55歳で車を買い替えるなら、65歳の暮らしまで見据え、予算・安全性能・乗りやすさ・維持費の順で考えることが大切です。
55歳は「定年まであと少し」という年齢であると同時に、これから10年、15年使うかもしれない車を選ぶ節目でもあります。
55歳で買った車に10年乗れば65歳、15年乗れば70歳です。つまり、いまの自分だけに合わせるのではなく、60代になった自分にも扱いやすい一台かという視点が欠かせません。
厚生労働省が2025年12月19日に公表した「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」では、常時雇用する労働者21人以上の企業23万7,739社を集計しています。
その結果、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%でした。内訳では「継続雇用制度の導入」が65.1%、「定年の引上げ」が31.0%です。
さらに、65歳以上定年企業(定年制廃止を含む)は34.9%、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は34.8%となっています。なお、70歳までの就業確保は企業の努力義務であり、「70歳まで同じ条件で雇用される」ことを意味する数字ではありません。 厚生労働省
つまり55歳の車選びは、
「60歳まで払えるか」ではなく、「60代に収入や働き方が変わっても気持ちよく持てるか」
まで考えておきたいわけです。
長年ディーラーの店頭でお客様と接してきた私は、50代のお客様には車種名を決める前に、「この車を何歳くらいまで乗る予定ですか?」と考えていただくことを大切にしてきました。
カタログを開く前に未来の暮らしを一枚描く。それだけで、必要な車がかなり見えやすくなります。
55歳で車を買い替えるなら最初に何を決める?
最初に決めたいのは車種ではありません。「何歳まで乗るか」「何に使うか」「60代に使い方がどう変わるか」の3点です。
ここを曖昧にしたまま販売店へ行くと、展示車の立派な装備に目を奪われがちです。
牛乳だけ買うつもりでスーパーへ行ったのに、気付けば大きなカートいっぱいに買っていた……車では金額の桁が違いますから、笑って済ませにくいですよね。
まず、現在の使い方を書き出してみましょう。
- 毎日の通勤に使う
- 夫婦で買い物へ行く
- 年に数回は高速道路で旅行する
- 趣味の荷物を積む
- 親を病院へ送迎する
- 子どもや孫を乗せることがある
次に、「65歳になったとき、この用途がどう変わるだろう」と考えてみます。
たとえば定年や再雇用によって通勤日数が減れば、年間走行距離も少なくなるかもしれません。
逆に、仕事に使っていた時間を旅行や釣り、ゴルフ、キャンプなどに回すようになり、定年後のほうが車を楽しむ時間が増える方もいらっしゃいます。
この違いは、車選びではかなり重要です。
年間1万km以上走る人と年間3,000~5,000km程度の人とでは、燃費性能に追加のお金をかけたときの経済的な効果も変わってきます。
子育て中に便利だった3列シートも、夫婦二人の移動が中心になれば持て余すかもしれません。
一方で、孫を乗せる機会が増える、親の送迎を始める、趣味の道具が増えるという方なら、単純に車を小さくするのが正解とも限りません。
「55歳だからコンパクトカー」ではなく、「60代の自分が車に何をしてもらいたいか」でサイズを決める。
私は、この考え方をおすすめします。
65歳になった自分の「普通の一日」を想像する
私がもう一つおすすめしたいのが、「65歳になった自分の平日」を想像する方法です。
特別な旅行の日ではなく、ごく普通の日を思い浮かべてみてください。
朝、スーパーへ買い物に行く。
午後は病院へ行く。
雨の日に狭い駐車場へ入れる。
荷物を持ったまま運転席へ乗り込む。
こうした何でもない場面で扱いにくい車は、10年間所有すると少しずつストレスになります。
逆に、旅行が趣味なのに街中での小回りだけを最優先し、高速道路を走るたびに疲れてしまう車を選んでも本末転倒です。
私は55歳の車選びでは、「いまの自分に100点の車」より「65歳でも80点以上を付けられる車」を探すほうが後悔を減らしやすいと考えています。
55歳の車買い替えではローンを何歳までに完済する?
