免許返納は事故への不安や車の負担を減らせる一方、買い物や通院など日常の移動が難しくなる可能性があります。
後悔を減らすポイントは、「安全に運転できるか」と「車なしで生活できるか」の両方を返納前に確認することです。
免許返納のメリット・デメリットは?まず結論を整理
運転免許の自主返納とは、運転免許が不要になった人や、加齢に伴う身体機能の低下などから運転に不安を感じる人が、自ら申請して免許の取消しを受ける制度です。
警察庁は、高齢ドライバーなどが自主的に運転免許を返納できる制度を案内しています。自主返納によって免許が取り消されれば、その免許を必要とする自動車などを運転することはできません。警察庁
免許返納の主なメリットとデメリットを整理すると、次のようになります。
免許返納のメリット 免許返納のデメリット
自分の運転による事故の心配から離れられる 自家用車で自由に移動できなくなる
車を手放せば維持費を減らせる 買い物や通院が不便になる場合がある
地域によって返納者向け支援を利用できる 外出や人との交流が減る可能性がある
家族の運転への心配を減らしやすい 新しい移動手段を確保する必要がある
車検や整備など車の管理負担がなくなる 再び運転するには免許取得の手続きが必要になる
こうして並べると、免許返納は単純な「安全か、不便か」という二択ではないことが分かりますよね。
私はモーターライフ・アドバイザーとして、免許返納は免許証1枚を返す話ではなく、それまで車が担っていた移動を別の方法へ引き継ぐ話だと考えています。
スーパーへの買い物、病院への通院、銀行や役所、趣味の集まり、友人との外出。
返納した翌日から、それらをどう続けるのかまで考えておくことが大切です。
免許返納のメリットは?事故の不安と車の負担を減らせる
免許返納の代表的なメリットは、運転による事故への不安から離れられること、車を手放した場合に維持費を減らせること、地域によって返納者向け支援を受けられることです。
MS&ADインターリスク総研が2021年に実施した「高齢者の運転免許の返納者の実態と意識」調査を見ると、返納後の実感も分かります。
同調査は、2021年7月の事前調査で、運転免許を自主返納した、またはあえて更新せず運転をやめた60歳以上の男女1,000人を抽出し、7月15日〜18日にインターネット調査を行ったものです。イリック+1
自分の運転による事故の心配から離れられる
MS&ADインターリスク総研の調査で、免許を保有しなくなったメリットとして最も多かったのは、「事故を起こす心配がなくなった」58.1%でした。
次いで「車の維持費などの移動にかかる費用が安くなった」41.4%、「運動量が増えて健康になった」21.5%、「家族に安心された」21.4%となっています。イリック+1
免許を返納して自動車を運転しなくなれば、自分の運転によって事故を起こす機会そのものから離れることができます。
本人だけでなく、歩行者や自転車、ほかの車に乗る人、そして日々心配している家族にとっても大きな意味があります。
ただし、「高齢になったら危険」と年齢だけで一括りにするのは適切ではありません。
見るべきなのは、生年月日より最近の運転にどのような変化が出ているかです。
たとえば、以前より駐車に時間がかかるようになった、一時停止や標識を見落とすことが増えた、夜の運転が怖くなった、車体をこすることが増えた、といった変化です。
一つだけで直ちに返納を決める必要はありません。
しかし小さな変化が複数重なっているなら、「まだ運転できるか」ではなく、以前と同じ程度に安全確認ができているかという視点で見直してみましょう。
車を手放せば維持費を減らせる
免許返納と同時に車を手放すのであれば、家計面でも負担を減らせる可能性があります。
車には燃料代だけでなく、自動車保険、税金、車検、整備、タイヤ、バッテリー、駐車場などさまざまな費用がかかります。
ソニー損害保険が2023年6月23日〜26日に、自家用車を所有し月1回以上運転する18〜59歳の男女1,000人を対象に実施した「2023年 全国カーライフ実態調査」では、1カ月当たりの車の維持費は平均13,500円でした。ソニー損保
