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65歳から75歳までの車の維持費はいくら?老後10年間の負担と節約できる費用を解説

横長16対9の明るく清潔な3Dイラスト。左に白い軽自動車、右に淡いブルーのコンパクトカーを配置。中央に10年間の維持費を比較する立体棒グラフと電卓、硬貨、カレンダー。背景は淡いアイボリー。老後の車費用を視覚的に表現。文字やロゴは入れない 車の維持費
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65歳から75歳までの車の維持費は、年間5,000km走る今回の試算では、軽自動車が10年間で約210万円、コンパクトカーが約270万円です。

ただし、これは全国平均ではなく、筆者が税金や燃料費、保険料、整備予算を設定したモデル計算です。車両購入費や駐車場代まで含めると、実際の負担はさらに大きくなる場合があります。

2021年11月24日の読売新聞「ヨミドクター」でも、高齢期の車の維持費について、年間20万〜50万円程度という専門家の目安が紹介されました。

今回は、この報道を出発点に、2026年11月1日を試算の基準日として、65歳から75歳までの10年間に必要なお金を具体的に計算します。

  1. 65歳から75歳の車の維持費はいくら?10年間の総額を比較
    1. 軽自動車とコンパクトカーの10年間の維持費
    2. 読売新聞が紹介した年間20万〜50万円の維持費とは?
    3. 高齢者世帯の家計では車の負担はどれくらい?
  2. 軽自動車とコンパクトカーの維持費は何が違う?税金・保険・整備費の内訳
    1. 軽自動車の年間維持費は約21万円
    2. コンパクトカーの年間維持費は約27万円
    3. 10年間で約59万円の差が生まれる理由
  3. 65歳から75歳までの車の費用はいくら節約できる?5つの方法を比較
    1. 10年間の節約額を一覧で比較
    2. 走行距離が減ると燃料代はいくら安くなる?
    3. 任意保険は補償内容を守りながら見直す
    4. 車検・整備費は毎月積み立てると安心
  4. 65歳で軽自動車に買い替えると得?購入費と修理費を含めて判断
    1. 買い替え費用150万円を回収するには25年
    2. 修理費20万円なら買い替えるべき?
    3. 修理費の損益分岐点はどう計算する?
    4. 購入費・売却価格を含めると総額はどう変わる?
  5. 車を手放すと10年間でいくら節約できる?公共交通・カーシェアと比較
    1. 車を所有する場合と公共交通を使う場合
    2. カーシェアなら10年間で約156万円の差も
    3. 週1回しか乗らない車は1回いくらかかる?
    4. 65歳から70歳まで所有し、後半5年間は手放す方法
  6. 考察|65歳から75歳の車の維持費は「残りの所有期間」と「利用回数」で考えたい
    1. 65歳で買う車は75歳まで使うとは限らない
    2. 車齢が上がるほど修理予算を見直す必要がある
    3. 75歳の免許更新も所有期間を考えるきっかけになる
    4. 維持費だけでは測れない「移動の自由」も大切
  7. よくある質問
    1. 65歳から75歳まで軽自動車に乗ると維持費はいくらですか?
    2. 65歳で軽自動車に買い替えれば節約できますか?
    3. 車の修理費が20万円になったら買い替えるべきですか?
    4. 車を週1回しか使わない場合は手放した方が安いですか?
    5. 75歳になったら免許を返納しなければなりませんか?
    6. 車の維持費を計算するとき、最初に何を確認すればよいですか?
  8. まとめ|65歳から75歳の車の維持費は10年間の総額で判断しよう
  9. 執筆者について

65歳から75歳の車の維持費はいくら?10年間の総額を比較

年間5,000km、駐車場代なし、車両購入費を除く条件では、10年間の維持費は軽自動車約210万円、コンパクトカー約270万円という試算になります。

まずは、どのような費用が発生するのかを確認しましょう。

軽自動車とコンパクトカーの10年間の維持費

今回の計算では、次の条件を共通の前提としました。

  • 所有期間:65歳から75歳までの10年間
  • 年間走行距離:5,000km
  • ガソリン価格:170円/L
  • 軽自動車の実用燃費:20km/L
  • コンパクトカーの実用燃費:18km/L
  • 駐車場代:0円
  • 車両購入費・ローン金利・売却代金:含めない
  • 任意保険料・整備費:筆者が設定した仮定予算
  • 物価上昇・燃料価格変動:反映しない

