フォレスターは高齢者にも有力なSUVですが、全幅1,830mmを日常で余裕を持って扱えるかが、後悔しない車選びの分かれ目です。
第6世代フォレスターは視界の良さや新世代アイサイトに加え、2025年度JNCAPでファイブスター大賞を受賞。一方で「安全性能が高いこと」と「自分が楽に扱えること」は別なので、狭い道・駐車・乗降まで実車で確かめることが大切です。
フォレスターは高齢者に運転しやすい?結論は「視界は強み、車幅は要確認」
「60代、70代になってもフォレスターを無理なく運転できるだろうか」
「安全性にはひかれるけれど、大きなSUVを毎日扱うのは少し怖い」
そんな気持ちになりますよね。
結論からお伝えすると、現行フォレスターは視界、安全性能、走行安定性、荷室の使いやすさを重視するシニア世代には魅力の大きいSUVです。
ただし、「高齢者だから向いている」「安全装備が豊富だから誰でも運転しやすい」と単純には言えません。
現行フォレスターのボディサイズは全長4,655mm、全幅1,830mm、全高1,730mm。最低地上高は220mmで、最小回転半径は5.4mです。
数字を整理すると、性格が見えてきます。
確認項目 現行フォレスター 高齢者が確認したいポイント
全長 4,655mm 自宅車庫や駐車枠で前後に余裕があるか
全幅 1,830mm 狭い生活道路ですれ違いが負担にならないか
全高 1,730mm 駐車場の高さ制限に収まるか
最小回転半径 5.4m 車庫入れや切り返しを楽にできるか
最低地上高 220mm SUVの高さが乗降時の負担にならないか
荷室開口部最大幅 1,250mm 旅行バッグを楽に積み降ろしできるか
フォレスターは、コンパクトカーのような小ささを売りにした車ではありません。
ある程度のボディサイズを使って、見晴らしや室内空間、荷室、悪天候を含む走行時の安心感を得るSUVと考えると分かりやすいでしょう。
私が長年ディーラーの店頭で車選びのお話を伺ってきて感じるのは、年齢を重ねてから重要になるのは「運転できるか」よりも、余裕を残して運転できるかだということです。
少し頑張れば扱える車と、特に意識しなくても自然に扱える車。
10分の試乗なら小さな差でも、毎日の買い物や通院を何年も続ければ、この差はじわじわ効いてきます。
なぜフォレスターは高齢者に注目される?視界と安全性能を確認
フォレスターを高齢者の車として考えるうえで、まず注目したいのが「見やすさ」です。
第6世代フォレスターでは、エンジンフード左右端とAピラー付け根を低くし、斜め前方の視界を拡大。ドアミラーも小型化して左斜め前方の死角低減を図っています。
これは高齢者に限らず、とても実用的な進化です。
安全運転では、危険を見つけてから装置が助けてくれることだけでなく、そもそもドライバー自身が危険を早く見つけられることが重要だからです。
「見晴らしがいい」だけで判断しない
SUVへ座ると、高い着座位置によって「前がよく見える」と感じることがあります。
ただし、そこで合格にしてしまうのは少し早いんですね。
試乗では正面よりも、むしろ次のような場面を意識してみてください。
- 交差点を曲がるときの斜め前方
- 左側の縁石や路肩
- 狭い道路で対向車とすれ違う場面
- バック駐車から前進へ切り返す場面
- 歩行者や自転車が車の陰から現れそうな場所
「景色がよく見える車」と「車の四隅を想像しやすい車」は、似ているようで少し違います。
特に全幅1,830mmあるフォレスターでは、左前輪がどこを通っているのかを自然に想像できるかを私は重視したいですね。
2025年度JNCAPでファイブスター大賞を受賞
安全性能については、客観的な評価結果があります。
国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が実施する「自動車安全性能2025」で、フォレスターは最高評価のファイブスターを獲得し、その中でも「ファイブスター大賞」を受賞しました。
評価車両は「Premium S EX」で、総合得点は184.62点/193.8点。
