2,500円です。

購入資金として300万円を用意できたとしても、退職後の家計から毎月2万円以上を車に回す余裕がなければ、その300万円の車は「買えるけれど、持ち続けにくい車」になる可能性があります。

反対に、200万円程度の車へ予算を下げ、維持費や将来の整備費を余裕をもって確保できるなら、生活全体ではそちらのほうが安心できる場合があります。

私はここが、老後の車選びで非常に重要なポイントだと考えています。

車の価格表だけでは老後の予算は決まりません。家計簿の横に年間維持費を置いたとき、初めて本当の予算が見えてきます。


60代でローンを使うなら「借りられる額」より完済年齢を見る

60代でも、金融機関の商品条件や審査条件を満たせばマイカーローンを利用できる場合があります。

ただし注目したいのは、現在の年齢だけではありません。

何歳で返済が終わるのかです。

2026年8月時点で、三菱UFJ銀行の「ネットDEマイカーローン」では、申込時満18歳以上で、完済時が満70歳の誕生日までなどの条件が設定されています。

また、前年度税込年収200万円以上などの条件があり、年金収入のみの場合は対象外と案内されています。

横浜銀行のマイカーローンでは、借入時点で満18歳以上、最終返済時の年齢が満70歳未満で、安定継続した収入があることなどが利用条件として示されています。

一方、JAバンクが掲載している融資条件の例では、借入時18歳以上75歳未満、最終償還時80歳未満、融資期間6カ月以上15年以内などの条件が示されています。

ただしJAの条件は地域や商品によって異なる場合があります。

ローンの商品条件は変更されることもありますので、申込時には各金融機関の公式情報で最新条件を確認してください。

重要なのは、「60代でも借りられる」という情報だけを見て安心しないことです。

老後では、借りられる金額より、退職後も無理なく返せる金額のほうが大切です。

年金月10万・15万・20万円なら返済額はどう見える?

ここでは、金融機関の融資基準ではなく、家計感覚をつかむための単純なシミュレーションをしてみます。

返済額を月収の30%、金利年3%、返済期間3年と仮定した場合の概算です。

月の収入 30%を返済に回した場合 3年間の借入額の概算
10万円 3万円 約100万円
15万円 4.5万円 約155万円
20万円 6万円 約205万円

これは、金融機関が「この金額まで貸してくれる」と示した数字ではありません。

収入の種類、他の借入れ、勤続状況、年齢、信用状況、金融機関の審査基準などによって実際の結果は変わります。

そして私は、老後家計では30%という数字自体を「使ってよい枠」と考えないほうがいいと思っています。

仮に月6万円返済できる計算でも、旅行や外食、趣味をすべて我慢しなければ払えないなら、それは安心できる返済とは言いにくいですよね。

車は暮らしを豊かにする道具です。

車のために暮らしそのものが窮屈になってしまったら、少し本末転倒です。


現金一括とローンはどちらが60代に向く?

現金一括とローンには、それぞれ良い面と注意点があります。

日本トレンドリサーチとグーネット定額乗が、車を所有する全国の男女1,242人を対象として2022年12月24日~31日に行った調査では、車購入時の支払い方法として現金一括を選んだ人が74.0%、ローンが19.0%でした。

ただし、多くの人が現金一括を選んでいるからといって、60代のすべての家庭で一括払いが正解という意味ではありません。

現金一括なら利息を払わずに済み、購入後に返済も残りません。

一方で、60代では手元資金を一度に大きく減らすこと自体がリスクになる場合があります。

退職後には住宅修繕や家電の買い替えなど、予定していなかった出費も起こります。

300万円の車を一括購入した翌月、給湯器まで「私もそろそろ引退します」と言い出したら困りますよね。

そのため、

200万円を現金+100万円をローン

のように、現金と借入れを組み合わせる方法もあります。

もちろん、この方法なら必ず安心という意味ではありません。

金利負担と、手元資金を残すメリットを比較して判断する必要があります。

頭金20~30%は絶対的な基準ではない

車のローンでは、頭金として車両価格の20~30%程度を一つの目安として紹介されることがあります。

たとえば250万円の車なら50万~75万円です。

しかし、これも60代全員が守るべき絶対的なルールではありません。

頭金を増やせば借入額や利息負担を抑えやすくなりますが、その分だけ預貯金が減ります。

つまり60代では、

ローンを減らす安心

と、

現金を残す安心

の両方を比べる必要があります。

年金、住宅ローン、介護への備え、資産運用などを含めた老後資金全体の判断については、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家へ相談してください。

