ソリオは、後席両側スライドドア、ステップ高365mm、乗降グリップを備え、シニアの後席乗降を考えるうえで有力な一台です。ただし、膝や腰の状態によって楽さは変わるため、最後は本人による実車確認が欠かせません。
2026年9月時点で販売されているソリオは、2025年1月16日に一部仕様変更されたモデルが基本です。今回はスズキ公式サイト、スズキの2025年1月16日発表資料、スズキ販売会社が公開している寸法情報を基に、後席の乗り降りしやすさを具体的に見ていきます。スズキ+1
ソリオは高齢者も乗り降りしやすい?まず主要寸法を確認
結論からいうと、ソリオは「後席への最初の一歩を高くしすぎず、広い開口部とグリップで身体を支えやすくした車」と考えると分かりやすいでしょう。
後席乗降に関係する主な数値を整理すると、次のようになります。
確認項目 ソリオの数値・装備 シニア目線で見る意味
後席ステップ高 365mm 最初の一歩を高く上げすぎずに済みやすい
スライドドア開口幅 640mm 身体を車内へ入れる余裕を確保しやすい
スライドドア開口高 1,220mm 頭や上半身を通しやすい
スライドドア振り出し量 160mm 狭い駐車場所でもドアを開けやすい
後席ドア 両側スライド式 左右どちらからでも乗降できる
乗降グリップ 採用 身体を手で支えながら乗降できる
ステップ高365mmについては、2026年7月2日公開のスズキ自販広島の記事や、2026年4月公開のスズキ自販京葉の記事でも案内されています。スライドドア開口幅640mm、開口高1,220mmについても、スズキ販売会社の車両紹介で確認できます。スズキ+2スズキ+2
また、従来のソリオ公式カタログではスライドドア振り出し量160mmという寸法も示されています。現行のスズキ公式Webサイトでも、後席両側スライドドアを「狭い場所でも大きく開く」装備として紹介しています。輸入車のカタログ集めました。+1
ここで大切なのは、365mmというひとつの数字だけで「高齢者向き」と決めないことです。
乗り降りは、足を上げる、手で身体を支える、腰を座面へ移す、身体を正面へ向けるという連続した動作です。
私はディーラーの店頭で多くのお客様の車選びに接してきましたが、乗降性については「高さの数字」よりも、こうした一連の動きが自然につながるかを見ることが重要だと考えています。
なお、この記事では今回のソリオについて筆者自身が身体寸法を測りながら実車乗降テストをしたわけではありません。そのため、実際の乗り心地を作った体験談として語るのではなく、公式・販売会社の公表寸法と装備内容から評価し、最終判断は実車確認をすすめるという立場で解説します。
ソリオの後席ステップ365mmと乗降グリップは何がいい?
ソリオの乗降性でまず注目したいのが、ステップ高365mmと乗降グリップの組み合わせです。
スズキ自販広島は2026年7月のソリオ紹介で、ステップ高365mmと乗降グリップを後席の使いやすさとして紹介しています。つまりソリオは、足を置く高さだけでなく、身体を支える手元も含めて乗降を考えた設計になっています。スズキ
これはシニアの車選びでは見逃したくないところです。
たとえば階段を上るとき、一段の高さだけではなく、手すりがあるかどうかで安心感が変わりますよね。車の後席も似ていて、足を車内へ運ぶ瞬間にグリップを自然につかめると、重心を移しやすくなります。
とくに確認してほしいのは降りるときです。
乗るときには車内へ身体を進めていきますが、降りるときは座った状態から身体を横へ向け、片足を外へ出し、最後に地面へ体重を移します。
このとき、
- グリップへ無理なく手が届くか
- 足を地面へ下ろすときに膝が突っ張らないか
- 座面から立ち上がるときに勢いをつけなくて済むか
- 頭や肩を不自然にかがめなくて済むか
を見てください。
同じ365mmでも、身長や脚の長さ、膝関節の動かしやすさによって感じ方は違います。
ですから、「365mmだから乗りやすい」ではなく、「365mmのステップとグリップが、自分の身体に合うか」まで確認するのが正しい見方です。
また、ソリオでは後席の座面そのものの高さについて、今回確認した現行公式Webページ上で乗降用の代表数値として明示されていません。
ステップは低くても、ステップから座面へ腰を移す動作まで楽とは限りません。この点も、数字だけで判断せず実車で確かめるべき理由です。
ソリオのスライドドアは狭い駐車場でも乗り降りしやすい?