予防安全性能は85.40点/85.8点、衝突安全性能は91.22点/100点、事故自動緊急通報装置は8点/8点でした。
「安全そう」という印象だけではなく、第三者機関による試験結果を確認できるのは大きな安心材料です。
一方、NASVAも予防安全技術について、あくまでドライバーを支援するもので万能ではなく、状況によって十分に作動しない場合があると注意を促しています。
ここは、とても大切です。
安全装備が優秀だから注意しなくてもいいのではなく、人が見て、人が判断し、それを車が支える。
この順番は変わりません。
新世代アイサイトとアイサイトXは「理解できるか」まで見る
第6世代フォレスターには、ステレオカメラに加えて広角単眼カメラと前側方レーダーを組み合わせた新世代アイサイトが採用されています。
さらに一部の「EX」グレードには、フォレスターとして初となる高度運転支援システム「アイサイトX」も設定されました。
アイサイトXには、渋滞時ハンズオフアシストやアクティブレーンチェンジアシスト、カーブ前速度制御など、運転負荷の軽減を狙った機能があります。
高速道路を使って夫婦旅行へ出かける方には、心強い装備になりそうですね。
ただ、シニア世代の車選びでは「機能が何個付いているか」以上に、警告や表示の意味を自分で理解できるかが重要です。
警報音が鳴ったときに何を確認すればいいのか。
メーター表示は瞬時に読み取れるか。
ステアリングスイッチを迷わず使えるか。
購入前に販売店で実際の画面を見ながら説明してもらい、「自分が使いたい機能」を一つずつ確認してみましょうね。
フォレスターの全幅1,830mmは高齢者には大きすぎる?
高齢者がフォレスターを検討するとき、私は全幅1,830mmを最大の確認ポイントとして見ておきたいと思います。
コンパクトカーや軽自動車から乗り換える方なら、「ずいぶん横に大きくなった」と感じても不思議ではありません。
一方、SUVやミニバンへ長年乗ってきた方なら、比較的すんなり受け入れられる場合もあります。
つまり「70歳なら大きすぎる」という年齢だけの答えはありません。
これまでの運転経験と生活道路によって、難易度が変わるからです。
最小回転半径5.4mでも車幅1,830mmは変わらない
現行フォレスターの最小回転半径は5.4mです。
大柄なSUVとしては取り回しにも配慮されていますが、ここで勘違いしないようにしたいところがあります。
小回りの良さと、道路上での横幅は別物です。
ハンドルを切ったときに曲がりやすくても、対向車とすれ違う瞬間には1,830mmの車幅があります。
特に毎日通る住宅街に電柱や側溝、ブロック塀が多い方は、カタログの最小回転半径だけで判断しないほうが安心でしょう。
自宅からスーパーまでが「本当の試乗コース」
販売店の試乗では、きれいな幹線道路を数km走って終わるケースもあります。
しかし、フォレスターとの相性を見るなら、本当に知りたいのはそこではありません。
毎朝出る自宅の門。
近所の細い交差点。
いつも使うスーパーの駐車場。
通院先の立体駐車場。
こうした場所のほうが重要です。
旅行で年に5回通る高速道路より、年間200回使う自宅の駐車場のほうが、車との付き合いやすさを左右することもあります。
私はこれを、「最大の試乗コースは自宅周辺」と考えています。
もし販売店が対応できるのであれば、自宅周辺や普段使う道路に近い環境で試乗できないか相談してみるのもいいでしょう。

車幅は「通れたか」より「疲れなかったか」で見る
狭い道を通り抜けられれば、それだけで「運転できる」と判断したくなりますよね。
でも私は、試乗後の体の状態も見てほしいと思います。
左側を気にしてずっとミラーをのぞき込んでいなかったでしょうか。
対向車が来るたびに肩へ力が入らなかったでしょうか。
駐車後に「やれやれ」と大きく息を吐いていなかったでしょうか。
車選びは、少し靴選びに似ています。
試着室で履けたからといって、その靴で一日中歩けるとは限りません。
フォレスターも同じです。
「運転できるサイズ」と「毎日楽に扱えるサイズ」は違う。
高齢者の車選びでは、この差を丁寧に見たいですね。
高齢者がフォレスターを試乗するときは何を確認する?