ただし、この調査でいう維持費には保険料、ガソリン代・燃料代、駐車場代、修理代などが含まれる一方、税金、ローン返済、有料道路通行料は含まれていません。
また18〜59歳が対象なので、高齢ドライバーだけの平均額ではない点にも注意してください。ソニー損保
つまり、「車は毎月13,500円あれば維持できる」という意味ではありません。
返納を考えるなら、実際の家計から1年間に支払った自動車保険、燃料代、税金、車検、整備、駐車場代などを洗い出すのが確実です。
その金額と、返納後に必要になるバス、鉄道、タクシー、宅配などの費用を比較します。
「タクシーは1回2,000円もするから高い」と感じることもありますよね。
けれども、車の年間維持費がなくなるなら、その一部をタクシー代へ振り替えることもできます。
1回の料金ではなく、1年間の総額で比べる。
これだけでも返納後のお金に対する不安は、かなり具体的に整理できます。
自主返納者向けの支援を利用できる場合がある
警察庁によると、運転免許を自主返納した人を対象として、自治体や事業者などが地域の実情に応じた各種支援を行っています。警察庁
支援には、地域によってバスやタクシーなどの移動支援が含まれる場合があります。
警察庁の安全運転相談の案内でも、自主返納に関する相談に対して、バスやタクシーの割引などの支援策や地域包括支援センターを紹介する対応例が示されています。警察庁
ただし、全国どこでも同じ制度が使えるわけではありません。
対象年齢、利用期間、利用条件、協賛事業者などは地域によって異なりますし、内容が変更される可能性もあります。
返納前には、住所地の都道府県警察や自治体などで最新情報を確認してください。
支援制度は「特典があるから返納する」というより、車のない生活へ移るときの負担を和らげる補助輪と考えると分かりやすいでしょう。
免許返納のデメリットは?買い物・通院・外出への影響に注意
免許返納の最大のデメリットは、好きな時間に自分の車で移動できなくなることです。
特に、日常生活を自家用車に大きく依存している地域では、影響が買い物や通院だけに収まらない場合があります。
MS&ADインターリスク総研の2021年調査では、免許を保有しなくなって不便に感じたこととして「買い物の不便」が18.1%に挙げられました。
さらに返納後、回答者全体の2割以上で外出頻度が減少しています。
最寄り駅やバス停まで徒歩10分以上かかる人では、3割以上で外出頻度が減少したという結果も出ています。イリック
ここは見逃せないポイントです。
免許返納のデメリットは、「スーパーへ行きにくくなる」という不便だけではありません。
人と会う、趣味へ出かける、気分転換に外へ出るといった行動まで減る可能性があるのです。
買い物や通院の方法を変える必要がある
車で10分のスーパーも、徒歩なら30分かもしれません。
バスなら乗り換えが必要だったり、病院から帰る時間には便が少なくなっていたりすることもありますよね。
返納を考え始めたら、まず普段車で行っている場所を書き出してみましょう。
スーパー、病院、薬局、銀行、役所、美容院、友人宅、趣味の場所などです。
そのうえで、
- 車を使わなければ何で行くのか
- 片道何分かかるのか
- 雨の日でも利用できるか
- 重い荷物を持って帰れるか
- 一人でも利用できるか
まで確認します。
「車がなくなったら全部困る」と考えると、不安が大きくなりますよね。
しかし実際に調べてみたら、「買い物は宅配で問題ないけれど、月2回の通院だけ交通手段がない」と分かるかもしれません。
困る場所を特定できれば、家族の送迎やタクシーなど対策も考えやすくなります。
外出や人との交流が減る可能性がある
食料品は宅配で届けてもらえる時代です。
けれども、宅配で代替できるのは「物を運ぶこと」であって、外へ出る理由そのものではありません。
買い物の途中で知人と会う、趣味の集まりへ参加する、いつもの喫茶店へ行く。
車がこうした生活を支えていた人も少なくないでしょう。
そのため私は、返納後の計画を「病院とスーパーに行ければ大丈夫」で終わらせないほうがよいと考えています。
週に何回、何のために外へ出るのか。
そこまで残しておくと、車を降りた後も生活の楽しみを維持しやすくなります。

免許返納で後悔しない5つの判断ポイントとは?