ソリオは後席両側スライドドアを採用しています。
スズキ公式サイトも、狭い場所でも大きく開くため乗り降りしやすいことを特徴として説明しています。スズキ
一般的な横開きドアは、開けるほど車体の外側へ張り出します。
スーパーや病院の駐車場で隣の車との間隔が狭いと、ドアを途中までしか開けられず、その狭い隙間へ身体を滑り込ませなければならないことがありますよね。
ソリオならドアが車体に沿って後方へ動くため、この横方向の制約を受けにくくなります。
スズキ販売会社が公開している情報では、スライドドアの開口幅は640mm、開口高は1,220mmです。従来の公式カタログでは振り出し量160mmという寸法も示されています。スズキ+1
この640mmの開口幅は、後席乗降を考えるうえで意味のある数字です。
参考までに、価格.comマガジンによるルーミーとの比較では、ルーミーの後席スライドドア開口幅597mm、ソリオ640mm、乗り込み部分の高さはルーミー366mm、ソリオ365mmとして比較されています。つまり両車の足元高さはほぼ同じ一方、同記事の測定・公表値ベースではソリオのほうが開口幅を広く取っています。kakaku.com
もちろん、この数字だけでルーミーより全員が乗りやすいとは言えません。
グリップの握りやすさ、座面への腰の移し方、本人の体格によって評価は逆転することもあります。
ただ、「ステップを低くするだけでなく、身体を通す入口にも余裕を持たせている」というのは、ソリオの後席乗降性を評価するときのポイントでしょう。

そして両側がスライドドアであることも、送迎では便利です。
自宅では左側、病院では右側というように、駐車位置や周囲の安全を見ながら乗降する側を選べます。
高齢の家族を乗せる場合、私は「ドアの大きさ」だけでなく、普段使う場所で安全な側から乗せ降ろしできるかまで考えるのが大切だと思います。
ソリオのパワースライドドアはシニアに便利?グレード差に注意
ドアを手で大きく動かす負担まで減らしたいなら、ソリオのワンアクションパワースライドドアにも注目です。
スズキ公式サイトによれば、スイッチ操作で自動解錠と自動オープンができ、携帯リモコンをバッグやポケットへ入れたままでも操作できます。また、開閉途中にドアハンドルなどを操作して任意の位置で一時停止させる機能も用意されています。スズキ
ただし、ここにはグレード差があります。
2026年9月時点のスズキ公式情報では、HYBRID MZとソリオ バンディット HYBRID MVは後席両側、HYBRID MXとHYBRID MGは後席左側にワンアクションパワースライドドアを標準装備しています。
HYBRID MGには、後席左側ワンアクションパワースライドドアを装着しない受注生産仕様も設定されています。スズキ+1
つまり、「ソリオなら左右とも電動スライドドア」と思い込んで選ぶと、希望と違う可能性があるんですね。
高齢の家族を後席へ乗せることが多いなら、
左右どちらから乗る機会が多いか
を購入前に想像してみてください。
自宅駐車場の構造上いつも左側しか使わないなら、左側電動でも十分かもしれません。
反対に、病院への送迎、家族旅行、スーパーなどさまざまな場所で左右を使い分けるなら、両側電動の便利さを感じる場面は増えるでしょう。
ただし、電動スライドドアはあくまでドアを開ける動作を楽にする装備です。
電動で入口が開いても、足を高く上げる必要があったり、座面へ腰を移しにくかったりすれば、その人にとって乗り降りしやすい車とは限りません。
乗降性は「ドア」「ステップ」「グリップ」「座面」をセットで判断してくださいね。
なお、装備やグレード構成は今後変更される可能性があります。購入時には最新のスズキ公式サイトや販売店で確認するのが安心です。
ソリオの後席は乗ったあとも使いやすい?シートスライドも重要
ソリオの後席には、リヤシートスライド&リクライニング機構があります。
スズキ公式サイトでは、後席の位置を前後へ動かすことで足元に余裕を持たせたり、前席との距離を近づけたり、荷物量に合わせて荷室を広げたりできると説明しています。スズキ