カタログを眺めているだけでは、自分と車との相性までは分かりません。
フォレスターを本気で検討するなら、試乗では次の5点を確認してみてください。
1.斜め前方と左側が自然に見えるか
最初にシート位置を自分の体へ合わせます。
販売店で前の人が使ったポジションのまま走り出さず、アクセルとブレーキを無理なく踏める位置に調整しましょう。
そこから正面、左右、斜め前方を見ます。
特に左折時に歩行者や自転車を確認しやすいか、左前方の車両感覚をつかみやすいかを見てください。
第6世代では斜め前方視界の拡大や左斜め前の死角低減が図られていますが、最終的に見やすいと感じるかはドライバーの体格や着座位置でも変わります。
2.全幅1,830mmを怖いと感じないか
これは数字より感覚です。
狭めの道路を低速で走り、対向車が来た場面を想定してみましょう。
「もう少し左へ寄せられる」という感覚を持てるでしょうか。
長年SUVやミニバンに乗ってきた人と、1,700mm未満の車ばかり乗ってきた人では感じ方が違って当然です。
年齢より、これまで身につけた車幅感覚の影響のほうが大きい場合もあります。
だからこそ、他人の「大丈夫だった」という口コミより、自分の手と目で確かめることが大切なんですね。
3.バック駐車を最低2回やってみる
試乗では走りの良さに目が向きがちですが、日常生活で何度も繰り返すのは駐車です。
一度バックで枠へ入れ、いったん出て、もう一度入れてみてください。
一度で完璧に入れる必要はありません。
切り返して構いません。
見るべきなのは、周囲との位置関係を理解しながら落ち着いて修正できるかどうかです。
カメラだけへ視線を固定せず、ミラー、目視、周辺映像を組み合わせて確認しましょう。
そして試乗後に、「この駐車を雨の日の夜にもできそうか」と考えてみます。
晴れた昼間の広い展示場は、車にとって少し“易しすぎる試験問題”なんですね。
4.乗り降りを繰り返して体への負担を見る
フォレスターの最低地上高は220mmです。
SUVらしい走破性につながる一方、乗降のしやすさは身長や足腰の状態で印象が変わります。
運転席へ座るとき、足を不自然に大きく上げないか。
降りるとき、地面が遠く感じないか。
腰を大きくひねらないと降りられないか。
1回だけではなく、試乗前と試乗後に繰り返してください。
最初は新車への興奮で気づかなかった違和感が、2回目には「あれ、少し高いかな」と見えてくることがあります。
夫婦で使う予定なら、助手席も同じように確認しましょうね。
運転する本人が楽でも、パートナーが乗るたびにつらいのであれば、旅行用の車としては考え直す必要があります。
5.安全装備の警告を自分で理解できるか
アイサイトやアイサイトXについて、機能名を覚える必要はありません。
それより販売店で、
「この表示が出たら何をすればいいですか」
「警告音が鳴ったときはどこを確認しますか」
「高速道路でよく使う機能はどれですか」
と聞いてみてください。
スマートフォンを買い替えたとき、最初から全部の設定を覚えている人は少ないですよね。
車も同じです。
安全装備は数が多ければ安心なのではなく、必要な場面で迷わず意味を理解できることが大切です。
フォレスターは高齢者の夫婦旅行にも向いている?