車のローンは、借りられる年数ではなく、収入が変化しても無理なく返せる年数から逆算するのが基本です。
単純計算すると、55歳から5年ローンなら60歳、7年なら62歳、10年なら65歳が完済時期になります。
厚生労働省の2025年集計では65歳までの雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%ですが、そのうち65.1%は継続雇用制度によるものです。 厚生労働省
ここで注意したいのは、
「65歳まで働ける可能性がある」=「55歳の現在と同じ収入が65歳まで続く」
ではないことです。
勤務形態、役職、勤務日数、給与体系などが変わる可能性はあります。
55歳の月3万円と、収入が変化したあとの月3万円では、家計に占める重さが違ってくるかもしれません。
そのため私は、「月々いくらなら払えるか」だけで車の予算を決めることはおすすめしていません。
少なくとも次の5点を確認してみてください。
- ローン完済時は何歳になるのか
- 60歳以降の収入をどう想定しているか
- 住宅ローンなど他の固定費はいくら残っているか
- 車検・タイヤ交換などが重なる年にも対応できるか
- 頭金を払ったあとに生活用の現金を十分残せるか
ここで大切なのは、ローンそのものを怖がることではありません。
「車の支払いだけを見ない」ことです。
「月々3万円なら大丈夫」に注意したい理由
販売現場では、「総額より月々の支払いを抑えたい」という相談をいただくことがよくあります。
月3万円なら払えそうに見えても、ボーナス払いが設定されていたり、頭金を多く入れていたり、最終回にまとまった支払いが残っていたりすれば、全体像は変わります。
残価設定型クレジットも選択肢の一つですが、契約によっては最終回に返却、乗り換え、買い取りなどを選ぶ形になります。
走行距離や車両状態などに条件が設定される場合もあるため、利用するときは月額だけでなく、支払総額・最終回支払額・返却条件まで契約書で確認することが大切です。
私は車の予算には、二つの金額があると考えています。
「買える金額」と「気持ちよく持ち続けられる金額」です。
ローン審査に通る上限額が、その人の適正予算とは限りません。
特に55歳以降は、「退職金が入るから、そのとき残債を払えばいい」と最初から決めてしまうのは慎重に考えたいところです。
退職後には住宅修繕、給湯器やエアコンなど家電・設備の交換、家族に関する支出など、車以外にもまとまったお金が必要になる可能性があるからです。
55歳からの車は安全性能・燃費・乗りやすさをどう選ぶ?
私は、安全性能を土台にして、次に乗りやすさと用途を確認し、最後に燃費と購入価格のバランスを見る順番がよいと考えています。
燃費の数字だけを見ると、つい「一番数字が良い車がお得」と考えたくなりますよね。
しかし55歳で購入し、65歳や70歳まで所有する可能性を考えるなら、安全装備や身体への負担も同じくらい重要です。
安全装備は「運転が下手な人向け」ではない
現在の車には、車種やグレードによって、
- 衝突被害軽減ブレーキ
- 車線逸脱に対する警報や運転支援
- ペダル踏み間違い時などの被害軽減支援
- バックカメラ
- 周囲を映すカメラ
- 死角にいる車両を知らせる機能
- 先行車との車間維持を支援するクルーズコントロール
など、さまざまな運転支援機能があります。
ただし、ここで「この機能があれば事故を防げる」と考えるのは禁物です。
同じような名称でも、対象物、作動速度、道路条件、天候、カメラやセンサーの状態などによって機能には限界があります。
