60代で買い替えた車は、60〜64歳なら7〜10年を計画期間に、65〜69歳なら5〜7年後に再評価するのが私の提案です。
ただし、これは公的機関が定めた推奨年数ではありません。車の状態、退職後の生活、運転のしやすさ、将来の維持費によって、適切な保有期間は変わります。
この記事では、60代の買い替え傾向を示す調査と、300万円の新車を使った仮定の費用比較をもとに、70代以降も後悔しにくい判断方法を解説します。
60代で買い替えた車は何年乗る?年齢別の結論と判断基準
60代で車を購入するなら、最初に考えたいのは「何年乗れるか」よりも「何年後に生活が変わりそうか」です。
私は、60代前半と後半で、車の保有計画を少し変えることをおすすめしています。
60〜64歳なら7〜10年を計画期間にする
60代前半で新車を購入する場合は、7〜10年程度をひとつの計画期間にすると、購入費用や維持費の見通しを立てやすくなります。
例えば、60歳で購入して10年間乗れば70歳、64歳で購入すれば74歳です。
この期間には、退職によって通勤がなくなったり、夫婦で旅行する機会が増えたりするなど、車の使い方が変わる可能性があります。
だからこそ、購入時の生活だけに合わせるのではなく、退職後の使い方まで想像しておきたいですね。
65〜69歳なら5〜7年後の再評価を前提にする
60代後半で購入する場合は、5〜7年後に運転環境を確認する計画が現実的だと私は考えています。
例えば、68歳で購入した車は、5年後に73歳、7年後に75歳、10年後に78歳になります。
もちろん、75歳になったから車を手放さなければならないわけではありません。
ただ、免許更新の手続きや体調、運転時の疲れやすさなどを確認する機会を、あらかじめ予定しておくと安心です。
購入年齢によって将来の年齢はどう変わる?
| 購入時の年齢 | 5年後 | 7年後 | 10年後 |
|---|---|---|---|
| 60歳 | 65歳 | 67歳 | 70歳 |
| 63歳 | 68歳 | 70歳 | 73歳 |
| 65歳 | 70歳 | 72歳 | 75歳 |
| 67歳 | 72歳 | 74歳 | 77歳 |
| 69歳 | 74歳 | 76歳 | 79歳 |
この表から分かるのは、同じ10年保有でも、購入時の年齢によって将来の生活環境が異なるということです。
65歳で買った車を75歳まで乗る計画と、69歳で買った車を79歳まで乗る計画では、確認しておきたいことも違いますよね。
ただし、年齢はあくまで計画を整理するための数字です。
運転能力には個人差があるため、年齢だけで車の買い替えや運転継続を判断することは適切ではありません。
なぜ5年目と7年目に見直すのか?
私が5年目と7年目を確認時期として提案する理由は、主に3つあります。
- 車検周期:新車は初回3年、その後は原則2年ごとに車検を受けるため、5年目と7年目は整備費用を確認しやすい。
- 売却価値:年数が経過すると車の査定額が変化するため、修理して乗り続ける場合と売却する場合を比較しやすい。
- 生活の変化:退職、年間走行距離の減少、家族構成の変化などによって、必要な車が変わる可能性がある。
ここで誤解してほしくないのは、5年目や7年目に必ず買い替えるという意味ではないことです。
私は、この時期を「買い替えの期限」ではなく「続けて乗るかを判断する日」として考えています。
車検の見積もりを受け取ったときに、現在の車の価値や今後の修理費用も確認すれば、感覚だけに頼らず判断できます。
これは、長年メーカー直営ディーラーでお客様の車選びや維持費の相談に向き合ってきた経験から、特に大切だと感じている考え方です。
車は5年・7年・10年のどれが得?300万円の新車による仮定の費用比較
車を長く乗れば、購入費用を多くの年数に分散できます。
しかし、売却価格の低下や整備費用の増加まで考えると、10年保有が必ず最も安くなるとは限りません。
