55歳の車購入予算は、年収ではなく「車を買ったあとに老後へいくら残せるか」から逆算するのが基本です。退職金だけを当てにせず、住宅費・生活費・次の車まで含めて考えましょう。
「今なら払えるから大丈夫」と思っても、60代以降は収入や家計の形が変わる可能性があります。55歳の車選びでは、購入価格だけでなく、定年後も維持できるか、次の買い替え資金まで残せるかを見ることが大切なんですね。
- 55歳の車購入予算はいくら?「買える額」ではなく「残せる額」で決めよう
- 退職金1,000万円なら300万円の車は買える?モデルケースで逆算
- 退職金で車を買っても大丈夫?「何%まで」より購入後の残高が重要
- 55歳で「人生最後の車」と決めないほうがいいのはなぜ?
- 定年後も車を持てる?購入価格より年間維持費が家計を左右する
- 55歳なら現金一括とローンはどちら?完済年齢まで確認しよう
- 55歳からの車選びは「価格・安全・サイズ・乗降性」を確認しよう
- 新車と高年式中古車はどちら?「価格差」より総支払額で比較しよう
- 55歳の車購入で私が「100万円の余白」を重く見る理由
- まとめ|55歳の車購入予算は老後資金を引いてから逆算しよう
- よくある質問
55歳の車購入予算はいくら?「買える額」ではなく「残せる額」で決めよう
55歳になると、車の予算で最初に見るべきなのは「ローン審査でいくら借りられるか」ではありません。
車を買ったあと、老後の暮らしに必要なお金をどれだけ残せるか。
私は、こちらのほうがずっと重要だと考えています。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円、男性では587万円でした。
男性の年齢階層別平均給与を見ると、50〜54歳は709万円、55〜59歳は735万円です。一方、60〜64歳では604万円となっています。
もちろん、これは日本全国の給与所得者を集計した平均値です。
勤務先、役職、雇用形態などによって実際の収入は大きく異なりますから、「55歳なら735万円もらえる」という意味ではありません。
それでも、55歳の車購入を考えるうえで見逃せない点があります。
50代後半の給与水準を、そのまま60代以降の支払い能力だと思わないほうがいいということです。
たとえば現在の手取りなら月5万円のローン返済に余裕があったとしても、定年や再雇用で収入が変われば、その5万円の存在感も変わりますよね。
長年ディーラーの店頭でお客様の相談に接してきた私が、50代以降の車購入で特に気になるのもここです。
若い頃は「月々いくらなら払えるか」を中心に考えても、働ける期間を長く取れることがあります。
しかし55歳では、5年後、10年後の収入まで視野に入れなければなりません。
そのため、私はまず次の数字を紙に書き出すことをおすすめします。
- 現在の預貯金・金融資産
- 60歳や65歳までに増やせそうな貯蓄
- 退職金の見込み額
- 住宅ローンなどの残債
- 60歳以降の給与・再雇用収入
- 公的年金の見込み額
- 住宅修繕など今後予定している大型支出
- 65〜75歳ごろの車の買い替え資金
- 車を持ち続けるための年間維持費
- 緊急時のために残したい生活予備資金
こうして見ると、55歳の車購入は単なる「車種選び」ではないことが分かります。
老後の家計という大きな地図の中に、今回の1台をどこへ置くか。
それを決める作業なんですね。
「300万円の車が買えるか」から始めるのではなく、「老後に必要なお金を残した結果、車にはいくら使えるか」と考えてみましょう。
この順番を変えるだけでも、予算の見え方はかなり違ってきます。
退職金1,000万円なら300万円の車は買える?モデルケースで逆算
「考え方は分かったけれど、結局いくらくらいならいいの?」
ここが一番気になるところですよね。
そこで、55歳で300万円の車を買うケースを、あくまで計算方法を理解するための仮定例として考えてみましょう。
項目 仮定額
55歳時点の預貯金 1,000万円
60歳までに増やす貯蓄 200万円
退職金 1,000万円
55歳で購入する車 300万円
住宅修繕などの大型支出 300万円
老後の生活費不足への備え 800万円
将来の次の車資金 200万円
