2025年新型デリカミニは、60代・70代の「最後の車」の有力候補です。ただし2WDと4WDの小回り、乗降性、荷室、安全装備、維持費まで実車で確かめて選ぶことが後悔を減らします。
三菱自動車は2025年9月18日に新型デリカミニを正式発表し、同年10月29日に発売しました。この記事では実車試乗レビューではなく、三菱自動車の公式諸元・公式発表をもとに、「10年先まで付き合える車か」という視点で整理していきますね。
2025年新型デリカミニは最後の車に向く?まず数字で結論
結論からいうと、近所の買い物や通院から夫婦二人の旅行まで一台でこなし、60代から70代へ長く乗りたい方には、新型デリカミニは検討しやすい一台です。
ただし、「軽自動車だから運転しやすい」とひとまとめにはできません。特に新型デリカミニでは2WDと4WDで小回り性能に違いがあるため、ここは最後の車選びで見逃したくないところです。
主な数字を整理すると、次のようになります。
項目 2025年新型デリカミニ
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 2WD 1,785mm/4WD 1,815mm
最低地上高 2WD 150mm/4WD 160mm
最小回転半径 2WD 4.5m/4WD 4.9m
G系WLTC燃費 2WD 21.0km/L/4WD 18.8km/L
T系WLTC燃費 2WD 19.5km/L/4WD 17.8km/L
後席スライド量 320mm
荷室高 約1,080mm
荷室幅 最大約1,115mm/最小約890mm
全長3,395mm、全幅1,475mmは軽自動車規格の範囲です。狭い住宅街やスーパーの駐車場を日常的に使う方にとって、このコンパクトさはやはり大きな魅力ですよね。
一方で、私が最後の車として特に注目したいのは2WDの最小回転半径4.5mと、4WDの4.9mという違いです。
40cmという数字だけを見ると、「たいした差ではないかな」と思うかもしれません。
けれど最後の車では、高速道路で何秒早く加速できるかよりも、自宅の車庫や病院の駐車場で「もう一度切り返さずに済むか」のほうが、毎日の負担に直結することがあります。
雪道や滑りやすい路面を頻繁に走るのでなければ、「デリカミニだから4WD」と先に決めず、2WDの取り回しも実際に比べることをおすすめします。
2025年9月18日の三菱自動車の公式発表では、新型デリカミニのメーカー希望小売価格は1,964,600円から2,907,300円でした。
軽自動車とはいえ、仕様によって100万円近い幅があります。
「最後の一台だから、一番豪華なものを」と考える前に、ターボ、4WD、安全・快適装備のうち、自分が本当に毎週使うものはどれなのかを整理しておきたいですね。
出典:三菱自動車「新型『デリカミニ』『eKスペース』を10月29日に発売」(2025年9月18日)、三菱自動車「デリカミニ 主要諸元」
60代・70代で後悔しない?乗降性と荷室をどう見る?
60代・70代でデリカミニを最後の車にするなら、エンジン性能より先に確認してほしいのが、乗る・降りる・荷物を積むという毎日の動作です。
新型デリカミニは後席にスライドドアを採用し、後席は320mm動かせます。
後席を前へ動かせば荷室を広げられ、後ろへ動かせば後席の足元に余裕をつくれます。荷室側から後席位置を調整できるレバーも用意されており、荷物に合わせて使い分けやすい構造です。
三菱自動車の公式FAQでは、荷室高は約1,080mm、荷室幅は最大約1,115mm、最小約890mm。
後席背面下部からテールゲートまでの長さは、シート位置によって約355〜675mmと案内されています。
これは夫婦二人を中心に使う車として、なかなか便利な数字です。
普段は荷室を広めにして買い物袋を載せ、家族や友人を乗せる日は後席を後ろへ下げる。旅行なら片側だけ後席位置を調整して荷物を逃がす、といった使い方ができます。
車に生活を合わせるのではなく、その日の生活に車内を合わせられる。
最後の車としては、こうした柔軟さを私は高く評価します。
ただし、大きめの旅行バッグを夫婦二人分積み、さらに買い物用品や趣味道具も載せたい場合には、荷室寸法の数字だけで判断しないほうが安心です。
販売店では、次のような状態を試してみましょう。
- 後席を後方にした状態で荷室を確認する
- 後席を前へ出して旅行荷物を想定する
- 左右の後席位置を変え、二人乗車時の積載方法を考える
- テールゲートを開閉し、荷物を持ち上げる姿勢を確認する
- 運転席、助手席、後席にそれぞれ複数回乗り降りする
スライドドアも、年齢を重ねてからありがたさを感じやすい装備です。
狭い駐車場では、ヒンジ式ドアのように隣の車へ向かって大きく開く必要がありません。買い物袋を持っているときや、同乗者がゆっくり降りたいときにも扱いやすいでしょう。

しかし、スライドドア=誰にでも乗り降りしやすい、とは限りません。
足をどこまで上げる必要があるか、腰をどれくらいひねるか、座面へ自然に腰を下ろせるかは、身長や体格によって変わります。
一度乗っただけでは「問題なさそう」と感じても、毎日となると印象が違うことがありますよね。
そこで私は、同じ席へ3回ほど続けて乗り降りする確認方法をおすすめします。
見るべきなのは「1回目に乗れたか」ではありません。
1000回目でも面倒に感じなさそうか。
最後の車では、この感覚がカタログの数字以上に大切だと考えています。
出典:三菱自動車「デリカミニ 荷室寸法を教えてください」(2025年9月18日公開、2026年2月16日更新)、三菱自動車 新型デリカミニ公式情報
2WDと4WD、NAとターボは何年乗る人に向く?