ガソリン価格170円/Lは比較用の仮定であり、2026年11月1日の全国平均実売価格ではありません。

燃費も特定車種の公表値ではなく、同じ走行距離で比較するための設定値です。

筆者の仮定による年間維持費モデル(全国平均ではありません)

比較項目 軽自動車 コンパクトカー
年間維持費 約21.0万円 約27.0万円
月平均 約17,500円 約22,500円
5年間 約105万円 約135万円
10年間 約210万円 約270万円
月1万円の駐車場代込み 約330万円 約390万円

金額は概算です。購入費用、売却価格、ローン金利は含んでいません。

この条件では、10年間の維持費に約60万円の差が生まれます。

一方、駐車場代が月1万円必要なら、10年間で120万円が追加されます。

車種の違いだけでなく、駐車場の契約状況が老後の家計に与える影響も大きいのですね。

読売新聞が紹介した年間20万〜50万円の維持費とは?

今回のテーマを考えるきっかけとなるのが、読売新聞の医療・健康・介護サイト「ヨミドクター」に掲載された記事です。

2021年11月24日、野島正徳さんによる「高齢期のマイカー、本当に必要?…頻度・目的と費用を考慮 カーシェアや免許返納も」が公開されました。

この記事では、ファイナンシャルプランナーでCFP認定者の長谷川浩一さんが、車種や駐車場の契約状況などによって、車の維持費は年間20万〜50万円程度になると説明しています。

10年間に単純換算すれば、200万〜500万円という規模です。

ただし、これは2021年当時の記事で紹介された目安であり、2026年の全国平均を示す数字ではありません。

また、元記事の年間20万〜50万円と、今回の車種別モデルでは、駐車場代などの費用項目や計算条件が一致しているとは確認できません。

そのため、両者を同じ条件の統計として比較することはできない点に注意してください。

私が重要だと感じるのは、年間数十万円という費用を、老後の10年間という長い期間で考える視点です。

年間30万円なら、月平均2万5,000円。10年間では300万円になります。

月々のガソリン代だけを見ていると、これほど大きな金額になることは意外と見落としやすいものです。

高齢者世帯の家計では車の負担はどれくらい?

同じヨミドクターの記事では、総務省の2020年家計調査も紹介されています。

65歳以上の夫婦無職世帯では、消費支出のうち「交通・通信費」が約12%を占めていました。

ただし、この分類には自動車関係の費用だけでなく、公共交通や通信費なども含まれます。

家計支出の12%が、そのまま車の維持費という意味ではありません。

ここで考えたいのが、退職後の車の使い方です。

現役時代には毎日通勤していた車も、65歳を過ぎると買い物や通院、週末の外出が中心になるかもしれません。

ところが、走行距離が半分になっても、自動車税や任意保険、車検の費用まで半分になるわけではありません。

私は、この「使う回数が減っても残る費用」こそ、老後の車の維持費を見直すうえで大切なポイントだと考えています。


軽自動車とコンパクトカーの維持費は何が違う?税金・保険・整備費の内訳

軽自動車とコンパクトカーでは、自動車税や重量税、燃料費などに違いがあります。

ただし、任意保険料や修理費は車種だけでは決まりません。年式や契約内容、走行状況によって実際の負担は大きく変わります。

軽自動車の年間維持費は約21万円

660ccの自家用軽乗用車を想定し、年間費用を計算します。

軽自動車税は、2015年4月以降に最初の新規検査を受けた自家用軽乗用車の標準税率、年額10,800円を採用しました。

軽自動車の年間維持費モデル

費用項目 年間予算
軽自動車税 10,800円
自賠責保険・重量税の年換算 12,000円
任意保険 45,000円
ガソリン代 42,500円
車検整備・点検・消耗品・修理予備費 100,000円
年間合計 210,300円
10年間合計 2,103,000円

