日産キックスは、旧型P15の所有者から「SUVで乗り降りしやすい」という声がある一方、足腰への負担は前後席の姿勢やドアの開き方まで実車で確かめたいSUVです。
とくに中古の旧型と2026年6月登場の新型P16では条件が異なります。「SUVだから楽」と決めつけず、自分や家族の身体に合うかを確認することが大切ですよ。
日産キックスは乗り降りしやすい?旧型オーナーの口コミを確認
「キックスって、膝や腰が気になり始めても乗り降りしやすいのかな?」
50代、60代になって車を選ぶと、燃費や加速だけでなく、毎日の乗り降りが意外と気になりますよね。
今回、口コミの確認には中古車情報サイト「カーセンサー」の日産キックスのクチコミ・評価ページを参照しました。2026年9月3日時点で、歴代キックス全体ではクチコミ108件、総合評価3.6点、運転のしやすさ3.7点となっています。カーセンサー
ただし、ここは少し注意が必要です。
この108件は2020年6月~2026年5月のP15型だけの件数ではありません。2008年10月~2012年6月の先代モデルなども含む、歴代キックス全体の集計です。
今回のテーマである旧型P15、つまり2020年6月~2026年5月生産モデルに絞ると、カーセンサーでは2026年9月3日時点でクチコミ12件、総合評価4.0点、運転のしやすさ4.3点と掲載されています。カーセンサー
この切り分けは大切です。
「108人が今のキックスを評価している」と受け取ると、実際よりも乗降性の口コミが豊富にあるように見えてしまいますからね。
そのP15型で、乗り降りについて具体的に書いているのが、2026年3月5日に岐阜県の「やすさん2さん」が投稿した口コミです。
対象車は2020年6月~2026年5月型のキックス1.2 X(e-POWER)。2025年12月から家族の車として所有し、車体サイズが用途に合うことなどとともに、SUVで乗り降りしやすい点を良かったところとして挙げています。カーセンサー
「キックス 乗り降り」で検索している方にとって、実際の所有者が日常使用の中で乗りやすさを感じていることは参考になるでしょう。
ただし、今回確認したP15型の口コミで、乗降性そのものを明確に評価している投稿は多くありません。
つまり、キックスを「多くの高齢ユーザーが乗り降りしやすいと評価している車」とまで一般化することはできません。
ここは慎重に見たいところです。
乗り降りのしやすさは、単純な車高だけで決まりません。私は次の4つに分けて考えると分かりやすいと思っています。
- 着座位置:腰を深く落としすぎずに座れるか
- 足の運び:片足を必要以上に高く上げなくてよいか
- 身体のひねり:腰や膝を大きくねじらず乗り降りできるか
- ドア開度:普段の駐車環境でも身体を出し入れできる幅を確保できるか
私はこれを、乗降性を見るための「4つのチェックポイント」と考えています。
SUVはセダンなどより着座位置が高めになりやすいため、低い座面から身体を持ち上げる動作がつらい方には楽に感じられることがあります。
しかし、高すぎれば今度は片足を持ち上げる動作が増えます。
ですから大切なのは、「SUVだから乗りやすい」ではなく、「自分の身体にちょうどよい高さと動作になっているか」なのです。
キックスのシート高は何mm?新型の約470mmと混同しない
結論からいうと、今回確認した日産の公式情報では、2020年6月~2026年5月型P15キックスについて、地面から座面までの具体的なシート高を確認できませんでした。
そのため、「座面高○mmだから足腰に楽」といった数字を推測して評価することは避けます。
シート高が分からないと判断できないように感じるかもしれませんが、実は乗降性にはシートの高さ以外にもさまざまな要素が関係します。
たとえば同じ座面高でも、シートをどこまで後ろへ引いているか、座面の端が張り出しているか、ドア開口部に余裕があるかによって足の入れやすさは変わります。
そこで注意したいのが、2026年6月以降の新型P16キックスに関する「約470mm」という数字です。
日産公式FAQは、2026年6月のフルモデルチェンジ以降のP16型について、前席・後席とも地面からステップまで約470mmと公表しています。
これは日産の社内測定値で、車両姿勢などによって数値が若干異なる場合があると明記されています。日産FAQ
ここで覚えておきたいのは、
約470mmは「地面からステップまで」であって、地面からシート座面までの高さではない
ということです。
さらに、この数値は2026年6月以降のP16型についてのものです。
中古車市場で多く見かける2020年6月~2026年5月のP15型へ、そのまま当てはめることもできません。
検索していると「キックス」「470mm」という数字だけが切り取られて見えることがありますが、どの世代の、どこからどこまでを測った数字なのかまで確認することが大切ですよ。