免許返納を判断するときは、年齢だけを見るのではなく、①最近の運転、②代替交通、③買い物・通院、④年間費用、⑤本人と家族の認識の5項目を確認すると整理しやすくなります。
迷っている方は、次の5つを順番に確認してみてください。
1.最近の運転に変化が出ていないか
最初に確認したいのは、現在の運転状況です。
以前より駐車に時間がかかる、一時停止を見落とす、右左折で慌てる、夜間運転が怖い、車をこすることが増えたなど、具体的な変化を振り返ります。
家族が同乗する機会をつくり、本人とは違う視点で確認するのも一つの方法です。
「何歳だから」ではなく、「最近どう変わったか」で考えるほうが本人も受け入れやすいでしょう。
2.車の代わりになる交通手段があるか
次に、バス、鉄道、タクシー、家族の送迎、自治体の移動支援などを確認します。
重要なのは「バス停がある」だけで安心しないことです。
自宅から何分歩くのか、病院の予約時間に間に合う便があるのか、帰りの便はあるのかまで実際の生活時間に合わせて調べます。
MS&ADインターリスク総研の調査では、公共交通までの距離によって返納後の外出頻度に違いが見られました。イリック
返納を考えるとき、交通環境は運転能力と同じくらい重要な条件なのです。
3.買い物と通院を車なしで続けられるか
生活への影響を最も具体的に判断できるのが、買い物と通院です。
私は返納前に、数日から1〜2週間ほど意識的に自分で運転しない生活を試してみる方法をおすすめします。
なお、「1〜2週間」は警察などが定めた基準ではなく、生活上の問題を見つけるための筆者としての提案です。
実際に試せば、
「スーパーは宅配で十分だった」
「病院から帰る時間だけバスがない」
「タクシーなら無理なく通院できそう」
といった現実が見えてきます。
免許を返納した後に簡単に元の状態へ戻すことはできません。
しかし、車を使わない生活は返納前に試せます。
服を買う前に試着するように、「車のない暮らし」を先に試してみるのです。
4.車の年間維持費と返納後の交通費を比較したか
車を維持する費用と、返納後の交通費を年間単位で比較します。
自動車保険、燃料、税金、車検、整備、駐車場、タイヤなど、実際の支出を可能な限り書き出してください。
一方で、返納後に使うバス、鉄道、タクシー、宅配などを1年間にどの程度利用するか見積もります。
ここで見たいのは、
「車を手放せばいくら節約できるか」だけではありません。
「車に使っていたお金のうち、いくらを新しい移動手段へ回せるか」です。
返納後のタクシー代を「ぜいたく」と考える必要はありません。
車に代わる生活インフラとして予算を確保する、と考えるほうが現実的ですよ。
5.本人と家族の認識に大きな差がないか
免許返納が難しくなる理由の一つが、本人と家族の認識の違いです。
弁護士ドットコム株式会社が2024年8月28日〜9月3日に一般会員1,055人を対象に実施した調査では、60代以上290人のうち「返納していない・返納予定なし」が82.1%でした。
返納予定がない238人では、「運転能力に問題ないと思っているから」が58.0%で最多でしたが、「代替の移動手段に乏しく生活に困るから」32.8%、「運転や車が好きだから」31.9%も上位でした。弁護士ドットコム
つまり、返納しない理由を単純に「本人が自信過剰だから」と決めつけることはできません。
生活上必要だから乗っている人もいれば、運転そのものを大切な楽しみとしている人もいます。
同じ調査では、70歳以上の親・祖父母について回答した474人のうち、免許を持つ親・祖父母が全員返納した人は22.8%、誰も返納していない人は31.1%でした。
まだ免許を持っている親・祖父母がいる対象者に今後について尋ねると、44.1%が「返納させたい」と回答しています。弁護士ドットコム
本人は「まだ大丈夫」。
家族は「事故が心配」。
この温度差がある状態で、家族がいきなり「もう運転しないで」と結論だけを突きつけると、話し合いが難しくなることがあります。
「この前の駐車で少し慌てていたね」
「夜だけ運転をやめてみない?」
「病院まで別の方法で行けるか一緒に調べよう」
このように、具体的な出来事から話すほうが建設的でしょう。
免許を取り上げる話ではなく、これからの移動を一緒につくる話に変える。
私はこの考え方が、家族間の話し合いではとても大切だと思います。
免許返納の手続きと運転経歴証明書はどうなる?