夫婦二人で温泉や道の駅へ出かけたい方にとって、フォレスターの荷室は大きな魅力です。
現行モデルの荷室は、開口部最大幅1,250mm、荷室フロア長928mm、ホイールハウス部分のフロア幅1,100mm。荷室高は887mmで、大型サンルーフ装着車は822mmです。
旅行バッグやアウトドア用品を積むには使いやすい寸法ですね。
後席を倒せば大きな荷物や長尺物にも対応でき、キックセンサー式ハンズフリーパワーリヤゲートなど、荷室へのアクセスを助ける装備も設定されています。
荷室は「どれだけ入るか」より「どう取り出すか」
シニア世代では、容量の大きさだけで荷室を評価しないほうがいいでしょう。
旅行バッグを積むとき、腰を深く曲げなくても置けるでしょうか。
荷室の奥へ入れた荷物を取り出すとき、体を大きく伸ばす必要はないでしょうか。
普段の買い物袋をどこへ置くと楽でしょうか。
荷室が広いほど奥まで荷物が入りますが、裏返せば「奥の荷物まで手を伸ばす距離」も増えます。
これはスペック表の容量だけを見ていると気づきにくい部分です。
販売店へ普段使っている旅行バッグを持っていく必要まではありませんが、寸法を測っておき、荷室のどこへ置くか想像してみると実生活が見えてきます。
AWDと最低地上高220mmは旅行で強みを生かしやすい
第6世代フォレスターは機械式AWDを採用し、路面状況に応じて前後輪の駆動力を制御する設計です。最低地上高も220mm確保されています。
雪道だけでなく、雨天、高速道路、山間部など、路面状況が変わる旅行では安心材料になりやすいでしょう。
ただし、ここでも「性能が高い=自分に必要」とは限りません。
買い物と通院が中心で年間走行距離も短く、ほぼ平坦な市街地しか走らないのであれば、フォレスターの能力を十分に使わない可能性があります。
高性能な登山靴を買って、毎日近所のコンビニだけへ歩いていくようなものです。
悪いわけではありませんが、「もっと軽い靴のほうが楽では?」という考え方もできますよね。
欲しい性能と、実際に使う性能を分けて考えること。
これが、年齢を問わず後悔しにくい車選びにつながります。
2026年のフォレスターは何が変わった?第6世代の最新ポイント
これからフォレスターを検討する方は、旧型の記事や動画と現行型の情報を混同しないようにしましょう。
日本仕様の第6世代フォレスターは、SUBARUが2025年4月17日に発表しました。
当初は2.5L水平対向エンジンとモーターを組み合わせるストロングハイブリッド「S」の「X-BREAK」「Premium」、1.8L直噴ターボを搭載する「SPORT」を中心とする構成でした。
そして2026年5月21日、SUBARUは改良モデルを発表。
1.8L直噴ターボ車に新グレード「Touring」「Touring EX」が加わったほか、全車標準装備のスマートリヤビューミラーの画質向上、対応グレードのワイヤレス充電器の給電性能強化、S車へのAC100V/1500Wアクセサリーコンセント標準装備化などが行われました。
こうした変更を見ると、新しい装備へ目が向きますよね。
ただ、高齢者の車選びという視点では、私は豪華装備の数よりも、
見える、曲がれる、止められる、乗り降りできる、迷わず操作できる。
この5点を先に確認したいと思います。
新しい装備は、その土台が合ってから評価しても遅くありません。
なお、グレード、価格、標準装備などは今後の改良で変更される可能性があります。
購入を決める段階ではSUBARUの最新カタログや販売店で確認してくださいね。
フォレスターが高齢者に向く人・向かない人は?