それより乗降性を判断しやすいのは、実際の車で普段の運転位置を再現することです。
展示車へ乗った瞬間だけで「楽だった」と決めず、まずシートを普段の運転姿勢に合わせてください。
そのあと一度車外へ出て、もう一度乗る。
この順番にすると、実生活に近い状態で足の運びや腰のひねりを確認できます。
展示車は前に座った人がシートを後方へ下げていることもあります。そこで楽に乗れたとしても、自分の運転位置へ前進させた途端、ハンドル周辺が窮屈になって足を入れにくくなる可能性もあります。
シートの高さだけを測るより、「自分の運転位置で自然に座って自然に立てるか」を見る。
私はこの確認のほうが、実際のカーライフには役立つと考えています。
足腰への負担は?前席と後席を分けて考えたい
キックスの乗降性で、もう一つ忘れたくないのが、運転席へ乗りやすいことと、後席の高齢者が楽に過ごせることは別問題だという点です。
2026年3月5日の「やすさん2さん」の口コミでは、乗り降りしやすいことを評価する一方、後席についてはシートバックの角度やひじ掛けがないこと、硬めに感じる乗り心地などが気になる点として挙げられています。カーセンサー
同じ投稿者が2025年12月26日に投稿した口コミでも、後席にシートヒーターやリフター、ひじ掛け、日差しを遮る装備など、乗員への配慮をさらに充実してほしいという趣旨の希望を書いています。カーセンサー
もちろん、これは個人の感想です。
この投稿だけを根拠に「キックスの後席は高齢者に向かない」と決めつけることはできません。
実際、2025年6月15日に東京都の「ks3003さん」が投稿した口コミでは、2025年3月からP15型キックスを所有し、前車のE51型エルグランド2.5から乗り換えたうえで、コンパクトSUVとしては後席の居住空間が予想より広かったと評価しています。カーセンサー
一方で同じ口コミでは、乗り味を硬めと感じ、特に後席ではロードノイズや路面の凹凸を拾いやすいという指摘もあります。カーセンサー
ここから見えてくるのは、「広い」と「身体が楽」は同じ意味ではないということです。
足元に余裕があっても、段差を越えるたびに腰や背中へ振動が伝われば、身体の状態によっては疲れを感じやすくなります。
逆に室内が巨大でなくても、座ったときに背中を自然に預けられ、降りるときに足裏を地面へ着けやすければ「この車は楽だな」と感じることがあります。
ですから、高齢のご両親を通院や買い物へ連れて行く用途なら、確認したいのは単なる後席の広さではありません。
乗り込む動作、座った姿勢、走行中の揺れ、降りる動作。
この4つを一続きで見てください。
家族が後席を日常的に使うのなら、車を購入する本人だけでなく、できれば実際に乗る方にも販売店へ一緒に来てもらうのがおすすめです。

キックスの口コミから分かる「乗ってからの負担」は?
乗り降りを確認したら、次は走り出したあとの身体の負担も少しだけ見ておきたいところです。
ここは記事の中心から離れすぎないよう、足腰との関係に絞って見ていきましょう。
2024年7月7日に神奈川県の「terabunさん」が投稿したP15型1.2 X ツートーン インテリアエディション(e-POWER)の口コミでは、運転のしやすさを5点と評価し、小回りや見切りの良さなども特徴として挙げています。2023年12月から所有しているユーザーです。カーセンサー
また、2025年8月14日に千葉県の「ハネ!さん」が投稿した口コミでも運転のしやすさは5点で、特徴として視界の広さが挙げられています。カーセンサー
こうした扱いやすさは、足腰とは直接関係がないように見えますよね。
しかし私は、年齢を重ねてからの車選びでは意外に大切だと考えています。
乗り降りは楽でも、スーパーの駐車場へ入るたび何度も切り返し、狭い道路を走るたび身体へ力が入る車では、日常全体では疲れてしまいます。
その意味で、P15型の口コミに運転しやすさや視界を評価する声が見られるのはプラス材料でしょう。
ただし、乗り心地については一方向の評価ではありません。
前述の「ハネ!さん」は路面の凹凸を拾いやすいという趣旨の感想を書いており、「ks3003さん」も後席では凹凸をしっかり感じるとしています。カーセンサー+1
したがって、腰や背中への振動が気になる方は、試乗で舗装のきれいな道路だけを走って終わりにしないほうがよいでしょう。
安全を確保できる通常の試乗コースの範囲で、舗装の継ぎ目などを通ったときに身体へどの程度の揺れが伝わるかも意識してみてください。
「乗る瞬間は楽だけど、30分走るとつらい」ということもあります。
車との相性は、乗車の3秒だけでなく、乗る・座る・走る・降りるまでを一本につなげて考えることが大切ですよ。
旧型P15と2026年6月以降の新型P16はどう違う?