自主返納を決めた場合は、都道府県警察が指定する運転免許センターなどで手続きを行います。
警察庁によれば、申請場所、受付時間、必要書類、申請要件などの詳細は都道府県によって異なるため、住所地を管轄する都道府県警察の案内を確認する必要があります。警察庁
ここで覚えておきたいのは、自主返納は単に免許証を預ける手続きではないということです。
申請によって運転免許の取消しを受ける制度なので、「やっぱり車が必要になった」と思っても、返納した免許がそのまま復活するわけではありません。
だからこそ、先ほど紹介した「車なし生活のお試し」が役立ちます。
運転経歴証明書は本人確認書類として使える
警察庁によると、自主返納した人や運転免許証を更新せず失効した人は、一定の要件を満たせば運転経歴証明書の交付を申請できます。
ただし、自主返納後5年以上、または失効後5年以上が経過している場合や、交通違反などによる免許取消しの場合など、交付を受けられないケースがあります。警察庁
また、2012年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用できます。警察庁
「免許を返したら身分証がなくなるのでは」と心配している方は、この制度も一緒に確認しておきましょう。
マイナ経歴証明書という選択肢もある
現在は、マイナンバーカードに運転経歴情報を記録する「マイナ経歴証明書」という仕組みもあります。
警察庁によると、マイナンバーカードと運転免許証・運転経歴証明書の一体化は2025年3月24日から全国で運用が始まりました。マイナ免許証読み取りアプリ+1
自主返納後は、条件を満たせば従来の運転経歴証明書を持つ方法のほか、マイナンバーカードに運転経歴情報を記録する方法などを選べます。警察庁
制度や手続き方法は変更される可能性があります。
実際に返納するときは、住所地を管轄する都道府県警察の最新案内を確認してくださいね。
免許返納を迷ったら誰に相談する?安全運転相談ダイヤル「#8080」もある
「本人はまだ大丈夫と言っているけれど、家族は心配している」
「返納するべきなのか、運転を続けてもよいのか分からない」
そんなとき、家族だけで答えを出そうとしなくても大丈夫です。
警察庁は、運転に不安を持つ高齢ドライバーや家族が相談できる「安全運転相談窓口」を都道府県警察に設けています。
全国統一の専用相談ダイヤルは「#8080(シャープハレバレ)」で、発信場所を管轄する都道府県警察の安全運転相談窓口につながります。原則として平日の執務時間内に受け付けており、通話料は利用者負担です。警察庁
相談窓口では、加齢に伴う身体機能の低下を踏まえた安全運転に関する助言だけでなく、自主返納制度や返納後の支援策についても案内しています。警察庁+1
返納するかどうかを即決する場所というより、今の運転と今後の生活を第三者と整理する場所として利用するとよいでしょう。
免許返納した人の75.3%が肯定的、それでも全員に正解とは限らない
「返納したら後悔するのではないか」
ここが一番気になる方も多いですよね。
MS&ADインターリスク総研の2021年調査では、運転免許を保有しなくなったことについて「大変良かった」と答えた人が23.2%、「良かった」が52.1%でした。
合計すると75.3%です。イリック
この数字だけを見ると、「返納したほうがよいのでは」と感じるかもしれません。
しかし注意したいのは、この調査には自主返納した人だけでなく、意図的に更新せず運転をやめた人も含まれていることです。さらに、返納者には元々あまり運転していなかった人も含まれます。イリック+1
つまり、75.3%という数字をそのまま「すべての高齢ドライバーの4人に3人は返納したほうが幸せになる」と読み替えることはできません。
大切なのは、自分の生活条件へ置き換えて考えることです。
公共交通が充実した地域に住んでいる人と、病院まで車で30分かかる地域に住んでいる人では、返納後の生活はまったく違います。
ここに、免許返納を考えるうえで重要な視点があります。
返納の満足度を左右するのは、運転能力だけではなく「移動環境」でもある。
私はこの点を、返納を判断するときにもっと重視してよいと考えています。
考察|免許返納は「運転能力」と「車なし生活」を分けて考えよう
ここからは、モーターライフ・アドバイザーとしての私見です。
免許返納の話になると、「まだ運転できるのか」「もう危険なのか」という一つの物差しで考えがちです。
しかし私は、運転を安全に続けられるかという問題と、車なしで生活を続けられるかという問題は、分けて確認すべきだと考えています。
運転への不安が大きくなっているなら、安全面の見直しが必要です。