ここでは、300万円の新車を購入するという仮定を置いて、5年・7年・10年の実質負担を比較します。
5年・7年・10年の試算条件
今回の比較は、実際の販売価格や中古車査定額を調査したものではありません。
保有期間によって費用がどのように変わるかを理解するためのモデルケースです。
条件は次のように設定します。
- 新車購入価格:300万円
- 購入時諸費用:20万円
- 5年後の売却価格:150万円
- 7年後の売却価格:110万円
- 10年後の売却価格:60万円
- 5年間の車検・点検・消耗品費:25万円
- 7年間の車検・点検・消耗品費:45万円
- 10年間の車検・点検・消耗品費:85万円
- 税金・任意保険・燃料代など:年間25万円
年間25万円には、車検・点検・消耗品費とは別に発生する税金、保険料、燃料代などを含めます。
車検時の重量税などを整備費に重複計上しない前提です。
駐車場代、ローン金利、購入後の追加装備費用などは含めていません。
また、売却価格は車種や走行距離、市場環境によって変動するため、実際の査定額を保証するものではありません。
年間平均負担は7年保有が最も低いという試算結果
実質負担は、次の計算式で求めます。
実質負担=購入価格+諸費用+整備費+維持費-売却価格
この条件で計算すると、結果は次のようになります。
| 項目 | 5年保有 | 7年保有 | 10年保有 |
|---|---|---|---|
| 購入価格・諸費用 | 320万円 | 320万円 | 320万円 |
| 売却価格 | 150万円 | 110万円 | 60万円 |
| 車検・点検・整備費 | 25万円 | 45万円 | 85万円 |
| 税金・保険・燃料代等 | 125万円 | 175万円 | 250万円 |
| 実質負担合計 | 320万円 | 410万円 | 595万円 |
| 年間平均負担 | 64.0万円 | 約58.6万円 | 59.5万円 |
本記事の仮定条件では、年間平均負担が最も低いのは7年保有です。
5年保有では年間64万円、7年保有では約58万6,000円、10年保有では59万5,000円になります。
7年保有と10年保有の年間平均負担の差は約9,000円です。
ここで大切なのは、7年が経済的に最適だと証明されたわけではないことです。
この結果は、設定した売却価格と整備費用によって生まれたものです。
また、年間平均負担と、同じ10年間に支払う総費用は別の比較になります。
同じ10年間で比較すると長期保有が有利になる?
5年ごとに新車へ買い替える場合と、同じ車を10年間乗り続ける場合を比較してみましょう。
最初の5年間の実質負担は320万円です。
6年目にも同じ価格の新車を購入でき、5年間の維持費や売却価格も変わらないと仮定すると、次の5年間も320万円になります。
つまり、10年間で2台を使用した場合の実質負担は640万円です。
一方、同じ車を10年間保有した場合は595万円でした。
| 10年間の利用方法 | 実質負担 |
|---|---|
| 5年ごとに新車へ買い替える | 640万円 |
| 1台を10年間保有する | 595万円 |
| 差額 | 45万円 |
本記事の仮定条件では、同じ車を10年間乗り続けるほうが45万円安くなります。
先ほどは7年保有の年間平均負担が最も低かったのに、こちらでは10年保有が有利になりました。
これは計算が矛盾しているのではありません。
前者は保有期間の異なる車の年間平均費用、後者は同じ10年間の総費用を比較しているからです。
なお、6年目の新車価格が上昇した場合や、2台目の維持費が変わった場合には、結果も変化します。
7年ごとに買い替える場合を同じ10年間で比較するには、2台目を3年間保有した後の売却価格などを追加で設定する必要があります。
そのため、7年保有についても、今回の年間平均額だけで最も得だと結論づけることはできません。
10年目まで故障が少なければ結果は変わる?