※任意保険45,000円と整備関連100,000円は筆者の仮定予算であり、実際の平均額ではありません。購入費・駐車場代は除外しています。

ガソリン代は、次の計算です。

5,000km ÷ 20km/L × 170円 = 42,500円

自賠責保険と重量税の年換算12,000円についても、根拠を確認しておきましょう。

2023年4月適用の自賠責保険料表では、本土向け軽自動車の24か月契約は17,540円です。

また、13年未満で通常税率が適用される自家用軽乗用車では、継続検査時の重量税が2年分で6,600円となる場合があります。

この組み合わせなら、2年間の合計は24,140円、年換算では12,070円です。

今回の12,000円は、その水準を参考に丸めた金額になります。

ただし、自賠責保険料は改定される可能性があり、重量税も車齢や減税の適用状況によって変わります。

2026年11月1日時点の最新の保険料表を直接照合した金額ではないため、実際の支払いでは最新の制度と見積額を確認してください。

コンパクトカーの年間維持費は約27万円

続いて、排気量1.0L超〜1.5L以下、車両重量1.0トン超〜1.5トン以下の自家用コンパクトカーを想定します。

自動車税は、2019年10月以降に初回新規登録された車両の標準税率、年額30,500円です。

コンパクトカーの年間維持費モデル

費用項目 年間予算
自動車税 30,500円
自賠責保険・重量税の年換算 22,000円
任意保険 55,000円
ガソリン代 約47,200円
車検整備・点検・消耗品・修理予備費 115,000円
年間合計 約269,700円
10年間合計 約269万7,000円

※任意保険55,000円と整備関連115,000円は筆者の仮定予算です。全国平均ではなく、購入費・駐車場代も含みません。

ガソリン代の計算は、5,000km ÷ 18km/L × 170円で、約47,222円です。

表では100円単位に丸めて47,200円としています。

そのため、表の合計は269,700円ですが、丸める前の燃料費を使用すると年間約269,722円になります。

差は年間約22円で、今回の比較結果に大きな影響はありません。

自賠責保険と重量税の年換算22,000円についても、内訳を確認します。

2023年4月適用の本土向け自家用普通乗用車の自賠責保険24か月契約は17,650円です。

13年未満で減税を受けない、車両重量1.0トン超〜1.5トン以下の乗用車では、継続検査2年分の重量税が24,600円となる場合があります。

この場合、2年間の合計は42,250円、年換算では21,125円です。

今回の22,000円は、そこに年間875円の予算上の余裕を加えた設定額です。

法定費用として一律に22,000円かかるという意味ではありません。

なお、軽自動車と同様に、重量税は初度登録からの経過年数や減税制度によって変わります。

今回のモデルは同じ税額が10年間続くと仮定しており、途中で13年超・18年超の車齢区分に入る場合の税負担増加は反映していません。

10年間で約59万円の差が生まれる理由

表の金額を比較すると、年間維持費の差は59,400円です。

10年間では594,000円になります。

ただし、この差額のすべてが税金や燃費によるものではありません。

今回のモデルでは、任意保険料を軽自動車45,000円、コンパクトカー55,000円と設定しています。

これだけで10年間に10万円の差が生まれます。

さらに、整備関連予算を軽自動車10万円、コンパクトカー11万5,000円としたため、10年間で15万円の差になります。

つまり、約59万円の差のうち25万円は、筆者が設定した保険料と整備予算の違いによるものです。

ここを見落としてしまうと、「軽自動車なら誰でも10年間で約60万円安くなる」と誤解してしまいますよね。

実際には、任意保険の等級や車両保険の有無、整備履歴によって差額は変わります。

例えば、軽自動車でも高額なタイヤ交換や修理が必要になれば、コンパクトカーより維持費が高くなる年もあるでしょう。

実在する車種で比較する場合は、ホンダN-BOXやトヨタヤリスなどを候補にしても、車両重量、排気量、燃費、保険料を個別に確認する必要があります。

同じ車種でもグレードや駆動方式によって条件が異なるため、今回の仮定燃費をそのまま各車の実績値として扱うことはできません。

※画像はAIによるイメージ

65歳から75歳までの車の費用はいくら節約できる?5つの方法を比較

老後の車費用を減らすには、必ずしも新しい車に買い替える必要はありません。

走行距離や保険契約、駐車場、所有期間を見直すだけでも、10年間では大きな違いが生まれる可能性があります。

10年間の節約額を一覧で比較

見直し内容 10年間の費用差
コンパクトカーから軽自動車へ変更 約59万円減
月1万円の駐車場代が不要になる 120万円減
年間1万kmから3,000kmに減少 約59万5,000円減
任意保険料を年間1万円削減 10万円減
年間30万円の車を5年で手放し、後半の移動費を年間18万円にする 60万円減