ここまでの内容を整理すると、フォレスターが向きやすい人の姿も見えてきます。
道路や駐車場に比較的余裕があり、SUVやミニバンの運転経験がある方。
高速道路を使った夫婦旅行が多く、荷物をしっかり積みたい方。
視界や安全性能、悪天候時の安定感を重視する方。
こうした使い方なら、フォレスターの長所を日常で生かしやすいでしょう。
反対に慎重に考えたいのは、狭い住宅街を毎日走る方です。
自宅駐車場の左右に壁や柱があり、1,830mmの車幅に余裕がほとんどない場合も、実車確認は欠かせません。
軽自動車や小型コンパクトカーから一気にサイズアップする方も、焦らず比較してください。
さらに買い物と通院が中心で、大きな荷室やAWDをほとんど使わないのであれば、もう少しコンパクトな車のほうが毎日の負担を減らせる可能性があります。
フォレスターが悪いのではありません。
車の能力と、生活で必要な能力が合っているかという話なんですね。
高齢者がフォレスターを選ぶなら「今」より5年後を考えたい
ここからは私自身の考えです。
60代、70代で車を選ぶなら、現在の自分だけを見るのではなく、数年後まで想像してほしいと思っています。
例えば65歳で新車を買い、7年間乗れば72歳です。
購入時には気にならなかった乗降の高さが、数年後に少し負担になるかもしれません。
昼間なら問題なかった車幅が、夜や大雨の日には怖く感じるようになることも考えられます。
だから私は、試乗で「何とか運転できた」という車より、少し余裕を残して扱えた車を選びたいと考えています。
これはフォレスターだけの話ではありません。
年齢を重ねてから長く付き合う車すべてに当てはまります。
「安全な車」と「安全に扱える車」は同じではない
フォレスターが2025年度JNCAPのファイブスター大賞を受賞したことは、大きな強みです。
新世代アイサイトをはじめ、衝突回避や運転支援を目的とした技術も充実しています。
それでも、車そのものの安全性能と、ドライバー自身が安全に扱えるかは分けて考える必要があります。
例えば全幅1,830mmを毎日怖いと感じ、対向車が来るたびに左側へ気を取られるのであれば、第三者評価がどれだけ高くても、その人に最適な車とは限りません。
逆に、これまで大型SUVやミニバンを自然に運転してきて、広い荷室や高速道路での移動を重視する方なら、フォレスターの車格は大きな欠点にならないでしょう。
「フォレスター 高齢者」と検索してこの記事へ来てくださった方に、私が一番お伝えしたいのはここです。
年齢だけでSUVを諦める必要はありません。しかし、安全装備だけを理由に大きな車を選ぶ必要もありません。
見るべきなのは、年齢そのものよりも、体格、運転経験、生活道路、自宅駐車場、利用目的、同乗する家族、そして数年先の自分です。
70歳という数字だけを車選びの境界線にしない
日本では70歳以上で免許を更新する際に高齢者講習が関係し、75歳以上になると認知機能検査などの制度も関わってきます。
そのため、「70歳になったらSUVをやめたほうがいいのかな」と考える方もいるでしょう。
私は、車の大きさを年齢だけで線引きする必要はないと考えています。
30年間大きな車を運転してきた70代の方と、ずっと軽自動車だけを運転してきた方では、同じ年齢でも車幅に対する慣れは違います。
体格や首の動かしやすさ、乗降時の負担にも個人差があります。
年齢は、自分の運転を見直すきっかけにはなります。
しかし最終的には、現実の運転動作に余裕が残っているかを基準にしたほうが納得しやすいでしょう。
フォレスターを高齢者が試乗するなら「余裕があった?」と自分に聞こう
最後に、フォレスターとの相性を確かめる試乗方法を、もう少し実生活へ近づけて考えてみましょう。
試乗は、新車の加速を楽しむためだけの時間ではありません。
「この車とこれから数年間、普通の毎日を過ごせるか」を確認する時間です。
運転席へ座ったら、まずシート、ハンドル、ミラーを自分の体へ合わせます。
次に前方、左右、斜め前、後方を確認します。
首を大きくひねらなければ確認できない場所がないか見てください。
走り始めたら、低速で右左折します。
交差点で車の向きがつかみやすいか。
左側へどこまで寄せられるか分かるか。