ここで、もうひとつの条件を考えてみましょう。
最初の試算では、10年間の車検・点検・整備費を85万円としました。
しかし、故障が少なく、整備費が65万円で済んだ場合はどうでしょうか。
その他の条件を変えずに計算すると、10年間の実質負担は575万円になります。
年間平均負担は57万5,000円です。
| 試算条件 | 7年保有 | 10年保有 |
|---|---|---|
| 基本シナリオの年間平均負担 | 約58.6万円 | 59.5万円 |
| 10年保有の整備費を20万円減らした場合 | 約58.6万円 | 57.5万円 |
この追加シナリオでは、10年保有の年間平均負担が7年保有を下回ります。
反対に、10年間の整備費が105万円まで増えれば、年間平均負担は61万5,000円になります。
つまり、整備費用が20万円変わるだけでも、年間平均の順位は逆転するのです。
私は、この違いこそ長期保有を考えるうえで重要だと思います。
「7年が得」「10年が得」という答えを探すより、自分の車が今後どの程度の整備費用を必要とするかを確認するほうが、実際の判断に役立ちます。
修理費20万円なら買い替えたほうが得?3年間で比較する
例えば、7年間乗った車に20万円の修理が必要になったとします。
「20万円もかかるなら、新しい車を買ったほうがよいのでは」と迷う方もいらっしゃいますよね。
しかし、修理費20万円と新車価格300万円を単純に比較しても、正しい損得は分かりません。
そこで、今後3年間にかかる費用を比較してみます。
現在の車を修理して乗り続ける場合、次の条件を設定します。
- 現在の車の売却価格:100万円
- 今回の修理費:20万円
- 今後3年間の追加整備費:10万円
- 3年後の売却価格:40万円
この場合、現在100万円で売却できる車が3年後には40万円になるため、資産価値の減少は60万円です。
そこに修理・整備費30万円を加えると、3年間の実質負担は90万円になります。
一方、新車へ買い替える場合は、次の条件を設定します。
- 新車購入価格・諸費用:320万円
- 新車の3年後の売却価格:200万円
- 3年間の追加整備費:0万円と仮定
新車の取得費用320万円から3年後の売却価格200万円を差し引くと、実質負担は120万円です。
比較結果を整理しましょう。
| 今後3年間の選択 | 実質負担 |
|---|---|
| 現在の車を修理して乗る | 90万円 |
| 新車へ買い替える | 120万円 |
| 差額 | 30万円 |
この仮定では、修理して3年間乗り続けるほうが30万円安くなります。
ただし、税金、保険料、燃料代などの差は含めていません。
また、現在の車に追加で高額な故障が発生した場合や、3年後の売却価格が想定より低くなった場合には、結果が変わります。
例えば、現在の車の3年後の売却価格が40万円ではなく10万円なら、修理継続の実質負担は120万円となり、今回の新車購入モデルと同額です。
このように、将来の売却価格も判断に大きく影響します。
ディーラーで維持費の相談に向き合う際、私が大切にしてきたのは、見積書に書かれた金額だけで結論を急がないことです。
今回の例は実在するお客様の相談記録ではなく、比較方法を説明するための仮定ですが、修理費だけでなく、その後の費用と車の価値を考えるという視点は共通しています。
なお、ブレーキや操舵装置など安全に関わる重大な不具合がある場合は、経済的な損得よりも安全確保を優先してください。

60代は実際に何年車に乗っている?調査データと数字の注意点
60代の車の保有期間を考える際には、世代別の買い替え傾向や乗用車全体の保有期間も参考になります。
ただし、ここで紹介する過去の調査結果は、60代にとって経済的に最適な年数を示すものではありません。
調査対象や質問の内容によって、数字の意味が異なることにも注意が必要です。
カーセンサー自動車総研が2022年に紹介した60代の乗車期間
2022年9月20日、カーセンサー自動車総研は、中古車購入実態調査に関連する世代別の車の乗車期間を紹介しました。
カーセンサー統括編集長で自動車総研所長の西村泰宏氏が解説した内容として、20代と60代では買い替えサイクルに違いがあると伝えられています。
紹介された数字では、20代の約半数が4年未満で車を乗り換え、約2割は2年未満で乗り換えるという傾向が示されていました。
一方、60代では半数弱が8年以上という長い乗車期間だったとされています。
中古車の平均購入単価については、20代が162.9万円、60代が160.0万円という数字も紹介されています。
ここで興味深いのは、購入単価が近くても、車を使用する期間には違いが見られるという点です。
ただし、これらは2022年当時に紹介された調査結果であり、2026年現在の中古車価格や買い替え傾向を示すものではありません。