標準装備かオプションかも、車種・グレード・年式によって異なります。
購入するときは営業担当者の説明だけでなく、メーカー公式サイトや取扱説明書で「何ができて、何ができない装備なのか」まで確認してくださいね。
私は運転支援機能を、運転手の代わりではなく、
「長く安全運転を続けるための、もう一人の見張り役」
くらいに捉えるのがちょうどよいと思っています。
55歳では今すぐ必要性を感じなくても、10年後には「付いていてよかった」と思う装備があるかもしれません。
2026年の燃費はどのくらい?ヤリス・アクアを例に確認
燃費はモデル改良によって変わるため、古い比較記事の数字をそのまま使わないことが重要です。
2026年8月14日時点で確認できるトヨタ公式情報では、ヤリスの現行ラインアップにWLTCモード36.0km/Lの仕様があり、ハイブリッドZ・2WDでは35.4km/Lと掲載されています。ヤリスの2026年3月発売モデル全体では18.0~36.0km/Lです。 トヨタ自動車WEBサイト+1
アクアの2026年7月発売モデルでは、グレードや駆動方式によってWLTCモード30.0~34.3km/Lとなっています。たとえばZ・2WDは33.6km/L、4WDは30.0km/Lです。 トヨタ自動車WEBサイト
スズキの現行ソリオでは全車にマイルドハイブリッドを採用し、減速時のエネルギーを利用して発電し、加速時にモーターでエンジンを補助する仕組みが案内されています。 スズキ
ただし、ここから「燃費が一番良いヤリスを選べば55歳には正解」とはなりません。
WLTCモードは車同士を比較するうえで便利な指標ですが、実際の燃料消費は渋滞、気温、エアコン使用、道路状況、乗車人数、運転方法などで変わります。トヨタも公式資料で、燃料消費率は使用環境や運転方法に応じて異なると明記しています。 トヨタ自動車WEBサイト
そこで私は、燃費を見るときには次のように考えることをおすすめします。
年間走行距離 × 所有予定年数 × 実際の燃料代
です。
年間3,000kmしか走らない人と1万5,000km走る人とでは、燃費差によって生まれる金額も大きく違います。
ハイブリッド車とガソリン車で購入価格に差がある場合も、「燃費が良い」という理由だけでなく、予定走行距離まで含めて比べてみましょう。
55歳では「走っていないとき」の使いやすさも試す
ここは、私がディーラー経験から特にお伝えしたいところです。
試乗すると、どうしても加速、静かさ、乗り心地、ハンドリングに意識が向きます。
でも55歳から10年以上所有するなら、私は停止している時間の使いやすさも同じくらい確認してほしいと思っています。
販売店では、ただ運転するのではなく、
乗る → 降りる → 後席へ移る → 荷物を積む → バックする
まで試してみてください。
座面が低い車は、乗り込むときはスポーティーで気分がよくても、立ち上がる動作が負担になることがあります。
逆に背の高いSUVでも、床やステップが高く、自分の体格には乗り込みにくい場合があります。
「SUVなら乗り降りが楽」「軽自動車なら扱いやすい」と車種カテゴリーだけで判断することはできません。
見るべきなのは、
- 座面の高さ
- ドアの開口部
- 足を持ち上げる高さ
- 運転席から周囲の見え方
- ハンドルやシートの調整範囲
- バック時の見え方
- 荷室床面の高さ
です。
数字だけでは分からない部分ですから、ここは自分の身体を測定器にするくらいのつもりで確かめてみてくださいね。
55歳の車買い替えでは総保有コストをどう比較する?