※各行は独立した仮定による比較です。複数の節約額をそのまま合計することはできません。

また、軽自動車への買い替えには購入費用が必要になる場合があります。

駐車場代を不要にする場合も、自宅の駐車スペースを確保する費用などが発生する可能性があります。

表の金額は、あくまで費用を見直す際の目安として考えてください。

走行距離が減ると燃料代はいくら安くなる?

退職によって通勤がなくなると、年間走行距離が大幅に減ることがあります。

燃費20km/L、ガソリン170円/Lという条件で計算してみましょう。

年間走行距離 年間燃料代 10年間
3,000km 25,500円 255,000円
5,000km 42,500円 425,000円
8,000km 68,000円 680,000円
10,000km 85,000円 850,000円

年間10,000kmから3,000kmに減れば、燃料代だけで10年間に59万5,000円の差が生まれます。

ただし、走行距離が減ったからといって、維持費全体が同じ割合で下がるわけではありません。

自動車税や車検費用など、車を所有しているだけで必要になる費用があるためです。

また、短距離走行が中心になると、エンジンが十分に温まらず、燃費が悪化する場合もあります。

実際の燃料代を知りたいときは、過去1年間の給油記録を確認すると、より現実的な数字になりますよ。

任意保険は補償内容を守りながら見直す

65歳以降は、車の使用目的が通勤から日常・レジャーへ変わることがあります。

保険会社によっては、使用目的や年間走行距離、運転者の範囲などが保険料に影響します。

例えば、更新時に契約内容を見直して年間1万円安くなれば、10年間で10万円の削減になります。

ただし、これは仮定の節約額であり、すべての方が年間1万円安くなるわけではありません。

また、高齢になると保険料が必ず下がるわけでもありません。

年齢区分や事故歴、保険会社の料率設定によって、保険料が上がる場合もあります。

私がおすすめしたいのは、対人・対物賠償の補償を安易に削らず、現在の使い方に合っていない契約条件を確認することです。

特に車両保険は、車の時価額や自己負担できる修理費を踏まえて検討したいですね。

事故が起きたときに大きな負担を抱えてしまっては、安心できる節約とは言えません。

車検・整備費は毎月積み立てると安心

車の維持費で意外と負担になるのが、数年に一度発生するまとまった支出です。

車検だけでなく、タイヤやバッテリー、ブレーキ関係の部品交換が重なると、予定より費用が増えることがあります。

例えば、毎月8,000円を積み立てれば、年間96,000円、10年間では96万円になります。

これは節約ではなく、将来の支払いに備えるための家計管理です。

今回の軽自動車モデルでは、車検整備・点検・消耗品・修理予備費を年間10万円としています。

その予算を毎月準備するなら、約8,300円が目安になります。

ただし、車の年式や状態によって必要な金額は変わります。

例えば、一般的な整備では、バッテリー交換、タイヤ交換、ブレーキ部品の交換などが重なる場合があります。

部品代と工賃は車種や整備工場によって異なるため、ここで全国共通の金額を示すことはできません。

車検の際には、今回必要な整備と、今後1〜2年以内に必要になりそうな整備を分けて見積もってもらうとよいでしょう。

私がディーラーでの相談経験から大切だと感じるのは、目の前の請求額だけでなく、次回の車検までにどのような支出が予想されるかを確認することです。

その一手間が、突然の修理費に慌てないための準備になります。


65歳で軽自動車に買い替えると得?購入費と修理費を含めて判断

年間維持費が約6万円安くなっても、買い替えに150万円の追加支出が必要なら、10年間の維持費削減だけでは元を取れません。

老後の車選びでは、維持費が安い車と、総支出が少ない車を区別することが重要です。

買い替え費用150万円を回収するには25年

現在のコンパクトカーを乗り続ける場合の年間維持費を27万円とします。

軽自動車へ買い替えると年間21万円になり、毎年6万円安くなると仮定しましょう。

ここで、購入価格や諸費用から現在の車の下取り額を差し引いた追加支出が150万円だったとします。

比較項目 金額
買い替えの追加支出 150万円
年間維持費の削減 6万円
5年間の削減額 30万円
10年間の削減額 60万円
10年間で回収できない差額 90万円
単純な回収年数 25年