55歳時点の預貯金1,000万円に、60歳までの追加貯蓄200万円、退職金1,000万円を加えると、合計は2,200万円です。
ここから今回の車300万円を支払えば1,900万円。
さらに住宅修繕300万円、老後の生活費不足への備え800万円、次の車200万円を確保すると、単純計算では600万円が残ります。
ただし、この600万円を見て「だから300万円の車なら安全」と判断してはいけません。
実際の家計では、住宅ローン、日々の生活費、税・社会保険料、年金額、医療費、家電の買い替えなども関係するからです。
このモデルで本当に伝えたいのは、300万円という結論ではなく、計算する順番なんですね。
55歳からは、次のように考えると整理しやすくなります。
**今回の車に使えるお金
=将来見込める資産
-老後の生活に必要なお金
-住宅などの大型支出
-次回の車買い替え資金
-残しておきたい予備資金**
その残額の範囲で、車の予算を決めます。
つまり、「退職金が1,000万円だから、そのうち300万円くらい車に使おう」ではありません。
必要資金を先に確保した結果、300万円まで使っても家計が成り立つなら候補にできるという順番です。
ここを逆にしないことが大切です。
たとえば同じ条件でも、300万円の車ではなく200万円の車を選べば、単純計算では100万円多く残せます。
現役時代には100万円が「上級グレードにするかどうか」くらいの違いに感じることもあるでしょう。
しかし60代、70代では、その100万円が住宅設備の修理、次の車、旅行、日々の生活費などに使えるかもしれません。
だからといって、高い車を諦める必要があると言いたいわけではありません。
先に将来のお金を守ったうえで、それでも予算に余裕があるなら好きな車を選ぶ。
その順番なら、車を買ったあとにも納得感を持ちやすいと思います。
退職金で車を買っても大丈夫?「何%まで」より購入後の残高が重要
「退職金1,000万円なら、車には何%くらいまで使っていいのでしょうか?」
こうした疑問もありますよね。
ただ、私は「退職金の20%まで」「30%なら大丈夫」と一律の割合で決める考え方には注意したいと思っています。
同じ退職金1,000万円でも、家庭によって条件がまったく違うからです。
たとえば、
住宅ローンを完済し、退職金以外にも十分な金融資産がある人。
住宅ローンがまだ残り、現金の余裕が少ない人。
この2人が退職金から300万円を車へ使った場合、家計に与える影響は同じではありませんよね。
退職金は、大きな金額が一度に口座へ入るため、「これだけあれば少し高い車も大丈夫」と感じやすいお金でもあります。
けれど、60歳以降の生活という視点で見ると、退職金は車だけのためのお金ではありません。
住宅修繕に必要になることもあります。
年金だけでは足りない生活費の補填に使うこともあります。
将来、もう一度車を購入する可能性もあります。
急な出費に備える現金も必要でしょう。
ですから私は、退職金を受け取る前の段階から、頭の中で少なくとも次のように分けて考えることをおすすめします。
生活を支えるお金、住宅に使うお金、車に使うお金、予備として残すお金。
たとえば退職金1,000万円が口座に入ったとしても、そのうち500万円を今後の生活や住宅のために残す必要があるなら、その500万円まで「車を買えるお金」に数えてはいけないわけです。
銀行口座の残高は、スーパーの特売チラシのように全部が自由に使える金額を示しているわけではないんですね。
大事なのは、車を買う前の残高ではなく、車を買ったあとの家計です。
家計相談でも、車の価格だけを切り取って「高すぎる」「安い」と判断することはできません。
今後どれだけ働くのか。
年金はいくら見込めるのか。
住宅費はいくら残るのか。
何歳まで車が必要なのか。
そこまで見て初めて、「この家庭にとって無理のない車予算」が見えてきます。
退職金で車を買うことそのものが悪いわけではありません。
むしろ、長年働いたあとに本当に好きな車を楽しむことには大きな価値があると私は思っています。
ただし、楽しむためのお金と、暮らしを守るためのお金を混ぜないこと。
これが55歳以降ではとても重要です。
55歳で「人生最後の車」と決めないほうがいいのはなぜ?