私はモーターライフ・アドバイザーとして、あくまで車側から家計を圧迫しにくい選び方を整理する立場でお伝えしています。


住宅ローンが残る60代は車予算を一段慎重に考える

60代でも住宅ローンが残っている家庭なら、車の購入予算は一段慎重に考えたいところです。

住宅ローン、車のローン、固定資産税、自動車保険、車検などが重なると、一つ一つは払える金額でも合計すると負担が大きくなることがあります。

この場合、

金融資産-残す生活資金-大型支出

という資産側の計算だけでは足りません。

毎月の収支も確認しましょう。

たとえば年金などの手取り収入から、住宅ローン、食費、水道光熱費、通信費、保険料などを差し引いたあと、車の維持費とローン返済を払っても黒字を維持できるかを見るのです。

もし毎月の家計が赤字になり、その穴を預貯金で埋め続ける状態になるなら、車両価格を下げる、ローン額を減らす、維持費の軽い車へ変更する、といった見直しが必要になります。

私は長く車の相談を受けるなかで、購入価格は慎重に比較していても、タイヤや保険、車検などを「毎年の家計」まで落として考えることは意外と難しいと感じてきました。

見積書を眺めるだけではなく、1年分の車費用を家計簿の横に置いてみてください。

これだけでも、「この車なら長く付き合えそうだな」という感覚がかなり具体的になります。


予算を下げるなら安全装備より豪華装備から削ろう

「老後だから、とにかく安い車を選んだほうがいいのかな」

そう考えるお気持ちも分かります。

ただ私は、60代以降の車選びでは、価格を下げるときでも安全を支援する装備まで削りすぎないことが大切だと考えています。

政府は、衝突被害軽減ブレーキなどを備えた「セーフティ・サポートカー(サポカー)」の普及を進めてきました。

国土交通省が示した乗用車等への衝突被害軽減ブレーキの適用時期は、国産新型車が2021年11月、輸入新型車が2024年7月、国産継続生産車が2025年12月、輸入継続生産車が2026年7月です。

そのため2026年時点では、新しい車を中心に衝突被害軽減ブレーキの装着が進んでいます。

一方で中古車は、年式や車種、グレードによって搭載されている安全機能が異なります。

「自動ブレーキ付き」と書いてあるだけで判断せず、何を検知するのか、どんな条件で作動するのか、踏み間違い時の加速抑制機能があるかなどを車両ごとに確認したいところです。