また、今回の執筆では、元調査の設問票、調査対象人数、実施期間、集計方法を直接照合できていません。
そのため、「60代の半数弱が8年以上」という数字が、買い替え前の車の使用期間なのか、調査時点で所有している車の保有期間なのかは確定できません。
この数字を「現在の60代の半数弱が同じ車に8年以上乗っている」と断定することは避ける必要があります。
私としては、60代には長く車を使用する人が一定数いる可能性を示す参考情報として受け止めています。
ただし、この調査だけを根拠に、60代は8年や10年乗るべきだと結論づけることはできません。
なお、紹介記事は民間の調査解説であり、元の調査票や集計表そのものではありません。
一次資料による対象者や設問の確認が完了していないため、本記事の保有年数の提案は、この数値から直接導いたものではありません。
日本自動車工業会の2023年度調査では平均保有期間7.2年
一般社団法人日本自動車工業会の「2023年度乗用車市場動向調査」に関連して、乗用車の平均保有期間7.2年、新車の平均保有期間7.7年という数字が紹介されています。
また、10年を超えて保有する人が2割強、次の買い替え時期が未定という回答が6割強とされる情報もあります。
ただし、今回の執筆では、これらの数値が原資料のどの設問・集計表に対応するかを確認できていません。
調査対象人数や回答者の構成、平均保有期間の算出方法も未照合です。
したがって、7.2年という数字を2026年現在の60代の平均保有期間として扱うことはできません。
また、新車の7.7年という数字との差から、中古車の平均保有期間を単純に計算することも適切ではありません。
新車と中古車の構成比や集計条件が分からなければ、正しい平均値を求められないからです。
私がこの調査から考えたいのは、平均年数そのものよりも、買い替え時期をあらかじめ決めていない人がいるという点です。
車は家電製品のように、購入から一定年数で必ず交換するものではありません。
故障や生活の変化、維持費などをきっかけに買い替えを考える人もいるでしょう。
だからこそ、60代では購入時に使用期限を決めるより、途中で見直す計画を持つことに意味があると私は考えています。
なお、2026年時点で利用可能な最新の調査値との比較は完了していないため、ここで紹介した過去の数値を最新の全国平均とは位置づけません。
平均車齢9.22年と平均保有期間は何が違う?
車の寿命を考えるときに、もうひとつ知っておきたいのが「平均車齢」です。
一般財団法人自動車検査登録情報協会が公表した2023年3月末時点の乗用車の平均車齢は9.22年でした。
また、軽自動車検査協会が公表した2023年12月末時点の軽自動車の平均車齢は9.38年です。
これらは、それぞれの公表時点における車の登録からの経過年数を表す指標です。
一人の所有者が同じ車に何年間乗ったかを示す数字ではありません。
例えば、登録から8年経過した中古車を購入して7年間乗れば、購入者の保有期間は7年ですが、車齢は15年になります。
中古車を長く乗る場合には、この違いが重要です。
購入からの年数が短くても、車齢によって税金の重課や経年劣化が関係してくるからです。
なお、これらの平均車齢は2023年時点の数値であり、2026年現在の平均値ではありません。
また、平均車齢が9年程度だからといって、9年が車の寿命という意味でもありません。
平均保有期間と平均車齢は、似ているようで別の数字なのですね。
70代まで乗る車はどう選ぶ?安全装備・維持費・免許更新の確認点
60代で購入した車を70代まで使用するなら、現在の便利さだけでなく、将来も無理なく扱えることが重要です。
私は、車体の大きさや燃費だけでなく、乗り降りのしやすさ、安全運転支援機能、免許更新、退職後の家計まで確認することをおすすめします。
乗り降りしやすい車は長く付き合いやすい
車の乗り降りは、毎日の生活で繰り返す動作です。
購入時には気にならなくても、数年後には座席の高さやドアの開き方が負担になることがあります。
例えば、車高の低いセダンでは、乗るときに腰を深く落とす必要がある場合があります。
一方、車高の高いSUVでは、座席に上がる動作が必要になることもあります。
どちらが楽なのかは、体格や身体の状態によって異なります。
カタログの全高だけでは判断できないため、販売店で実際に乗り降りしてみましょう。
特に確認したいのは、次の項目です。
- 運転席に乗るとき、頭や腰を大きく曲げないか
- 座席から立ち上がるとき、無理な力が必要ないか
- 狭い駐車場でもドアを開けやすいか
- シートやハンドルの位置を調整しやすいか
- 前後左右の見通しがよいか
- 車幅や車体の四隅を把握しやすいか
私なら、短い試乗だけでなく、運転席への乗り降りを何度か繰り返して確認します。
車は走っている時間だけでなく、乗り降りする時間も含めて付き合うものですからね。
ミニバンやSUVからコンパクトカーへ乗り換えるべき?