55歳で車を買うとき、「これを人生最後の新車にしよう」と考える方もいます。
そのお気持ちはよく分かります。
「最後なら少し高くてもいいかな」
「昔から欲しかった車に乗っておきたい」
そう思いますよね。
でも、55歳から10年間乗っても65歳です。
15年間乗っても70歳です。
現在の日本では、自動車の平均使用年数そのものが長期化しているとはいえ、55歳で買った1台が必ず運転人生最後になるとは限りません。
70歳になった時点で元気に運転していて、買い物や通院、趣味に車が欠かせなければ、もう一度買い替える可能性があります。
そこで私は、55歳で購入する車を「最後の車」ではなく「老後前半を支える車」と考えておくほうが、資金計画として自然だと思っています。
「人生最後」と考えると、財布のひもは少し不思議な緩み方をします。
「最後だから上級グレード」
「最後だから大きなSUV」
「最後だからオプションも全部」
車好きなら、分かりますよね。
もちろん、欲しい車を選ぶこと自体には何の問題もありません。
私も、車というものは単なる移動手段だけではなく、毎日の楽しみや旅の相棒になる存在だと思っています。
問題なのは、70歳の自分にも車が必要かもしれないという可能性を消してしまうことです。
仮に55歳で300万円の車を買い、70歳でもう一度200万円の車へ買い替えるなら、車両購入費だけでも合計500万円になります。
しかも車を持っている間は、燃料代、税金、任意保険、車検、整備、タイヤなどの費用も続きます。
ですから55歳以降の車予算では、
「今回いくら使うか」ではなく、「運転をやめるまで車にいくら必要になりそうか」
という視点を加えてみてください。
ここは、55歳の車購入で見落とされやすいポイントだと思います。
今回の車を少し抑えれば、70歳になった自分にもう一度「好きな車を選ぶ自由」を残せるかもしれません。
それなら、今の車選びが我慢ではなくなりますよね。
未来の自分にも、もう一枚クルマ選びの切符を残しておく。
私はそんな考え方も、55歳からの車購入には合っていると思います。
定年後も車を持てる?購入価格より年間維持費が家計を左右する
老後の車予算を考えるとき、多くの方が車両価格を気にします。
「250万円なら買える」
「300万円は少し高い」
もちろん大切な数字です。
でも、定年後の家計で長く効いてくるのは、買ったあとの維持費なんですね。
たとえば普通車を所有し、次のような年間費用がかかるケースを仮定してみましょう。
燃料代12万円、任意保険8万円、自動車税4万円、車検・整備の年平均10万円、タイヤなどの消耗品5万円。
このモデルでは、駐車場代を除いて年間約39万円です。
月平均にすると約3万2,500円になります。
さらに月2万円の月極駐車場を借りるなら、年間24万円が加わります。
合計すると年間約63万円、月平均では約5万2,500円です。
もちろん、これは車の維持費を理解するためのモデルです。
燃料代は走行距離や燃費、燃料価格で変わります。
任意保険も年齢、等級、補償内容、車種などによって変わります。
税金や整備費も車によって異なります。
自宅に駐車場があれば、駐車場代はかかりません。
ですから「普通車なら必ず63万円必要」という話ではありません。
それでも、ここから分かることがあります。
車は300万円で購入したら、それで支出が終わる商品ではないということです。
仮に駐車場代を除く年間維持費が39万円なら、10年間では単純計算で390万円です。
300万円の車を買えば、車両価格と合わせて690万円。
実際には年によって整備費が変わり、買い替え時期や保険料も変化しますが、車両価格だけを見ていたときとは景色が違ってきますよね。

55歳からは、ぜひ次の質問をしてみてください。
「この車を買えるか?」ではなく、「70歳になってもこの車を持ち続けられるか?」
たとえば年金生活に入ってから年間50万円の車関連費が必要なら、10年間で500万円です。
だからこそ、老後に向けたダウンサイジングでは、購入価格だけでなく維持費まで見る必要があります。
燃費。
税金。
任意保険。
タイヤサイズ。
車検・整備。
駐車場。
そして次回の買い替え費用。
ここまで含めると、車選びはかなり現実的になります。
また、「燃費の良い車へ替えれば得だから」と高価な車へ乗り換える場合にも注意が必要です。
年間の燃料代が2万円安くなったとしても、車両価格が100万円高ければ、燃料代だけでその差を回収するには長い期間が必要になります。
老後の車では「燃費」より「総額」で見る。