55歳からの車選びでは、車両本体価格ではなく「所有している間にいくら使うか」で比べると、本当の予算が見えてきます。
いわゆるTCO、総保有コストという考え方です。
難しく考える必要はありません。
車を買ったあとには、
- 燃料代
- 税金
- 任意保険料
- 車検費用
- 点検・整備費
- エンジンオイルなどの消耗品費
- タイヤ代
- バッテリー代
- 駐車場代
- ローン金利
などが発生します。
さらに見落とされやすいのが、「車を替えることで変わる費用」です。
たとえば大きなミニバンからコンパクトカーへ替えれば、条件によって燃料代やタイヤ代などを抑えやすくなる場合があります。
一方、維持費だけを目的に小型車へ替えた結果、長距離旅行で疲れやすくなり、せっかく時間ができたのに遠出をしなくなったとしたら、それも満足度という意味では大きな損失ですよね。
長年店頭で相談を受けてきて感じるのは、
安い車が得なのではなく、自分が使わないものにお金を払い過ぎない車が得
だということです。
車両価格よりタイヤ代で驚くこともある
55歳から長期所有するなら、購入前にタイヤサイズも確認してみてください。
同じ車種でもグレードによってホイール径やタイヤサイズが違うことがあります。
大きなアルミホイールは格好いいですよね。車好きなら、そこを楽しみに選ぶのも立派な価値観です。
ただしタイヤは消耗品です。
車両価格の差は購入時に一度払えば終わりますが、タイヤは所有中に複数回交換する可能性があります。
ですから上級グレードを検討するときは、
「この純正サイズのタイヤを4本交換すると、現在ならどの程度を見込めばいいですか?」
と販売店やタイヤ店で確認してみるとよいでしょう。
価格は銘柄、店舗、時期によって変わるため、購入直前の見積もりを取ることが大切です。
55歳なら「10年間の予算」を一度だけ計算してみる
ここで、私から一つ新しい比較方法を提案します。
車両価格300万円と280万円を比べるだけではなく、10年間でかかりそうなお金を紙一枚に並べるのです。
たとえば、
比較する項目 車A 車B
購入時の総額 見積書で確認 見積書で確認
年間燃料代 走行距離から試算 走行距離から試算
任意保険 見積もり 見積もり
タイヤ交換 サイズから確認 サイズから確認
車検・整備 条件をそろえて想定 条件をそろえて想定
ローン金利 支払総額を確認 支払総額を確認
65歳での使いやすさ 試乗で評価 試乗で評価
未来の費用を1円単位で当てる必要はありません。
目的は、購入価格だけでは見えなかった差に気付くことです。
20万円安い車でもタイヤや燃料にお金がかかる場合がありますし、逆に購入価格の高い車でも、自分の用途にぴったり合って10年間満足して乗れれば納得できるでしょう。
55歳では「最安値」を探すより、65歳までの納得度を最大にするという考え方が合っていると私は思います。
55歳なら新車・高年式中古車・未使用車のどれがいい?
結論として、長期所有と自由な仕様選びを重視するなら新車、予算とのバランスを狙うなら高年式中古車、条件が一致すれば登録済・届出済未使用車も候補になります。
「55歳なら最後の車だから新車」と決める必要はありません。
そもそも55歳で10年間乗っても65歳ですから、そのあともう一度買い替える可能性は十分あります。
中古車を探すなら、価格だけでなく次の項目を確認してみてください。
- 初度登録年月
- 走行距離
- 修復歴
- 点検整備記録
- メーカー保証・販売店保証の内容
- タイヤの状態
- バッテリーなど消耗品の状態
- 車検までの残期間
- 搭載されている安全装備
- 安全装備の作動条件や世代
たとえば新車より100万円安い中古車でも、その差額100万円をそのまま「得した」と考えるのは早い場合があります。
購入直後にタイヤ、バッテリー、車検などの支出が重なれば、実質的な差は縮まります。
さらに10年間乗る前提なら、搭載されている安全装備が自分の希望を満たすかも重要です。
反対に、比較的新しい中古車で必要な装備がそろい、状態がよく、保証内容にも納得でき、新車との価格差が大きいなら合理的な選択になるでしょう。