子どもが独立し、普段の乗車人数が1〜2人になった場合は、車の大きさを見直す機会かもしれません。
これまで家族全員で使用していたミニバンが、現在の生活には大きすぎる場合もあります。
例えば、買い物や通院が中心なら、コンパクトカーでも十分なことがあります。
車体が小さくなれば、住宅街や狭い駐車場で扱いやすくなる可能性があります。
また、車種によってはタイヤ代や燃料代、自動車税などを抑えられるでしょう。
ただし、コンパクトカーなら必ず運転しやすいとは限りません。
運転席からの視界、最小回転半径、車幅感覚などは車種ごとに異なります。
私が重視したいのは、車の大きさそのものよりも、普段利用する道路や駐車場で無理なく扱えることです。
退職後に長距離旅行を楽しみたい方なら、走行時の快適性も大切になります。
一方、近距離の移動が中心なら、取り回しのよさや乗降性を優先する選択もあります。
今の暮らしに合う車が、これからの暮らしにも合うかを考えてみたいですね。
75歳以上の免許更新制度はどうなる?
75歳は、運転環境を見直すひとつの節目になります。
警察庁が案内している運転免許制度では、75歳以上の運転者は免許更新時に認知機能検査を受ける必要があります。
また、一定の違反歴がある場合には、運転技能検査の対象になります。
対象となる運転技能検査に合格できなければ、更新手続きを完了できません。
ただし、75歳以上のすべての運転者が運転技能検査を受けるわけではありません。
70歳以上の免許更新では高齢者講習も必要であり、年齢や条件によって手続きが異なります。
例えば、65歳で新車を購入して10年間乗る計画なら、75歳の免許更新時期と重なる可能性があります。
そのため、購入時には車の保有期間だけでなく、免許更新の予定も確認しておくと安心です。
なお、健康状態や運転能力に不安がある場合は、免許更新時期を待つ必要はありません。
医師や専門機関へ相談し、必要に応じて運転方法や移動手段を見直すことが大切です。
制度の対象条件や手続きは変更される可能性があるため、最新情報は警察庁や都道府県警察の公式案内で確認してください。
安全運転支援機能は何を確認すればよい?