150万円 ÷ 6万円 = 25年です。

65歳から75歳までの10年間で考えるなら、維持費削減だけを理由に買い替えることには慎重になりたいところです。

もちろん、古い車の修理費や新しい車の売却価値、安全装備の違いを含めれば、判断が変わる場合もあります。

それでも、税金や燃費だけで買い替えを決めないことが大切ですね。

修理費20万円なら買い替えるべき?

例えば、今の車に20万円の修理が必要になったとします。

見積書を見て、「そんなにかかるなら新しい車にしようかな」と考えることもありますよね。

しかし、20万円という金額だけでは、買い替えた方が得とは判断できません。

ここでは、実際の整備記録ではなく、判断方法を説明するための仮想事例を考えます。

現在の車を修理して、あと5年間乗る場合です。

  • 今回の修理費:20万円
  • 今後5年間の通常維持費:135万円
  • 修理して乗り続ける総支出:155万円

一方、軽自動車に買い替える場合は、次のように仮定します。

  • 下取り額などを差し引いた買い替え追加支出:150万円
  • 今後5年間の通常維持費:105万円
  • 買い替えた場合の総支出:255万円

この条件なら、修理して乗り続ける方が5年間で100万円少ない支出になります。

ただし、両方の維持費には通常の整備予算が含まれているため、20万円の修理費はその予算とは別に発生する特別な修理と仮定しています。

同じ修理費を二重に計上しないことが大切です。

また、5年後の車の売却価格や購入時の諸費用、ローン金利などは、この簡易比較では考慮していません。

修理費の損益分岐点はどう計算する?

もう少し踏み込んで考えてみましょう。

買い替えの追加支出が150万円、年間維持費の削減が6万円、比較期間が5年間の場合です。

5年間の維持費削減は30万円になります。

150万円から30万円を差し引くと、120万円です。

つまり、売却価格などの違いを考慮しない単純モデルでは、買い替えによって回避できる追加修理費が120万円程度に達すると、両者の支出が近づきます。

計算式は次のとおりです。

買い替え追加支出 − 年間維持費削減額 × 比較年数 = 回避すべき追加費用の目安

今回なら、150万円 − 6万円 × 5年 = 120万円です。

もちろん、これは修理費が120万円になったら必ず買い替えるという意味ではありません。

今後の修理見通しや安全性、車両の売却価値を含めて判断するための参考計算です。

例えば、修理後も大きな故障がなく乗れる見通しなら、現在の車を維持する方が合理的な場合があります。

反対に、修理を繰り返している車や、安全に関わる不具合を抱えている車なら、費用だけでなく買い替えを検討する理由が生まれます。

私なら、修理見積もりを受け取ったときに、今回の修理で何が改善するのか、次の車検までに追加交換が必要な部品はあるのかを確認します。

修理費の金額だけで判断せず、今後何年間安心して使える見通しなのかを整理することが重要です。

購入費・売却価格を含めると総額はどう変わる?