これも覚えておきたいところです。
55歳なら現金一括とローンはどちら?完済年齢まで確認しよう
「貯金があるなら、利息のかからない現金一括が一番いいですよね?」
そう考える方も多いと思います。
確かに、同じ購入価格なら借入利息が発生しない現金一括は分かりやすい選択です。
ただし55歳以降では、利息だけを見て一括払いに決めるのも注意が必要です。
見るべきなのは、
現金一括後にいくら手元資金が残るか。
そしてローンなら、
何歳で完済するか。
この2点です。
たとえば預貯金500万円の人が、300万円の車を現金一括で購入するとします。
借金は残りません。
けれど、手元資金は200万円まで減ります。
その直後に、外壁、屋根、給湯器、エアコンなどの交換が重なればどうでしょう。
「ローンがない」という安心はあっても、「すぐ使える現金が少ない」という別の不安が生まれるかもしれません。
一方、300万円をすべてローンで借りれば、手元現金は残しやすくなります。
しかし当然、利息を支払う必要があります。
さらに55歳で7年ローンなら、単純に考えると完済時は62歳。
10年ローンなら65歳です。
60歳で定年を迎え、その後の収入が減るのであれば、現役時代と同じ返済額が重く感じられる可能性があります。
55歳からのローンでは、月額だけを見るのではなく、
「このローンは何歳の自分が最後に払うのか」
まで見てください。
月額を下げるために返済期間を伸ばすと、支払いそのものがなくなるわけではありません。
机の上の荷物を隣の机へ移しただけで、荷物は残っているんですね。
一例として、300万円を年3%で借りる場合、元利均等返済の概算では返済期間によって月々の負担と総返済額が変わります。
3年なら月額は約8万7,000円、5年なら約5万4,000円、10年では約2万9,000円程度が目安になります。
月々だけを見ると10年が楽に見えますが、支払利息を含む総額は返済期間が長いほど増えます。
55歳で10年返済なら65歳まで続く点も見逃せません。
そのため私は、55歳以降なら「一括かローンか」という二択ではなく、
頭金を入れて借入額を減らす方法も含めて考えることをおすすめします。
たとえば300万円の車で、150万円を現金、150万円をローンにする。
そうすれば全額現金より手元資金を残しやすく、全額借入よりローン残高を抑えられます。
もちろん、何が最適かは保有資産や金利、他のローンによって変わります。
私なら55歳以降では、次の3点を特に重く見ます。
- 車購入後にも生活予備資金が残るか
- 定年前後または収入が大きく下がる前に完済できるか
- 住宅ローンや教育費など他の固定負担と重なりすぎないか
借りられる期間ではなく、無理なく返せる期間を選ぶ。
ここを意識してみてくださいね。
55歳からの車選びは「価格・安全・サイズ・乗降性」を確認しよう
老後資金を意識すると、「もう安い車を選ぶしかないのかな」と少し寂しく感じる方もいるかもしれません。
でも、そうではありません。
55歳からの車選びで大切なのは、単に車両価格を下げることではなく、必要なところにはお金を使い、不要なところでは背伸びをしないことです。
私は特に「価格・安全・サイズ・乗降性」の4つを確認してほしいと思っています。
車両価格は「欲しい装備」と「必要な装備」を分ける
100万円価格を抑えられれば、その100万円は老後資金や将来の買い替え資金として残せます。
家計への影響だけを考えれば、とても大きな差ですよね。
ただ、だからといって最も安いグレードを無条件で選ぶ必要はありません。
10年以上乗るつもりなら、毎日使う装備を我慢しすぎると後悔する可能性があります。
そこで、
「この装備は本当に必要」
「これはあればうれしい」
「これはほとんど使わない」
と分けてみてください。
車のオプション選びは、旅行前の荷造りと少し似ています。
「あれも必要かも」と全部入れていくと、いつの間にかスーツケースが閉まらなくなるんですよね。
予算も同じです。
必要なものから順に入れていきましょう。
安全装備は「車名」ではなく購入する個体で確認する
55歳で購入し、65歳や70歳まで乗る予定なら、安全装備はできるだけ丁寧に確認したいところです。
たとえば、
衝突被害軽減ブレーキ。
ペダル踏み間違い時の加速抑制。
車線から外れそうになったときの警報や支援。
周囲を確認しやすいカメラ。
こうした装備は、今後の運転を考えるうえで重要な確認項目です。
特に中古車では注意してください。
同じ車名でも、年式やグレードによって安全装備が異なることがあります。