なお、過去に行われていた国のサポカー補助金は、2021年11月末に申請受付を終了しています。

古い記事には補助金の情報が残っていることがありますが、2026年の車購入予算へ当時の補助金を組み込むことはできません。

今後別の支援制度が設けられる可能性もありますので、制度を利用したい場合は購入時点の国土交通省など公的機関の最新情報を確認してください。

私なら予算オーバーになったとき、まず豪華装備から見直します。

内装の質感を一段下げる。

大きなホイールを標準サイズにする。

必要以上に大きな車からコンパクトな車へ変える。

新車が予算を超えるなら、安全装備の条件を決めて中古車まで広げる。

安全に関わる部分を残しながら、満足度への影響が小さい部分から削る。

これが60代の車選びでは、後悔を減らしやすい順番だと私は考えています。


60代では「何歳まで乗るか」から車予算を逆算しよう

ここまで「買うとき」と「持っている間」のお金を見てきました。

もう一つ、老後の車では出口も考えておきましょう。

つまり、

「この車を何歳まで乗る予定なのか」

です。

たとえば65歳で購入し、75歳まで10年間乗る予定なら、安全装備、乗り降りのしやすさ、視界、運転しやすいサイズなどへ予算を使う意味があります。

一方、72歳で購入し、「75~77歳ごろには免許返納も含めて考えたい」と思っているのであれば、高額車を長期ローンで購入する必要性は小さくなるかもしれません。

同じ300万円でも、

10年間乗る300万円

と、

3年間乗る300万円

では、老後資金に与える意味が変わります。

「人生最後の車だから、少しいい車に乗りたい」

この気持ちは、私もよく分かります。

車が好きな方なら、長く頑張ってきた自分へのご褒美という意味もありますよね。

だからといって、最後の車だから豪華にしなければならないわけではありません。

私はむしろ、最後まで気持ちよく使い切れる車にお金を使うという考え方も、とても素敵だと思っています。

大径ホイールより乗り降りのしやすさ。

派手な内装より前後左右の見やすさ。

必要以上に大きなボディより駐車のしやすさ。

若いころに欲しかった装備と、70代まで頼りになる装備は少し違ってくるんですね。


杉原健一が考える安心予算は「翌月・3年後・手放す日」で決める

ここからは、モーターライフ・アドバイザーとしての私見です。

「60代なら車はいくらまでですか」と聞かれても、私は200万円、300万円と即答しません。

代わりに、三つの場面を想像していただきたいと思っています。

一つ目は、納車した翌月です。

車代を払ったあと、通帳を見ても「これなら大丈夫」と思えるでしょうか。

二つ目は、購入から3年後です。

税金、保険、車検、点検、タイヤ交換などが重なっても、旅行や趣味、家族との時間を大きく削らず払えるでしょうか。

三つ目は、その車を手放す日です。

高額なローンが残っていないか。

「ここまで高い車でなくてもよかった」と後悔しないか。

この三つを想像して、それでも「大丈夫」と思える金額が、その人にとっての安心予算ではないでしょうか。

新車の納車日は、もちろんうれしいものです。

ピカピカのボディを見れば、「やっぱり上のグレードにしてよかった」と思うかもしれません。

でも、老後の車選びの本当の答え合わせは納車日ではありません。

1年後、3年後、そして車を降りる日です。

そのときにも、「この車にしてよかった」と思えること。

私は、それこそが老後の上手なお金の使い方だと考えています。

「購入上限」と「安心予算」を同じにしない

今回の3ケースをもう一度見てみると、

預貯金500万円のモデルでは、説明上の購入上限が100万円。

預貯金800万円のモデルでは200万円。

預貯金1,500万円のモデルでは500万円でした。

ただし、ここまで読んでいただいた方なら、この数字をそのまま「使うべき予算」とは考えないですよね。

500万円まで使える計算でも、350万円で満足できる車があるなら、残り150万円は安心へ回せます。

200万円まで使える計算でも、年間維持費を考えると150万円程度の車のほうが家計に合うこともあります。

つまり、

計算で出るのが購入上限。

暮らしまで考えて決めるのが安心予算。

この二つを分けて考えることが、60代の車選びではとても大切だと思います。


まとめ|老後の車はいくらまでかは「残すお金」と維持費で決める

老後の車はいくらまでなら安心なのか。

全国共通で「200万円まで」「300万円まで」という正解はありません。

まず、

現在の金融資産-残しておく生活資金-近い将来の大型支出

という式で、購入に使える上限を出します。

次に、その金額を車両本体価格ではなく、購入に必要な総支払額として考えます。

さらに、

退職後の年間収入-生活費-車以外の固定費

から、税金、保険、燃料、車検、整備などの年間維持費を無理なく払えるか確認します。

この記事で紹介した預貯金500万円・800万円・1,500万円のケースは、考え方を比較するためのモデルです。

生活資金300万円・500万円・800万円を残すことを推奨する基準ではありません。

実際の安心予算は、年金額、住宅費、住宅ローン、家族構成、健康状態、これから何年働くか、住宅修繕などの予定によって変わります。

そして、もう一つ忘れたくないのが、何歳までその車に乗るのかです。

車は単なる出費ではありません。

買い物、通院、旅行、趣味、家族との時間を支えてくれる大切な生活道具です。

だからこそ、「買える最高額」を目いっぱい使うのではなく、車を買ったあとにも暮らしを楽しめる金額を予算にしてみてくださいね。


よくある質問

60代の車購入予算は200万円くらいが妥当ですか?

200万円が一律の基準というわけではありません。

金融資産から、購入後も残したい生活資金と近い将来の大型支出を先に引き、その残額を購入関連総予算の上限として考えるほうが現実的です。

そのうえで、税金、保険、燃料、車検、整備などの年間維持費を退職後の収支から無理なく払えるか確認しましょう。

70歳を過ぎてもマイカーローンは組めますか?

商品によっては利用できる場合がありますが、年齢条件は金融機関によって異なります。

2026年8月時点で、三菱UFJ銀行の「ネットDEマイカーローン」は完済時が満70歳の誕生日まで、横浜銀行では最終返済時満70歳未満などの条件が示されています。

JAバンクが掲載する融資条件例では、最終償還時80歳未満とする例もあります。

商品条件は変更されることがあるため、申込時には必ず各金融機関の公式情報を確認してください。

退職金があるなら車は現金一括で買うべきですか?

現金一括なら利息を払わずに済みますが、預貯金を大きく減らすことで住宅修繕などへの備えが薄くなる場合があります。

先に必要な生活資金を確保し、一括払い、頭金+ローン、車両予算そのものを下げる方法などを比較してみましょう。

年金、住宅ローン、介護資金、資産運用まで含めた老後資金全体について判断したい場合は、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家へ相談することも選択肢です。

杉原健一(すぎはらけんいち)

モーターライフ・アドバイザー

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