ここまでの約210万円と約270万円は、車を所有している間の維持費です。

実際の総所有コストを考えるなら、購入費用や売却価格も加える必要があります。

例えば、65歳で200万円の車を購入し、75歳で20万円で売却する仮定を考えます。

購入費用から売却代金を差し引いた負担は180万円です。

これに10年間の維持費210万円を加えると、総支出は390万円になります。

ただし、この計算にはローン金利や購入時の諸費用などを別途加えていません。

また、10年後の売却価格20万円は仮定であり、実際の査定額を保証するものではありません。

購入費用を単純に10年で割った金額は、車の減価償却費や実際の所有コストと同じではないことにも注意してください。

購入価格だけでなく、手放すときの価値まで考えることで、車の費用をより現実的に比較できるようになります。


車を手放すと10年間でいくら節約できる?公共交通・カーシェアと比較

年間維持費30万円の車を手放し、バスやタクシーなどの移動費を年間18万円に抑えられるなら、10年間で120万円の支出差が生まれます。

ただし、車を手放した後も、買い物や通院、趣味の外出を無理なく続けられることが前提です。

車を所有する場合と公共交通を使う場合

例えば、車を手放した後の移動費を次のように設定します。

  • バス・鉄道:月5,000円
  • タクシー:月10,000円
  • 合計:月15,000円

年間では18万円、10年間では180万円です。

一方、年間維持費30万円の車を10年間所有すれば300万円になります。

移動方法 10年間の費用
車を所有 300万円
バス・鉄道・タクシー 180万円
差額 120万円

※車の購入費・売却価格、代替交通の運賃変動、宅配料金などは含めない仮定の比較です。

この条件なら、車を手放すことで10年間に120万円の支出を減らせます。

ただし、地方ではバスの便数が少なかったり、タクシーの利用料金が想定より高くなったりすることもあります。

病院やスーパーまでの距離が遠ければ、月15,000円では足りないかもしれません。

実際に検討する際は、1か月の外出先と回数を書き出し、バスやタクシーを利用した場合の料金を調べてみましょう。

カーシェアなら10年間で約156万円の差も

カーシェアリングも、利用頻度が少ない方には選択肢になります。

例えば、1回3,000円で月4回利用する場合です。

月額12,000円、年間144,000円、10年間では144万円になります。

年間30万円の車を所有する場合と比べると、10年間で156万円の差です。

ただし、1回3,000円は比較用の仮定であり、実際のカーシェア料金を示すものではありません。

利用時間や走行距離、料金プランによって費用は変わります。

また、近くに利用拠点がない場合や、希望する時間に予約できない場合には、不便を感じることもあるでしょう。

週末の買い物や趣味だけに利用する方には合理的でも、急な通院などで車が必要な方には向かない場合があります。

週1回しか乗らない車は1回いくらかかる?

私が老後の車費用を考えるうえで、特に役立つと思うのが「利用1回当たりの維持費」です。

年間維持費30万円の車を例に計算してみましょう。

利用頻度 年間利用回数 1回当たりの維持費
週1回 約52回 約5,770円
週2回 約104回 約2,885円
週3回 約156回 約1,923円
週5回 約260回 約1,154円

これは年間維持費を利用回数で割った単純計算です。

車両購入費は含まれず、1回ごとの走行距離や燃料消費量の違いも反映していません。

それでも、車をどれくらい使っているかによって、所有コストの意味が変わることは分かります。

週1回の買い物だけに使う車なら、1回当たり約5,770円の維持費がかかっている計算です。

同じ外出をタクシーや公共交通で済ませる場合の料金と比較してみる価値がありますね。

一方、週5回利用する車なら、1回当たり約1,154円です。

日常生活を支えている車であれば、所有し続けることに十分な価値がある場合もあります。

ただし、ここで一つ注意したいことがあります。

車を週1回しか使わなくても、いつでも使える状態にしておくこと自体に価値がある場合です。

例えば、急な通院や家族の送迎に備えるために車を所有している方もいらっしゃるでしょう。

そのような場合には、利用1回当たりの費用だけでなく、必要なときに移動できる安心感も含めて判断することが大切です。

65歳から70歳まで所有し、後半5年間は手放す方法

65歳から75歳まで、必ず同じ車を所有し続ける必要はありません。

例えば、65歳から70歳までは車で旅行や趣味を楽しみ、その後は公共交通へ切り替える方法もあります。

年間維持費30万円の車を最初の5年間所有し、後半5年間は年間18万円の移動費に変更すると仮定します。

最初の5年間は150万円、後半5年間は90万円です。

合計240万円となり、10年間車を所有し続ける300万円より60万円少なくなります。

ただし、この比較には車の購入費や売却代金、移動方法を変更する際の追加支出は含まれていません。

それでも、65歳の時点で75歳までの所有方法を決めなくてもよいことが分かります。

私は、車検のタイミングなどを利用して、2〜3年ごとに車の必要性を確認する方法が現実的だと考えています。


考察|65歳から75歳の車の維持費は「残りの所有期間」と「利用回数」で考えたい

ここまでの試算を踏まえると、私が最も重要だと考えるのは、車種の維持費だけでなく、今後何年間、どれくらいの頻度で使うかを合わせて判断することです。

10年間で約60万円の維持費差があっても、買い替えに150万円必要なら、支出全体では不利になる場合があります。

一方、年間30万円の車を途中で手放し、代替交通へ切り替えることで、支出を減らせる可能性もあります。

65歳で買う車は75歳まで使うとは限らない

65歳で車を購入するとき、75歳まで10年間乗る予定を立てる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際の生活は必ずしも計画どおりには進みません。