メーカーオプションだった装備は、同じグレードでも付いている車と付いていない車があります。
ですから、
「この車種には安全装備がある」
ではなく、
「この購入予定車には何が付いているか」
まで確認しましょうね。
子どもが独立したら車のサイズも見直してみる
50代になると、家族構成が変わる家庭も多いですよね。
以前は家族全員で乗るためにミニバンが必要だった。
けれど今は、普段乗るのは夫婦2人。
そんな家庭なら、一度現在の車のサイズが本当に必要か考えてみてもいいでしょう。
高速道路を頻繁に走る。
大人4人以上で長距離移動する。
大きな荷物を運ぶ。
そうした使い方が多ければ、ある程度のサイズは必要です。
一方で、近所の買い物や通院が中心なら、コンパクトカーや軽自動車が暮らしに合う場合もあります。
小さな車へ乗り換えることは、私は「格下げ」だとは思いません。
大きすぎる靴から、今の自分の足に合った靴へ履き替えるようなものです。
駐車場で扱いやすくなり、タイヤなどの費用も抑えやすくなることがあります。
暮らしに合ったサイズを選び直すことは、老後に向けた前向きな車選びです。
70歳の自分を想像して乗り降りを試してみる
55歳の今は何の問題もなく乗れる車でも、10年後、15年後に同じように感じるとは限りません。
ですから試乗するときは、加速や乗り心地だけではなく、乗り降りも確認してください。
私は、できれば販売店で3回くらい乗り降りしてみることをおすすめします。
一度だけなら気にならなかった動作でも、繰り返すと分かることがあります。
腰を深く落とさないと座れない。
足を高く持ち上げる必要がある。
ドア開口部に頭を近づけやすい。
斜め前が見えにくい。
後方確認で首を大きくひねる。
こうした小さな違和感は、毎日のことになると意外に効いてきます。
駐車も、できれば何度か試してみましょう。
カタログの最小回転半径や全幅も参考になりますが、最後は自分の目と身体で確かめるのが一番です。
70歳になった自分が、気負わず扱えるか。
そんな少し未来の試乗をしてみてくださいね。
新車と高年式中古車はどちら?「価格差」より総支払額で比較しよう
55歳から老後資金を残したい場合、高年式中古車も有力な選択肢になります。
特に「絶対に新車でなければ嫌」というこだわりがなければ、新車より購入価格を抑えながら比較的新しい安全装備の車を探せる可能性があります。
たとえば新車400万円を検討していたところ、同じような用途を満たす高年式中古車が300万円で見つかれば、購入時点の差は100万円です。
ただし、「100万円安いから100万円得」と単純には考えないほうがいいでしょう。
中古車では、購入後にどれだけ費用がかかるかも重要だからです。
確認したいのは、
- 修復歴の有無
- 点検・整備記録
- タイヤの残量や製造時期
- ブレーキなど消耗部品の状態
- バッテリーの状態
- 安全装備の内容
- 保証期間と保証範囲
- 諸費用を含めた乗り出し価格
です。
本体価格が安くても、購入直後にタイヤやバッテリー、ブレーキなどの交換が重なれば、新車との実質的な価格差は縮まります。
逆に、状態がよく保証も充実した中古車なら、老後資金を残すための現実的な選択肢になるでしょう。
中古車選びに不安がある方なら、メーカー系販売店の認定中古車も比較候補に入れてみてください。
新車と中古車のどちらが正解かではありません。
必要な安全性・使いやすさ・保証を得るために、最終的にいくら支払うのか。
55歳以降では、こちらで比較したほうが分かりやすいと思います。
55歳の車購入で私が「100万円の余白」を重く見る理由
ここからは私見です。
55歳という年齢は、車を楽しむという意味ではまだまだ若いと思います。
子育てが一段落して、ようやく自分の好きな車を選べるようになった。
夫婦で旅行へ行きたい。
昔憧れていた車に一度は乗ってみたい。
そんな方もいらっしゃいますよね。
私は、老後資金という言葉を使って「欲しい車は全部我慢してください」と伝えたいわけではありません。
車が人生の大きな楽しみなら、そこへお金を使う価値は十分にあります。
ただ、55歳からは「あと100万円出せるか」だけでなく、「100万円を残すと何ができるか」も考えてほしいんです。
30代なら、100万円使っても、その後20年、30年働いて貯め直せる可能性があります。
55歳では、定年までの期間が短くなります。
もちろん65歳以降も働く人は増えていますが、働き方や収入が現在と同じまま続くとは限りません。
だから55歳の100万円は、単なる車の価格差ではなくなってくるんですね。