70代以降も使用する予定なら、安全運転支援機能も重要な判断材料です。
国土交通省が公表する自動車アセスメントなどの情報を参考に、車種ごとの安全性能を確認しましょう。
特に確認したいのは、衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時の加速抑制機能、車線逸脱警報、駐車時の周囲確認を支援する機能です。
ただし、これらは事故を完全に防ぐ装置ではありません。
作動する速度や道路状況、検知対象などには制限があります。
また、同じ車名でも年式やグレードによって装備内容が異なる場合があります。
中古車を購入する際には、カタログ上の車名だけで判断せず、実車の装備を確認することが大切です。
私は、安全装備の数が多いことだけでなく、運転者自身が機能を理解し、無理なく使用できることを重視したいと考えています。
退職後の収入でも維持できる予算にする
60代前半で車を購入する場合、保有期間中に退職を迎える可能性があります。
そのため、現役時代の収入だけを基準に購入予算を決めると、退職後に維持費が負担になることもあります。
例えば、毎月3万円のローンを5年間返済するなら、支払総額は180万円です。
7年間なら252万円になります。
これは毎月の返済額を単純に積み上げた計算であり、金利や頭金などの条件を示すものではありません。
実際にはローン返済に加えて、税金、任意保険、車検、燃料代、消耗品費も必要です。
さらに、長期保有を考えるなら、将来の修理費用も確保しておきたいところです。
私としては、購入時に支払えるかどうかだけでなく、退職後も無理なく維持できるかを確認することが重要だと考えています。
車を長く乗る計画は、家計に余裕があってこそ安心して続けられるものですからね。
60代の車はいつ買い替える?7年目の車検・10万km・13年超の判断
60代で購入した車を長く使用する場合、年数だけでなく、整備状態や走行距離、税金の変化も確認する必要があります。
特に7年目の車検は、今後の整備費用を整理するよい機会です。
7年目の車検では今後2年間の整備費用を確認する
新車購入から7年目は、3回目の車検に当たります。
この時期には、今回の車検費用だけでなく、次の車検までに必要になりそうな整備費用も確認しておきたいところです。
例えば、今回の車検費用が15万円、今後2年間の追加整備費用が10万円と見込まれるなら、合計25万円になります。
ただし、その25万円が高いか安いかは、車の状態や買い替え費用によって変わります。
私なら、整備工場で次の内容を確認します。
- 今回の車検で必ず必要な整備
- 今後1〜2年以内に交換が見込まれる部品
- タイヤやブレーキの摩耗状態
- バッテリーや足回りの状態
- 過去に修理した箇所の再発状況
- 今後高額修理につながりそうな不具合
特に大切なのは、今回必ず必要な修理と、今後の故障を予防するための交換を分けて説明してもらうことです。
見積書の合計金額だけを見ると高く感じても、内容を理解すれば納得できる場合があります。
反対に、今後も高額修理が続く見込みなら、買い替えを検討する理由になります。
私は、車検を単なる支払いの時期ではなく、これからのカーライフを見直す機会として活用してほしいと考えています。
10万kmを超えたら買い替えるべき?
走行距離10万kmは、車の買い替えを考える際によく話題になる数字です。
しかし、10万kmを超えたからといって、車が直ちに寿命を迎えるわけではありません。
車の状態は、整備履歴や使用環境によって大きく異なります。
例えば、定期的にエンジンオイルを交換している車と、交換時期を大幅に超えて使用されてきた車では、同じ走行距離でも状態が異なる可能性があります。
また、タイミングベルトの交換が必要な車もあれば、タイミングチェーンを採用している車もあります。
すべての車で10万km時点に同じ整備が必要になるわけではありません。
メーカーが指定する交換時期や整備項目を確認することが重要です。
走行距離だけを見て買い替えるのではなく、整備履歴と今後の修理費用を組み合わせて判断しましょう。
13年を超えると税金が増える?