2025年新型デリカミニには、自然吸気のG系とターボのT系があり、それぞれ2WDと4WDが用意されています。
ここは「どれが一番豪華か」ではなく、60代の今から何年乗り、その間どこを走るのかで考えると分かりやすくなります。
公式のWLTCモード燃費は次の通りです。
G系は2WDが21.0km/L、4WDが18.8km/L。
T系は2WDが19.5km/L、4WDが17.8km/Lです。
最小回転半径は2WDが4.5m、4WDが4.9mです。
そのため、私は選び方を大まかにこう整理します。
買い物・通院・街乗り中心なら、まずG系2WDから検討。
燃費と小回りのバランスがよく、雪道をほとんど走らない方なら余分な装備を抱えにくい選択です。
高速道路や長い坂道を頻繁に走るなら、T系2WDも有力。
ターボは、合流や登坂でアクセルを大きく踏み込む場面を減らせる可能性があります。夫婦旅行で高速道路をよく使う方は、G系と同じ日に乗り比べてみると違いを判断しやすいでしょう。
積雪路や滑りやすい道を日常的に走るなら4WD。
新型デリカミニの4WD車には、NORMAL、ECO、POWER、GRAVEL、SNOWの5つのドライブモードが設定されています。
また、滑りやすい路面で発進を支援するグリップコントロール、急な下り坂で速度を抑えるヒルディセントコントロールも用意されています。
これは雪の多い地域やアウトドアを楽しむ方には魅力がありますよね。
ただ、近所の買い物と通院が大半で、積雪路をほぼ走らないのであれば、4WDの能力を使う機会が限られる可能性もあります。
しかも2WDと4WDでは最小回転半径にも違いがあります。
4WDを選んで後悔しやすいのは、「念のため」で選んだものの、その機能をほとんど使わず、日常では4.9mの取り回しのほうが気になってしまうケース。
逆に2WDを選んで後悔しやすいのは、積雪路や未舗装路へ頻繁に出かけるのに、購入時の価格や燃費だけで判断してしまうケースでしょう。
「今の自分」だけではなく、70代になったときにも同じ道路を走るのかまで考えてみてください。
最後の車は、装備が多い仕様より、自分の生活で必要な装備だけがきちんと揃った仕様のほうが長く付き合いやすいものです。
出典:三菱自動車「デリカミニ 主要諸元」、三菱自動車「新型『デリカミニ』『eKスペース』を10月29日に発売」(2025年9月18日)
新型デリカミニの安全装備は70代まで乗る安心材料になる?
新型デリカミニでは、三菱の運転支援機能「e-Assist」も強化されました。
三菱自動車が2025年9月18日に発表した内容では、衝突被害軽減ブレーキに交差点アシスト機能が加わり、交差点の歩行者や対向・交差車両への検知対応が強化されています。
さらに、三菱自動車の発表時点で軽自動車初とされた後側方衝突防止支援システムを採用。
後側方車両検知警報システムや、後退時交差車両検知警報システムも追加されました。
ここで「軽自動車初」という表現は、メーカーが2025年9月18日の発表時点で示したものです。こうした「初」「唯一」といった表現は条件や時期によって変わるため、購入時には最新情報も確認してくださいね。
60代・70代で私が特に注目したいのは、後退時交差車両検知警報です。
スーパーの駐車場で左右に大きな車が止まっていると、バックで出るときに横方向の交通を確認しにくいことがあります。
もちろん、この機能が目視確認の代わりになるわけではありません。
しかし、自分の目、ドアミラー、カメラに加えて、システムも危険の可能性を知らせてくれる。長く乗ることを考えると、こうした「確認手段を一つ増やす装備」は心強いですね。
上位の「DELIMARU Package」では、12.3インチのGoogle搭載インフォテイメントシステム、3Dマルチアラウンドモニター、デジタルルームミラー、前後ドライブレコーダー、ETC2.0なども装備されています。
3Dマルチアラウンドモニターは、前後左右4つのカメラを利用して車両周辺の確認を助けるものです。
ここで大切なのは、安全装備は多ければ多いほど安心、とは限らないことです。
警告音が鳴ったときに、「何を知らせている音なのか」が分からなければ、かえって慌ててしまうことがあります。
購入前にはバック駐車を少なくとも2回ほど試してみてください。
1回目はカメラ画面の見え方を確認する。
2回目はカメラ、ドアミラー、目視を組み合わせる。
さらに警告表示がどこに出るか、よく使うスイッチを迷わず押せるかまで確認できれば理想的です。
最後の車で求めたいのは、最新機能の数ではありません。
70代になった自分でも、迷わず使えること。
私はそこに安全装備の本当の価値があると思っています。
出典:三菱自動車「新型『デリカミニ』『eKスペース』を10月29日に発売」(2025年9月18日)
デリカミニの価格と燃料費は最後の車として無理がない?