たとえば300万円の車を200万円に抑えれば、100万円を残せます。
その100万円は、70歳の次の車の購入資金になるかもしれません。
住宅修繕にも使えます。
元気な60代に夫婦で旅行する費用にもできます。
万一のときに家計を守るクッションにもなります。
私はここに、55歳ならではの車予算の考え方があると思っています。
車に使わなかった100万円は、「使えなかったお金」ではありません。将来の自分が選択できる100万円です。
この感覚を持っておくだけでも、予算の決め方は変わります。
一方で、老後資金、住宅費、次の買い替え資金まで計算した結果、「500万円の車を買っても大丈夫」と分かったなら、好きな車を選んでいいと思います。
大切なのは価格そのものではありません。
高い車を買ったことでも、安い車を買ったことでもありません。
買ったあとまで含めて、自分が納得できる選択になっているか。
そこなんですね。
そして、もう一つ大切にしたい視点があります。
55歳からの車予算は、「購入価格」だけでなく、運転をやめるまでの生涯車コストで考えることです。
55歳で300万円の車。
70歳で200万円の車。
その間の維持費。
ここまで一度紙に書いてみると、今回の1台にどこまでお金をかけるべきかが見えやすくなります。
「最後の車だから豪華にしよう」ではなく、
「未来の自分にも選べる余白を残しながら、今の自分も楽しむ」。
私は、このバランスこそ55歳からの車選びで大切にしたいと思っています。
まとめ|55歳の車購入予算は老後資金を引いてから逆算しよう
55歳で車を購入するときは、現在の年収だけを見て「月々払えるから大丈夫」と判断しないことが大切です。
50代後半から60代にかけては、定年や再雇用などによって収入が変わる可能性があります。
そのため、今の支払い能力より、購入後の老後資金を重視するほうが安心です。
予算を決めるときは、将来見込める資産から、老後の生活費不足への備え、住宅修繕などの大型支出、次回の車購入資金、生活予備資金を先に確保します。
その残額から、今回の車に使える金額を考えましょう。
退職金も「1,000万円あるから300万円くらい使える」という割合ではなく、300万円使ったあとに暮らしを守れるだけのお金が残るかで判断してください。
そして55歳で購入する車を、最初から「人生最後の1台」と決めつける必要もありません。
55歳から15年乗っても70歳です。
70歳以降にも車が必要なら、もう一度買い替える可能性があります。
だからこそ、
今回の購入価格+保有中の維持費+次の買い替え費用
まで視野に入れてみてください。
車両価格、安全装備、車体サイズ、乗り降りのしやすさ、年間維持費、ローンの完済年齢。
一つずつ数字にしていけば、自分に合った予算は少しずつ見えてきます。
55歳からの車予算は、好きな車を諦めるための計算ではありません。
老後の安心を残したうえで、心から納得できる車を楽しむための計算です。
未来の自分にも選択肢を残しながら、今の自分が笑顔になれる一台を探してみてくださいね。
よくある質問
55歳で300万円の車を買うのは高すぎますか?
300万円という車両価格だけでは判断できません。
預貯金、退職金、住宅ローン、定年後の収入、公的年金の見込み額、住宅修繕などを確認し、300万円を使ったあとにも必要な資金が残るかで判断しましょう。
同じ年収700万円でも、住宅ローンがほぼない家庭と、多く残っている家庭では負担感が違います。
「年収に対して何%」ではなく、購入後の家計を見ることが大切です。
退職金1,000万円なら車にいくら使えますか?
一律に「200万円まで」「300万円まで」と決めることはできません。
まず老後の生活費不足への備え、住宅修繕、緊急時の予備資金、次回の車買い替え資金などを確保し、その残額から予算を考える方法が現実的です。
退職金以外に十分な金融資産がある人と、住宅ローンや他の借入が残っている人では、同じ退職金1,000万円でも使える車予算は変わります。
55歳で買った車を最後の車にしても大丈夫ですか?
結果として最後の車になることはありますが、資金計画ではもう一度買い替える可能性も残しておくほうが安心です。
55歳から15年間乗っても70歳です。
70歳以降も買い物や通院などで車が必要なら、買い替えが必要になる場合があります。
今回の1台だけで予算を使い切らず、将来の買い替え費用も少し確保しておくと選択肢を残せます。



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