登録済未使用車・届出済未使用車についても、「未使用」という言葉だけで決めないでください。
すでに登録・届出されているため、一般的に在庫車から選ぶことになります。
希望する色やメーカーオプションを自由に選べない場合がありますし、保証開始時期や初回車検までの期間も確認が必要です。
価格や在庫状況も変動しますので、
新車の乗り出し総額・中古車の総額・未使用車の総額を同じ条件で比較する
ことをおすすめします。
55歳の車買い替えで後悔しないために私が重視する6つの順番
私なら55歳で車を買い替えるなら、「老後のために我慢する車」ではなく「60代の暮らしを邪魔しない車」を選びます。
似ているようで、少し違います。
定年が近いから、とにかく安くする。
燃費だけで選ぶ。
必要以上に小さな車へ替える。
これでは、せっかく自由な時間が増えたのに、「荷物が積めないから旅行はやめよう」「高速道路は疲れるから近場だけにしよう」となってしまうかもしれません。
逆に「現役最後のご褒美だ」と予算いっぱいまで使ってしまうのも、慎重に考えたいところです。
高級車が悪いわけではありません。
買ったあとも、その車を好きでいられる家計であることが大事なのです。
毎月のローン支払日に少し憂うつになる。
タイヤ交換のたびに金額が気になってしまう。
ガソリン代を気にして遠出しなくなる。
私は、これらも一種の「乗りにくさ」だと思っています。
55歳からの車は、身体だけでなく家計にも乗り降りしやすいほうがいいんです。
そこで私は、次の順番をおすすめします。
1. 65歳の用途を決める
2. 必要な安全装備を決める
3. 実際に乗り降りしてサイズを決める
4. 新車・中古車を含め候補を比較する
5. 購入額ではなく総保有コストを見る
6. ローンを使うなら完済年齢と60代の収入を確認する
普通は「予算300万円だから300万円以内で探そう」となりますよね。
もちろん予算上限は必要です。
ただ、先に用途や安全性能を整理しておけば、「なぜこの装備にお金を払うのか」「なぜこの大きさが必要なのか」が明確になります。
その結果、不要なオプションを減らしながら、本当に必要な部分にはきちんと予算を使えるようになります。
55歳は「定年まで5年」より「65歳まで10年」で考える
厚生労働省の令和7年集計では、65歳までの雇用確保措置実施企業は99.9%、65歳以上定年企業は34.9%、70歳までの就業確保措置実施企業は34.8%でした。 厚生労働省
私は、この数字は55歳の車選びにも一つのヒントを与えていると思います。
すべての人が65歳や70歳まで同じ会社で働くわけではありませんし、同じ給与が保証されるわけでもありません。
しかし少なくとも、
「55歳→60歳で仕事終了→車に乗らなくなる」
という一つの人生モデルだけで車を選ぶ時代ではなくなってきています。
働き方が変わる。
通勤が減る。
趣味が増える。
夫婦で出掛ける機会が増える。
親の送迎が始まる。
孫を乗せるようになる。
55歳から65歳までの10年間は、車の用途が意外と変わりやすい時期なのです。
だから私は55歳を「車を小さくする年齢」ではなく、車の役割を組み替える年齢と考えています。
これが、40代の買い替えとも70代の買い替えとも違うところです。
55歳で車を買い替える前に確認したいチェックポイント
販売店へ行く前に、次の項目を一度確認してみてください。
すべてに完璧な答えを出す必要はありません。
- 何歳まで乗る予定なのか
- 65歳の働き方をどう想定するか
- 定年後に年間走行距離は増えるか減るか
- 通勤・買い物・旅行・趣味・送迎のどれを優先するか
- ローン完済時は何歳か
- 収入が減っても返済できそうか
- 必要な安全装備を決めたか
- 安全装備の作動条件まで確認したか
- 65歳でも乗り降りしやすそうか
- 自宅の駐車場で扱いやすいか
- 荷物を実際に積みやすいか
- タイヤサイズと交換費用を確認したか
- 燃料・保険・税金・車検まで含めて維持できるか
- 新車・中古車・未使用車を総額で比較したか
- 10年間所有しても「この車でよかった」と思えそうか