2025年9月18日の発表時点で、新型デリカミニのメーカー希望小売価格は1,964,600円〜2,907,300円でした。
ベーシックなG 2WDは1,964,600円、T 2WDは2,042,700円。
G Premium 2WDは2,129,600円、T Premium 2WDは2,219,800円です。
装備を充実させた最上級のT Premium DELIMARU Package 4WDは2,907,300円でした。
つまり、軽自動車だから200万円前後で収まるとは限りません。
ターボ、4WD、先進装備を積み上げれば300万円に近づきます。
60代から10年近く乗るのであれば、「今払えるか」だけでなく、退職後も車を持ち続けたときに負担感が大きくならないかまで考えておきたいですね。
では、燃料費はどの程度違うのでしょうか。
分かりやすくするため、ここではレギュラーガソリンを1Lあたり175円と仮定した単純試算をしてみます。175円は比較計算用の仮定であり、実際のガソリン価格ではありません。
年間5,000kmをWLTC燃費どおりに走れたと仮定すると、
G 2WDの21.0km/Lなら、年間使用量は約238Lで、燃料費は約41,700円。
G 4WDの18.8km/Lなら約266Lで、約46,500円です。
T 2WDの19.5km/Lなら約256Lで、約44,900円。
T 4WDの17.8km/Lなら約281Lで、約49,200円となります。
年間10,000kmなら、おおむねその2倍です。
たとえばG 2WDとG 4WDでは、計算上の差は年間5,000kmで約4,800円、10,000kmで約9,600円となります。
もちろん実燃費は、渋滞、気温、エアコン使用、荷物、運転方法によって変わります。
ですからこの数字で「2WDのほうが得」と決めるための計算ではありません。
むしろ大切なのは、年間数千円の燃料費差だけを理由に、雪道で必要な4WDを諦める必要もないし、使わない4WDをイメージだけで選ぶ必要もないということです。
最後の車では車両価格のほか、自動車保険、燃料、タイヤ、車検、点検、消耗品などが続きます。
「人生最後かもしれないから全部入り」ではなく、
駐車を助ける装備には予算を使う。
毎日の運転を楽にする装備も優先する。
使う予定のない機能は無理に足さない。
そんな優先順位をつけたほうが、購入後に気持ちよく乗り続けられるのではないでしょうか。
なお、価格・グレード・メーカーオプション・標準装備は変更される場合があります。購入時には三菱自動車の最新公式情報と販売店の見積もりを確認してください。
出典:三菱自動車「新型『デリカミニ』『eKスペース』を10月29日に発売」(2025年9月18日)、三菱自動車 新型デリカミニ公式グレード・価格情報
私なら「10年後の自分」で新型デリカミニを試乗する
ここからは、公式データを踏まえた私見です。
私が60代で新型デリカミニを最後の車候補として選ぶなら、試乗で一番知りたいのは「今日、運転して楽しいか」だけではありません。
10年後の自分でも、一人で普通に扱えそうか。
ここを確かめます。
63歳で購入して10年乗れば73歳。
65歳なら75歳です。
今は気にならない首の動きや腰のひねり、車への乗り込み、バック駐車時の振り返りが、10年後も同じとは限りません。
そこで私なら、試乗中に次を確認します。
- 運転席へ3回続けて乗り降りする
- 助手席にも家族に座ってもらい、乗降動作を確認する
- 後席を自分でスライドさせる
- 普段の買い物を想定してテールゲートを開閉する
- 荷物を持ち上げる高さに無理がないか確認する
- バック駐車を入口角度を変えて2回以上行う
- 狭い交差点を想定して左前方の見え方を確認する
- カメラ、ドアミラー、目視を自然に使い分けられるか試す
- よく使う警告表示やスイッチの意味を確認する
特に2WDと4WDで迷う場合、できるだけ両方を運転してみたいところです。
最小回転半径4.5mと4.9mの違いは、紙の上で40cmと読んでも、自宅の車庫でどう感じるかまでは分かりません。
反対に4WDの走行安定性や装備も、必要な人にとっては数字だけでは測れない安心材料になります。