ブレーキを自分のイメージどおり調整できるか。
高速道路での強い加速より、こうした日常動作のほうがシニア世代には重要です。
そして可能ならバック駐車をします。
一度枠へ入れたら前へ出て、もう一度入れてみましょう。
2回目に少し楽になったなら、車両感覚をつかみ始めている可能性があります。
逆に、何度やっても左前が怖い、車の端が分からないという感覚が残るなら、その違和感を軽く考えないでください。
夫婦で使うなら、運転を交代できるとさらに理想的です。
「夫にはちょうどいいが妻には大きい」
「普段は妻が通院や買い物で使うのに、夫だけが試乗した」
これでは家の車としての相性を判断できませんよね。
最後に、試乗を終えて車から降りたら、自分へ一つ質問してください。
「運転できた?」ではなく、「余裕があった?」
私は、この質問がフォレスターを選ぶかどうかを考えるうえで、とても役立つと思っています。
車幅を気にし続けなくても走れた。
駐車で慌てなかった。
乗り降りしても体がつらくなかった。
安全装備の説明も理解できた。
そんな「余裕」が残っているなら、フォレスターの大きさは単なる弱点ではなく、広い室内や荷室、安定感を得るための価値へ変わります。
逆に、晴れた昼間の短い試乗だけで疲れ切ってしまったなら、その感覚も立派な答えです。
車選びでは、欲しい気持ちを否定する必要はありません。
ただ、好きな車を「頑張って乗る」のではなく、好きな車に「自然に乗れる」状態を目指す。
年齢を重ねてからのモーターライフでは、そんな選び方が長い安心につながると私は考えています。
まとめ:フォレスターは高齢者にも有力。ただし全幅1,830mmは必ず実車確認を
フォレスターは、高齢者にも十分検討する価値があるSUVです。
現行モデルは全長4,655mm、全幅1,830mm、全高1,730mm、最低地上高220mmで、最小回転半径は5.4m。荷室開口部最大幅も1,250mmあり、夫婦旅行や荷物を積む用途にも適しています。
第6世代では斜め前方の視界改善、新世代アイサイト、一部グレードのアイサイトXなど安全・運転支援面も強化され、2025年度JNCAPでは184.62点/193.8点でファイブスター大賞を受賞しました。
一方、高齢者が特に確認したいのは全幅1,830mmを日常生活で余裕を持って扱えるかです。
狭い道路でのすれ違い、左側の車幅感覚、自宅駐車場、バック駐車、乗り降り、警報や表示の理解しやすさまで、実車で一つずつ確かめてください。
フォレスターが高齢者に向くかどうかは、「60代だから」「70代だから」という年齢だけでは決まりません。
これまでの運転経験、生活道路、駐車環境、体格、夫婦での使い方、そして数年後まで含めて判断することが大切です。
安全性能の高い車を選ぶことと、自分が安全に扱える車を選ぶこと。
この二つが重なれば、フォレスターは年齢を重ねてからの買い物や通院だけでなく、夫婦旅行や少し遠くへのドライブまで頼もしく支えてくれる一台になり得るでしょう。
よくある質問
フォレスターは70代でも運転しやすいですか?
70代だから運転しにくいとは一概に言えません。
現行フォレスターは斜め前方の視界にも配慮され、最小回転半径は5.4mですが、全幅は1,830mmあります。SUVやミニバンに慣れている方とコンパクトカー中心だった方では感じ方が異なるため、狭い道路と駐車まで含めて試乗することをおすすめします。
フォレスターの全幅1,830mmは高齢者には大きすぎませんか?
生活環境によって答えが変わります。
広い道路や駐車場が中心なら負担になりにくい一方、狭い住宅街や左右に壁がある駐車場を毎日使う場合は注意が必要です。「通れたか」だけでなく、肩に力を入れず余裕を持って扱えたかまで確認してみてください。
フォレスターは高齢者の夫婦旅行に向いていますか?
高速道路を使った旅行や、旅行バッグを多めに積む夫婦には有力な候補です。
荷室開口部最大幅は1,250mm、荷室フロア長は928mmあり、AWDや最低地上高220mmも旅行先での安心材料になり得ます。一方、買い物と通院だけが中心なら、より小さな車と比較して日常での扱いやすさを優先する選び方もあります。
杉原健一
モーターライフ・アドバイザー



コメント