そして最後に、絶対に譲れない条件を3つだけ選んでください。
たとえば、
安全性能・乗り降りのしやすさ・予算。
長距離ドライブが好きなら、
高速道路での快適性・安全性能・荷室。
趣味の車なら、
運転する楽しさ・維持できる予算・安全性能。
で構いません。
人によって答えが違って当然です。
節約するためだけに、まったく好きになれない車を10年間所有する必要もありません。
反対に、誰かに見せるためだけに、生活を圧迫するほど高価な車を選ぶ必要もありません。
年齢で車種を決めるのではなく、年齢に合わせて「選ぶ物差し」を変える。
これが、私が55歳からの車選びでいちばん大切にしたい考え方です。
まとめ|55歳の車買い替えは65歳の自分と一緒に選ぼう
55歳で車を買い替えるなら、現在の収入や好みだけでなく、65歳前後の働き方・家計・用途・安全性まで想像して選ぶことが後悔を減らすポイントです。
厚生労働省の2025年集計では、65歳までの高年齢者雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%でした。一方で、その中心は継続雇用制度であり、70歳までの就業確保措置を実施している企業は34.8%です。 厚生労働省
ですから「60歳まで払えるローンか」だけではなく、収入や働き方が変わったあとでも負担にならないかを考えておきましょう。
車そのものについては、安全性能を土台にして、乗り降り、駐車、荷物の積み下ろしまで実車で確認してください。
燃費についても古い記事の数字だけで判断せず、購入する時点のメーカー公式情報を確認することが大切です。2026年8月時点でも、ヤリスは仕様によってWLTCモード18.0~36.0km/L、アクアは30.0~34.3km/Lと幅があります。 トヨタ自動車WEBサイト+1
そして購入価格だけでなく、燃料、保険、税金、タイヤ、車検、ローン金利などまで含めた総保有コストで比べてみてください。
55歳で買う車が「人生最後の一台」になるとは限りません。
むしろ、これから仕事や家族構成、趣味の時間が変わっていく60代を支える一台になる可能性があります。
だからこそ、
「いま欲しい車は何か」
と同時に、
「65歳の自分も、この車を買ってよかったと思えるだろうか」
と問いかけてみてください。
安全には必要なお金をかける。
使わない大きさや装備には払い過ぎない。
旅行や趣味を楽しめる余裕は残しておく。
そして毎月の支払い日にも、タイヤ交換の日にも、「やっぱりこの車でよかった」と思える範囲で選ぶ。
55歳からの車選びには、そのくらいのバランスがちょうどいいと私は考えています。
車は納車日の感動より、そのあと何千日も続く日常のほうがずっと長い乗り物です。
焦らず、65歳の自分を助手席に乗せるような気持ちで、次の一台を選んでみてくださいね。
よくある質問
55歳で車を買い替えるのは遅いですか?
遅くありません。55歳で買って10年間乗れば65歳、15年間なら70歳です。
むしろ60代の暮らしを具体的に想像しやすくなる時期なので、定年後の用途や維持費まで考えながら長く付き合える車を選ぶ好機ともいえます。
55歳で車のローンを組むなら何年がいいですか?
一律に「○年が正解」とはいえません。
55歳から5年なら60歳、7年なら62歳、10年なら65歳で完済する計算になります。年数そのものより、完済時の年齢と、60歳以降に収入が変化しても返済できるかを確認してください。
月々の返済額だけでなく、ボーナス払い、金利、最終回支払額を含めた支払総額を見ることも大切です。
55歳から乗るなら軽自動車と普通車のどちらがいいですか?
買い物や近距離移動が中心なら軽自動車が使いやすい場合がありますし、高速道路や長距離旅行が多い方なら普通車のほうが希望に合う場合もあります。
「55歳だから軽」と年齢だけで決めず、安全装備・乗降性・荷室・高速道路の利用頻度・年間走行距離・維持費を比べて判断してみてください。
杉原健一(すぎはらけんいち)
モーターライフ・アドバイザー


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