だから最後は、「スペックで勝っているほう」ではなく、自分の生活で扱いやすいほうを選べばいいんですよ。
そして、新型デリカミニでは運転のしやすさにも手が加えられています。
三菱自動車は2025年のフルモデルチェンジでAピラー周辺を見直し、室内長を従来型より115mm拡大しながら、前方視界にも配慮したと説明しています。
こうした部分は、最高出力や燃費ほど目立ちません。
けれど、交差点で周囲を確認するとき、駐車場へ入るとき、狭い道路ですれ違うときには、視界の感覚が運転疲労を左右します。
私は、最後の車の試乗では「走っている時間」より「止める時間」を長く取ってほしいと考えています。
加速の力強さや乗り心地を見るだけで試乗を終えてしまうのは、少しもったいありません。
毎日の生活で何度も繰り返すのは、
乗る。
降りる。
駐車する。
荷物を積む。
狭い場所から出る。
この動作だからです。
一度の試乗で胸が高鳴ることより、1000回目の車庫入れでも怖くならないこと。
最後の車を選ぶなら、私はそんな基準を大切にしたいですね。
出典:三菱自動車「新型『デリカミニ』『eKスペース』を10月29日に発売」(2025年9月18日)
まとめ|デリカミニを最後の車にするなら4.5mと4.9mまで比べよう
2025年新型デリカミニは、60代・70代まで長く乗る「最後の車」として十分に検討できる一台です。
全長3,395mm、全幅1,475mmという軽規格のボディにスライドドアと320mmの後席スライドを備え、荷室高は約1,080mm。買い物、通院、夫婦旅行など、生活の変化に合わせやすい実用性があります。
安全面でもe-Assistが強化され、後側方や後退時の確認を支援する機能、交差点での衝突回避を支援する機能などが加わりました。
一方、2WDと4WDでは最小回転半径が4.5mと4.9mに分かれます。
G系とT系でも燃費や走りの性格は異なります。
ですから「デリカミニならこの仕様」と決めつける必要はありません。
乗り降りが苦にならない。
駐車が怖くない。
荷物を無理なく積める。
安全装備を自分で理解して使える。
購入後の維持費まで無理がない。
この5つを実車で確かめたうえで、あの個性的なデザインや走りが好きだと思えるなら、新型デリカミニは長く付き合える有力候補になるでしょう。
そして、「最後の車」という言葉にも縛られすぎなくていいと私は思います。
60代で選んだ車が70代の生活に合わなくなれば、そのときにもう一度考え直していいんです。
もっと小さな車へ乗り換える選択もあります。
運転そのものを卒業する時期を考えることもあるでしょう。
途中で選択を変えることは、車選びの失敗ではありません。
これからの8年、10年を安心して動けて、それでも車を楽しむ気持ちは残してくれる。
そんな相棒を選ぶことが、60代からの「最後の車」選びではいちばん大切なのではないでしょうか。
よくある質問
2025年新型デリカミニは60代の最後の車に向いていますか?
有力候補です。全長3,395mm・全幅1,475mmの軽規格で、スライドドアと320mmの後席スライドを備えています。
ただし、乗降時の姿勢や駐車時の見え方には個人差があります。公式データだけで決めず、運転席・助手席への乗降とバック駐車を実車で確認することをおすすめします。
デリカミニは2WDと4WDのどちらが高齢者に扱いやすいですか?
取り回しを優先すると、最小回転半径4.5mの2WDに分があります。4WDは4.9mですが、積雪路などで役立つ走行支援機能を備えています。
街乗り中心なら2WD、積雪路や滑りやすい道路を頻繁に走るなら4WDというように、年齢ではなく利用環境から選ぶのが基本です。
デリカミニを70代まで乗るなら試乗で何を確認すべきですか?
運転席と助手席の乗降、荷物の積み降ろし、バック駐車、左前方の見切り、安全装備の警告表示、カメラとミラーの使いやすさを確認しましょう。
特に一度成功しただけで判断せず、乗降は数回、バック駐車は入口角度を変えて2回以上試し、「10年後の自分でも無理なく続けられそうか」という目線で見ることをおすすめします。
杉原健一
モーターライフ・アドバイザー



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