中古のキックスを検討している方にとって、非常に重要なのが旧型P15と新型P16を混同しないことです。
カーセンサーのモデル区分では、P15型に当たるモデルは2020年6月~2026年5月、新型は2026年6月~と分けられています。日産公式FAQでもP16型について「2026年6月 フルモデルチェンジ~」と案内されています。カーセンサー+1
今回、乗り降りしやすいという具体的な所有者の口コミを確認できたのは、2020年6月~2026年5月の旧型P15・1.2 X(e-POWER)です。
一方、前席・後席ともステップまで約470mmという日産公式値は、2026年6月以降の新型P16についての数字です。日産FAQ
この2つをつなげて、
「口コミで乗り降りしやすいと言われていて、ステップ高は470mm」
と一台の車の情報のように扱うのは正確ではありません。
さらに、e-POWERについても世代が異なります。
日産公式FAQによると、P15型キックスは2020年6月~2022年7月が第1世代e-POWER、2022年7月以降が第2世代e-POWERの設定車種。P16型キックスは第3世代e-POWERの設定車種とされています。日産FAQ
ただ、乗降性を調べている方にとって、e-POWERが何世代かを深く追いかける必要はありません。
ここで重要なのは、2026年6月を境に車両自体が変わっているため、旧型の口コミを新型の身体感覚へそのまま当てはめないことです。
新型P16について日産は、高性能フロントショックアブソーバーを採用し、ボディ、サスペンション、ステアリングの剛性を確保することで、揺れを抑えた姿勢や乗り心地を追求したと説明しています。また第3世代e-POWERでは静粛性向上もアピールしています。日産自動車+1
ただし、これはメーカーによる車両設計上の説明です。
旧型ユーザーの「硬め」という感想が新型で完全に解消された、とまで断定できるものではありません。
旧型の中古車を検討するなら旧型を試す。
新型を検討するなら新型へ実際に乗る。
当たり前に思えますが、検索結果では世代違いの情報が混ざりやすいため、ここはぜひ意識してくださいね。
足腰が気になる人はキックスの試乗で何を確認する?
足腰への負担を重視してキックスを選ぶなら、試乗は走り出す前から始まっていると考えてください。
長年メーカー直営ディーラーの店頭でお客様の相談を伺ってきた経験からも、乗降性はスペック表だけで判断しにくい項目だと感じています。
加速や静粛性は試乗すると印象に残りやすいのですが、「購入後、毎日何度も繰り返す動作」は意外に見落とされます。
そこで、P15でもP16でも、次の順番で確認してみてください。
- 運転席をいつもの運転姿勢へ合わせる
- その状態から2~3回乗り降りする
- お尻を座面へ下ろすときに腰が大きく沈まないか見る
- 車内へ入れる足を必要以上に高く持ち上げていないか確認する
- ハンドルやピラーを頼らないと身体を支えられないか見る
- 降りるときに足裏を自然に地面へ置けるか確認する
- 助手席・後席を使う家族にも同じ動作をしてもらう
- 走行中は腰や背中へ伝わる揺れを確認する
- 最後にドアを大きく開けられない状況も想定して乗り降りする
2~3回繰り返すのには理由があります。
初めて新しい車へ乗るときは、内装や装備へ意識が向きやすく、多少不自然な身体の動きでも気づきにくいものです。
ところが何度か繰り返すと、「降りるときだけ右膝へ力が入る」「座る瞬間に腰をひねっている」といった小さな違和感が見えてきます。
そして、私がとくに重視したいのがドアを全開にできない状態です。
ショールームでは車の周囲が広く、ドアを大きく開けられることがあります。
しかし毎日の生活ではどうでしょう。
スーパーでは隣の駐車枠に車があり、病院の駐車場が混雑していることもあります。自宅が壁際の駐車場という方もいるでしょう。
ドアを大きく開けば身体を横へそのまま出せても、開口量が小さくなると膝を内側へ寄せたり、腰をひねったりする必要が出てきます。
ここに、カタログには載りにくい乗降性があります。
車単体の乗りやすさではなく、「自分の身体×シート位置×ドア開度×いつもの駐車環境」で判断する。
これが、キックスに限らず足腰が気になる方の車選びでは、とても実用的な見方だと私は考えています。
日産キックスの乗り降りをどう評価する?私の考察
確認できた口コミと日産の公式情報を踏まえると、私は旧型P15キックスを、「低い乗用車から立ち上がる動作が気になり始めた人には試す価値がある。ただし足腰に優しい車と一律には断定できないコンパクトSUV」と評価します。
一番の理由は、乗り降りをしやすいと感じている実際の所有者がいる一方で、その評価を裏付ける直接的な口コミ数はまだ限られているからです。