一方で、返納した途端に通院も食料品の購入もできなくなるのであれば、代替交通を整える作業も必要になります。
この二つを一緒にしてしまうと、
「運転に不安があるけれど、生活できないから乗り続ける」
「安全を優先して返納したけれど、家から出られなくなった」
という状態になりかねません。
そこで、直ちに返納する状況ではないものの運転に少し不安を感じ始めた段階なら、車への依存を徐々に減らしていく考え方もあります。
たとえば、夜間や雨天時の運転を控える、遠距離運転を減らす、交通量の多い時間帯を避けるといった方法です。
警察庁の安全運転相談でも、高齢者向けの助言例として、夜間・雨天時や交通量の多い道路、朝夕のラッシュ時間帯などを避ける「補償運転」が示されています。警察庁
もちろん、安全上すでに大きな問題が出ている人に対して、運転継続を勧めるものではありません。
運転に不安を感じた段階で、本人と家族だけで抱え込まず、#8080などの相談窓口も利用してください。
安全装備を備えた車を選ぶという方法もありますが、衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い抑制機能も万能ではありません。
機械はあくまで運転を支援する存在です。
「安全装備があるから何歳でも運転できる」と考えるのではなく、本人の運転状況、生活環境、家族の意見を総合して判断することが必要でしょう。
そしてもう一つ、忘れたくないことがあります。
長年運転してきた方にとって、車は単なる移動手段とは限りません。
自分の好きな時間に好きな場所へ行けるという自由や、自立して暮らしている感覚を支えていることもあります。
だからこそ、家族が安全だけを理由に返納を急かしても、本人の気持ちが追いつかない場合があります。
反対に、生活が不便になるからといって、運転上の不安を見ないことにもできません。
安全を守りながら、返納後も自分らしく暮らせる仕組みを先につくる。
免許返納を「運転をやめる日」ではなく、「移動手段を入れ替える期間」と考える。
それが、本人にも家族にも後悔の少ない進め方ではないかと私は考えています。
まとめ|免許返納はメリット・デメリットと5つの判断ポイントで考えよう
免許返納の主なメリットは、自分の運転による事故への心配から離れられること、車を手放せば維持費を減らせること、地域によって返納者向け支援を利用できることです。
一方のデメリットは、自家用車による自由な移動ができなくなり、買い物や通院、外出、人との交流に影響が出る可能性があることです。
MS&ADインターリスク総研の2021年調査では、免許を保有しなくなった60歳以上の回答者1,000人のうち、「大変良かった」23.2%、「良かった」52.1%で、合計75.3%が肯定的に評価していました。イリック+1
ただし、その数字だけで自分の答えを決めることはできません。
返納を迷ったら、
- 最近の運転に変化が出ていないか
- 車の代わりになる交通手段があるか
- 買い物や通院を続けられるか
- 車の年間維持費と返納後の交通費を比較したか
- 本人と家族の認識に大きな差がないか
この5つを一度確認してみてください。
そして可能であれば、返納前に数日から1〜2週間ほど車を使わない生活を試してみる。
そこで困った場所を一つずつ見つけ、バス、鉄道、タクシー、家族の送迎、宅配などへ置き換えていきます。
免許返納は、「年齢を認めること」でも「車を取り上げること」でもありません。
これまで車が担っていた移動を、これからの暮らしに合う方法へ組み替えることだと考えてみてくださいね。
よくある質問
免許返納の一番大きなメリットは何ですか?
自分が運転することによる交通事故への心配から離れられることです。
MS&ADインターリスク総研の2021年調査では、免許を保有しなくなったメリットとして「事故を起こす心配がなくなった」が58.1%で最も多くなっています。イリック
免許返納の一番大きなデメリットは何ですか?
自家用車による自由な移動ができなくなることです。
特に公共交通が使いにくい地域では、買い物や通院だけでなく外出頻度そのものが減る可能性があります。返納前に、普段利用する場所への代替交通を実際に確認しておきましょう。
免許を返納したら身分証明書はどうすればいいですか?
一定の要件を満たせば、運転経歴証明書を申請できます。
警察庁によると、2012年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、公的な本人確認書類として利用できます。現在は、マイナンバーカードに運転経歴情報を記録するマイナ経歴証明書という選択肢もあります。警察庁+1
杉原健一(すぎはらけんいち)
モーターライフ・アドバイザー


コメント