退職直後は旅行や趣味で車を使っていても、数年後には近所の買い物が中心になるかもしれません。

反対に、家族の送迎や新しい趣味によって、車を使う機会が増える場合もあります。

そのため、私は10年間の総額を把握しながら、2〜3年ごとに計画を見直すことをおすすめします。

特に重要なのは、65歳の時点で高額な車を購入した場合です。

例えば、購入費用が200万円でも、5年間で手放す場合と10年間乗る場合では、購入費用を回収するために必要な利用期間が異なります。

実際の所有コストには売却価格も関係しますが、短期間で手放す可能性があるなら、購入時の支出を慎重に考えたいですね。

車齢が上がるほど修理予算を見直す必要がある

今回のモデルでは、整備関連の予算を10年間一定としています。

しかし、実際には車齢が上がることで交換が必要になる部品や、修理費用が増える場合があります。

例えば、バッテリーやタイヤ、ブレーキ関係の部品に加えて、足回りのゴム部品や冷却系統なども、年数や使用状況に応じた点検が必要です。

もちろん、年式が古いからといって必ず高額な修理が発生するわけではありません。

定期的に整備されている車なら、長く使える場合もあります。

そこで、通常の維持費とは別に、車齢が上がった場合の追加修理費を想定してみましょう。

例えば、今回の軽自動車モデルでは、10年間の維持費は約210万円です。

仮に後半5年間で、通常の整備予算とは別に合計30万円の追加修理が発生した場合、10年間の維持費は約240万円になります。

追加修理費が50万円なら、約260万円です。

これは修理費の実績統計ではなく、将来の支出に備えるための感度分析です。

それでも、維持費の比較では「10年間ずっと同じ整備費で済むとは限らない」という視点が必要だと分かります。

私は、古い車を手放すかどうか迷ったときには、今後の整備予定を確認してから判断することが大切だと思っています。

75歳の免許更新も所有期間を考えるきっかけになる

75歳になっただけで、運転免許を返納しなければならないわけではありません。

ただし、75歳以上の免許更新では、原則として認知機能検査と高齢者講習が必要になり、一定の違反歴がある場合には運転技能検査も求められます。

また、70歳以上75歳未満の方にも、更新時には高齢者講習が必要です。

制度の詳細や対象条件については、警察庁や都道府県警察の最新案内を確認してください。

ここで大切なのは、年齢だけで車の所有を判断しないことです。

運転に不安がある場合には、安全を優先して家族や専門家に相談する必要があります。

一方、安全に運転でき、車が日常生活を支えている方にとっては、所有を続けることにも意味があります。

車の買い替えを考える際には、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時の加速抑制装置などに加え、視界のよさや乗り降りのしやすさも確認したいところです。

ただし、安全装備には作動条件や性能上の限界があり、事故を完全に防げるものではありません。

私なら、カタログ上の装備数だけでなく、実際に運転席へ座り、操作しやすいかどうかを重視します。

維持費だけでは測れない「移動の自由」も大切

車を手放せば、維持費を減らせる可能性があります。

しかし、車がなくなることで外出が減り、買い物や趣味、家族との交流が難しくなるなら、金額だけで得をしたとは言い切れません。

例えば、週に何度も車で出かける方にとって、年間30万円の維持費は生活を支えるための費用かもしれません。

一方、月に数回しか使わない方なら、タクシーやカーシェアを利用した方が合理的な場合があります。

私は、老後の車費用を考える目的は、単純に支出を減らすことではないと思っています。

必要な移動を無理なく続けながら、家計にも負担をかけすぎない方法を見つけることです。

車は単なる移動手段ではありません。

好きな時間に出かけられること、雨の日でも買い物へ行けること、遠くに住む家族に会いに行けることにも価値があります。

だからこそ、車を持ち続ける場合も、手放す場合も、実際の生活に合っているかを確かめてから決めたいですね。


よくある質問

65歳から75歳まで軽自動車に乗ると維持費はいくらですか?