ここで「SUVだから高齢者向き」と単純化するのはおすすめできません。
むしろキックスを見るときは、車高という一つの数字から離れて、
着座位置・足の運び・身体のひねり・ドア開度
という4要素を見るほうが、身体への相性を判断しやすいと私は考えています。
また、前席と後席も分けるべきです。
自分が運転席へ楽に乗れることと、足腰が弱くなった親御さんが後席で快適に通院できることは別ですよね。
P15型には後席空間を広いと評価する口コミがある一方、硬めの乗り味や凹凸の伝わり方を気にする声も確認できます。
ですから、高齢のご家族を頻繁に乗せる場合は「後席へ入れたからOK」で終わらせず、5分、10分と座った姿勢や短い試乗中の揺れまで確認したいところです。
そして中古車を検討する方は、P15とP16を必ず分けてください。
2026年6月以降の新型P16には、前後席ともステップまで約470mmという公式情報がありますが、それは旧型P15の座面高を示す数字ではありません。日産FAQ
反対に、P15オーナーの乗降性や乗り心地の感想を、そのままP16へ移すこともできません。
車選びでは、数字があると安心しますよね。
けれど乗降性については、数値が答えのすべてではありません。
靴を選ぶときに、サイズ表だけ見て「26cmだから自分にぴったり」とは言い切れないのと似ています。
同じ26cmでも幅や甲の高さによって履き心地は変わります。
車も同じです。
スペックが良く、口コミの評価が高くても、自分の膝や腰が「ちょっとつらいな」と感じたなら、その感覚は無視しないでください。
逆に、スペック上は特別な乗降支援がなくても、何度乗り降りしても自然に身体が動くのであれば、その車は自分に合っている可能性があります。
キックスは、口コミで結論を決める車というより、口コミを入口にして身体との相性を実車で確かめたい車だと私は思います。
まとめ|キックスの乗り降りは4つのポイントで確認しよう
日産キックスについては、2026年3月5日に投稿された旧型P15・1.2 X(e-POWER)の所有者から、SUVで乗り降りしやすいという具体的な口コミが確認できました。カーセンサー
ただし、直接乗降性へ言及する口コミは限られており、「キックスなら誰でも足腰が楽」と一般化できるほどの材料はありません。
また、カーセンサーのクチコミ108件、総合評価3.6点、運転のしやすさ3.7点という数字は歴代キックス全体の集計です。旧型P15だけでは2026年9月3日時点で12件、総合4.0点、運転のしやすさ4.3点となっているため、口コミ件数は世代を分けて見る必要があります。カーセンサー+1
2026年6月以降の新型P16については、日産が前席・後席とも地面からステップまで約470mmと公表していますが、これは座面高ではありません。旧型P15にも当てはめられません。日産FAQ
足腰が気になる方は、実車で着座位置・足の運び・身体のひねり・ドア開度を確認してみてください。
さらに後席を使う家族がいるなら本人にも乗ってもらい、走行中の揺れまで確かめる。
毎日の乗り降りは数秒ですが、その数秒を何年も繰り返します。
「SUVだから」「口コミが良いから」と決めるのではなく、自分の身体が無理なく動けるかを最後の判断基準にしてみてくださいね。
よくある質問
日産キックスは高齢者でも乗り降りしやすいですか?
旧型P15について、実際の所有者から「SUVで乗り降りしやすい」という趣旨の口コミがあります。カーセンサー
ただし直接的な乗降口コミは限られており、身長や脚の長さ、膝・腰の状態によっても感じ方は変わります。運転席を自分の位置へ合わせたうえで、2~3回乗り降りして判断することをおすすめします。
キックスのシート高は何mmですか?
今回確認した日産公式情報では、2020年6月~2026年5月型P15について、地面から座面までの具体的なシート高は確認できませんでした。
2026年6月以降のP16について日産が公表している約470mmは、前席・後席の地面からステップまでの地上高です。座面高ではないため混同しないようにしましょう。日産FAQ
キックスの後部座席は高齢者にも使いやすいですか?
旧型P15には後席空間を予想より広いと評価する口コミがある一方、硬めの乗り味や路面の凹凸が伝わりやすいと感じたユーザーもいます。カーセンサー
高齢のご家族を頻繁に乗せるなら、室内の広さだけで判断せず、本人に乗ってもらい、乗車時の足の運び、着座姿勢、走行中の揺れ、降車時の立ち上がりまで確認すると安心です。
杉原健一
モーターライフ・アドバイザー



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