長期保有では、登録から一定年数が経過した車に適用される税金の重課も確認したいところです。
一般的なガソリン車では、初回新規登録からおおむね13年を経過すると、自動車税種別割の重課対象になる場合があります。
ただし、適用年度は初回新規登録の時期などによって決まり、登録日からちょうど13年後に税額が変わるとは限りません。
また、電気自動車など対象外となる車種があり、ディーゼル車では経過年数の条件も異なります。
例えば、2019年9月30日以前に初回新規登録された排気量1.0L超〜1.5L以下の自家用ガソリン乗用車では、通常の自動車税種別割が年間34,500円、重課後が39,600円となる例があります。
この場合、年間差額は5,100円です。
軽自動車でも、対象となる自家用乗用車では年間10,800円から12,900円になる例があります。
こちらの差額は年間2,100円です。
さらに、自動車重量税にも13年経過や18年経過などに応じた税率区分があります。
ただし、重量税は車両重量やエコカー減税の適用条件などによって異なります。
これらは制度の仕組みを説明するための税額例であり、すべての車に同じ税額が適用されるわけではありません。
最新の税額や対象条件は、国土交通省、総務省、自治体などの公式情報で確認してください。
私としては、年間数千円の税負担増だけを理由に、数百万円の車を買い替える必要はないと考えています。
税金の増加よりも、車の状態や修理費用、運転のしやすさを含めた総合判断が大切です。
中古車を10年乗るなら整備記録を確認する
60代で中古車を購入して長く乗る場合は、購入時の車齢と整備履歴が重要です。
例えば、登録から8年経過した中古車を購入して10年間乗ると、車齢は18年になります。
購入価格が安くても、将来の修理費用や部品の供給状況を考慮する必要があります。
私なら、購入前に点検整備記録簿を確認し、エンジンオイル、ブレーキ、冷却系統、タイヤ、バッテリー、足回りなどの整備履歴を重視します。
また、過去の故障や修理内容、メーカー指定の定期交換部品への対応状況も確認したいところです。
記録が残っているから必ず良い車というわけではありません。
しかし、整備履歴が分かれば、今後必要になりそうな整備を予測しやすくなります。
中古車を長く乗るなら、購入価格の安さだけでなく、購入後の整備費用まで含めて判断することが大切ですね。
60代の車は最後の1台になる?私が考える後悔しない保有計画
ここからは、メーカー直営ディーラーで車選びや維持費の相談に携わってきた経験を踏まえ、私自身の考えをお伝えします。
60代の車選びでは、「これが人生最後の車になるかもしれない」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、私は購入時に最後の1台と決める必要はないと思っています。
車の寿命と運転を続ける期間は別に考える
例えば、65歳で購入した車が80歳になっても十分に使用できる状態だったとします。
しかし、運転者本人が運転を控えると決めたなら、車を使い続ける必要はありません。
反対に、75歳になっても運転を楽しんでいるものの、車の修理費用が増えているなら、買い替える選択もあります。
つまり、車の状態と運転者の状態は、それぞれ別の基準で判断する必要があるのです。
私は、これを「車の健康診断」と「運転生活の健康診断」に分けて考える方法としておすすめしています。
車の健康診断では、整備状態、故障履歴、今後の修理費用を確認します。
運転生活の健康診断では、体調、視力、運転時の疲れやすさ、生活上の必要性を確認します。
どちらか一方だけでなく、両方を見直すことで、無理な長期保有を避けやすくなるでしょう。
退職後に走行距離が減ったらどうする?
退職後は、年間走行距離が大きく減る場合があります。
例えば、現役時代には年間1万5,000km走っていた方が、退職後は年間5,000kmになるケースです。
走行距離が減れば、車の消耗を抑えられる可能性があります。
ただし、バッテリーやタイヤ、ゴム部品などは、走行距離が少なくても時間とともに劣化します。
そのため、走行距離が減ったから整備が不要になるわけではありません。
また、車の使用頻度が減った場合には、所有し続ける必要性も考えたいところです。
買い物や通院が中心なら、小型車への乗り換えが適している場合もあります。
公共交通機関が利用しやすい地域なら、車を手放す選択も考えられるでしょう。
私は、退職後の車選びでは、走行距離だけでなく、車を必要とする場面がどの程度あるかを確認することが大切だと考えています。
車を手放した後の移動費も考えておく
もうひとつ、見落としやすいのが車を手放した後の生活です。
運転をやめた場合、買い物や通院にタクシーを利用する機会が増えるかもしれません。
公共交通機関を利用する場合でも、移動費用は必要です。
例えば、車を手放した後に月2万円の移動費がかかると仮定すると、年間24万円になります。
5年間なら120万円です。
これは実際の平均的な移動費ではなく、家計を考えるための計算例です。
住んでいる地域や公共交通機関の充実度によって、必要な金額は大きく変わります。
それでも、車を購入するときに将来の移動費を考えておくことには意味があります。
購入予算を使い切るのではなく、必要に応じて別の移動手段へ切り替えられる余裕を残しておきたいですね。
60代の買い替えで本当に大切なのは何か?