今回のモデルでは、年間約21万円、10年間で約210万円です。

年間5,000km、燃費20km/L、ガソリン170円/L、駐車場代なしという仮定で計算しています。

車両購入費は含んでおらず、全国平均を示す数字ではありません。

65歳で軽自動車に買い替えれば節約できますか?

必ずしも節約になるとは限りません。

年間維持費が6万円安くなっても、10年間の削減額は60万円です。

買い替えに150万円の追加支出が必要なら、維持費削減だけでは購入費用を回収できません。

車の修理費が20万円になったら買い替えるべきですか?

20万円という金額だけでは判断できません。

修理後に何年間使える見通しか、今後追加修理が必要か、買い替え費用はいくらかを比較しましょう。

安全に関わる不具合は、整備工場の判断を踏まえて適切に対応してください。

車を週1回しか使わない場合は手放した方が安いですか?

年間維持費30万円の車を週1回、年間52回使う場合、1回当たり約5,770円です。

同じ外出をタクシーや公共交通で行った場合の費用と比較すると、判断しやすくなります。

ただし、急な通院などに備える必要性や、車をいつでも使える価値も考慮してください。

75歳になったら免許を返納しなければなりませんか?

75歳になっただけで、自動的に免許返納が必要になるわけではありません。

ただし、更新時には認知機能検査や高齢者講習などが必要になり、一定の違反歴がある場合は運転技能検査も求められます。

運転に不安がある場合は、安全を優先して判断しましょう。

車の維持費を計算するとき、最初に何を確認すればよいですか?

まず、過去1年間の自動車税、任意保険料、燃料代、車検・整備費、駐車場代を合計してみましょう。

そのうえで、今後5年間の修理予定と、車を何年間使うつもりなのかを整理すると、現実的な所有計画を立てやすくなります。


まとめ|65歳から75歳の車の維持費は10年間の総額で判断しよう

65歳から75歳までの車の維持費は、今回のモデルでは軽自動車が約210万円、コンパクトカーが約270万円となりました。

ただし、これは年間5,000km走行し、駐車場代や購入費用を除いた仮定の計算です。

2021年の読売新聞ヨミドクターでも、車の維持費として年間20万〜50万円程度という専門家の目安が紹介されていますが、今回のモデルとは費用項目や条件が必ずしも一致しません。

車の費用を抑えるには、走行距離や任意保険の見直し、駐車場代の削減、所有期間の変更などが考えられます。

特に、軽自動車へ買い替えて年間維持費が安くなっても、購入費用を含めると総支出が増える場合があることには注意したいですね。

私がお伝えしたいのは、維持費が安い車を選ぶことよりも、自分の暮らしに合った費用の使い方を考えることです。

車を持ち続けることも、手放すことも、それぞれにメリットがあります。

65歳から75歳までの10年間を一度に決めるのではなく、生活の変化に合わせて見直していく。

そんな柔軟な考え方が、安心できる老後のモーターライフにつながるのではないでしょうか。


執筆者について

杉原健一(すぎはら けんいち)

モーターライフ・アドバイザー。

長年メーカー直営ディーラーで、お客様の車選びや維持管理に関する相談に携わってきました。

車やバイクの専門知識に自信がない方にも、難しい言葉をできるだけ使わず、分かりやすくお伝えすることを大切にしています。

今回の記事では、公開されている税制や自賠責保険制度に関する情報と、筆者が設定した燃料費・任意保険料・整備予算を区別して試算しました。

2026年11月1日時点の最新の燃料価格、任意保険料統計、自賠責保険料改定状況をすべて直接照合したものではありません。

実際の購入や維持費の判断では、保険会社や整備工場の個別見積もり、国土交通省、自治体、警察庁などの最新案内も確認してください。

参考とした主な資料は、読売新聞ヨミドクターの2021年11月24日公開記事、総務省の2020年家計調査、国土交通省の自動車重量税関連情報、軽自動車検査協会の案内、自賠責保険の2023年4月適用保険料表、警察庁の高齢運転者に関する制度案内です。

これからも、皆さんが安心して車と付き合えるよう、費用だけでなく、その先にある暮らしのことまで考えた情報をお届けしていきます。

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