私が60代の車選びで最も大切だと考えるのは、車を何年所有するかよりも、その車が生活に合っているかということです。
10年間乗る計画で購入しても、途中で生活が変われば、車を見直す必要が出てくるかもしれません。
反対に、7年程度で買い替えるつもりだった車でも、状態が良く、維持費に無理がなく、運転しやすいなら、予定より長く乗る選択もあります。
車を長く所有すること自体が目的ではありません。
自分が行きたい場所へ、安全に、無理なく移動できることが、カーライフの本当の価値だと私は考えています。
だからこそ、購入時には10年後までの答えを決めなくてもよいのです。
まずは今後5年間の生活を考え、その先は車の状態と暮らしの変化を見ながら判断していきましょう。
まとめ|60代の車は7〜10年を計画し、5年目・7年目に見直そう
60代で買い替えた車は、60〜64歳なら7〜10年を計画期間に、65〜69歳なら5〜7年後に再評価するのが私の提案です。ただし、これは公的な推奨年数ではなく、車検周期や生活環境の変化を踏まえた判断方法です。
費用面では、購入価格だけでなく、売却価格、整備費用、税金、保険料、燃料代を含めて比較することが重要です。本記事の仮定条件では7年保有の年間平均負担が最も低くなりましたが、同じ10年間の総費用では長期保有が有利となり、整備費用の変化によって結果も逆転しました。
私がおすすめしたいのは、5年目には生活の変化を、7年目には今後の整備費用を確認することです。車の状態と運転生活の両方を見直しながら、自分に合った保有期間を選んでみてくださいね。
よくある質問
60代で新車を買ったら10年乗るのは長すぎますか?
10年間乗ること自体が長すぎるわけではありません。
定期的に整備され、車の状態が良く、生活や運転能力にも合っているなら、10年以上乗ることも考えられます。
ただし、5年目や7年目に整備費用や運転のしやすさを確認することをおすすめします。
65歳で買い替えた車は何歳まで乗るのがよいですか?
65歳で購入して7年間乗れば72歳、10年間なら75歳です。
ただし、75歳を車の使用期限と考える必要はありません。
免許更新制度、健康状態、車の整備状況などを確認しながら、無理なく運転できるか判断しましょう。
60代で中古車を買うなら何年乗る計画がよいですか?
中古車の場合は、購入後の保有期間だけでなく、購入時の車齢や整備履歴が重要です。
例えば、登録から8年経過した車を7年間乗れば、車齢は15年になります。
長期保有を考えるなら、購入価格だけでなく、将来の修理費用や部品の供給状況も確認しましょう。
70代になったら車を買い替えるべきですか?
70代になったという理由だけで、必ず買い替える必要はありません。
現在の車が運転しやすく、整備状態も良好なら、乗り続ける選択もあります。
一方、乗り降りや駐車に負担を感じるようになった場合は、より扱いやすい車への乗り換えや、運転方法の見直しを検討するとよいでしょう。
60代で買った車を80代まで乗ることはできますか?
車の状態や整備状況によっては、長期間使用できる可能性があります。
ただし、80代まで運転を続けられるかどうかは、購入時点では判断できません。
車両の安全性と運転者の健康状態を定期的に確認し、必要に応じて運転方法や移動手段を見直すことが大切です。
執筆:杉原健一(モーターライフ・アドバイザー)
メーカー直営ディーラーで長年お客様の車選びやカーライフに関する相談に携わってきた経験をもとに、初心者の方にも分かりやすく、特定のメーカーに偏らない情報をお届けしています。
記事の更新日:2026年11月6日
※本記事の費用比較は条件を設定した試算であり、実際の購入費用、売却価格、整備費用を保証するものではありません。紹介した調査数値は記載した公表年時点の情報です。原資料の設問条件、調査対象人数、集計方法および2026年時点の最新値については未照合の部分があり、統計数値の確定的な解釈には使用していません。購入や買い替えの際は、最新の公式情報と実車の状態を確認してください。



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