シニア目線では、この機能を「荷室を広げるためだけの装備」と考えないほうがいいでしょう。
後席へ座ったあと、足元に余裕があれば、身体をドア側から正面へ向ける動作もしやすくなります。
反対に、荷室を優先して後席を前へ出しすぎると、膝まわりが窮屈になる人もいるでしょう。
スズキ公式サイトでは、5名乗車時の荷室長について、後席を一番後ろにすると550mm、一番前にすると715mmと案内しています。差は165mmです。スズキ
この165mmを、私は「荷室を165mm広げられる機能」とだけ考えないほうがいいと思っています。
高齢の親を乗せる日は後席を後ろへ。
大きな荷物を積む日は前へ。
そんなふうに、人と荷物のどちらを優先するか調整できる165mmと考えると、ソリオらしい便利さが見えてきます。
また、ソリオにはフロントシートセンターウォークスルーがあり、スライドドア側から乗車して車内を移動する使い方もできます。
ただし、足腰に不安がある人の場合、車内を歩いて移動するほうがかえって負担になることがあります。
「できる機能」と「自分が楽に使える機能」は別です。この点も実車で確かめてください。
シニアがソリオを試乗するときは何を見る?5分でできる乗降チェック
ソリオの乗り降りしやすさを確認するなら、私は走り始める前の5分を大切にしてほしいと思います。
試乗というと、ハンドルを握って道路へ出ることばかり考えがちですよね。
しかし「高齢の親が楽に乗れるか」「自分が70代になっても扱いやすそうか」が目的なら、停車したまま分かることもたくさんあります。
まず後席へ普通に座ってみます。
次に降ります。
これを左右それぞれ2〜3回繰り返してください。
一度目は新車への緊張や興味がありますから、少し無理をしていても気づきにくいことがあります。繰り返すと、「左足を入れるときだけ引っ掛かる」「降りるときにグリップがもう少し手前なら楽」といった小さな違和感が見えやすくなります。
さらに、家族を乗せる予定なら本人に試してもらうことが重要です。
「乗りやすい?」だけでは、遠慮して「大丈夫」と答えてしまうかもしれません。
「足を上げるときと降ろすとき、どちらが大変?」
「グリップはつかみやすい?」
「立ち上がるとき膝はつらくない?」
と、動作ごとに聞いたほうが分かりやすいでしょう。
そして、ここでもう一歩踏み込んでみてください。
車を試乗するのではなく、普段の生活を試乗するんです。
スーパーなら片手に買い物袋を持っているかもしれません。
雨の日なら傘があります。
通院なら薬や書類を持っている場合もあります。
手ぶらで楽に乗れたとしても、片手がふさがるだけで乗降グリップの使いやすさやパワースライドドアの価値は変わってきます。
長年お客様と車選びの話をしてきた経験からも、カタログに載っている「便利」は、実際の暮らしへ置き換えて初めて自分に必要かどうかが見えてきます。
この視点は、ソリオに限らずシニア世代の車選びで役立ちますよ。
ソリオはシニアに向いている?公式寸法から考えた私の評価
ここからは、確認できた公式情報や公表寸法を踏まえた私見です。
私はソリオを、「単に床が低い車ではなく、駐車してから後席へ座るまでの流れを整えやすい車」と評価しています。
理由はシンプルです。
ステップ高365mm。
開口幅640mm。
開口高1,220mm。
後席両側スライドドア。
乗降グリップ。
さらにグレードによってパワースライドドアが加わります。スズキ+2スズキ+2
それぞれ単独では、とても派手な装備ではありません。
しかし、車は毎回乗って、毎回降りる道具です。
年間に何百回と繰り返す動作だからこそ、私はシニア世代の車選びでは最高出力や大画面モニターと同じくらい、こうした「日常の一動作」を大切にしていいと思っています。
一方で、ソリオを「高齢者なら誰にでもおすすめ」と断定することには賛成できません。
足を高く上げにくい人には低いステップが助けになりますが、膝を深く曲げにくい人は座面の高さとの相性が重要です。
腰をひねりにくい人なら、ステップ高以上にドア開口やシート位置が気になるでしょう。
また、立ち上がる動作が苦手な人の場合、低い位置へ腰を落としすぎないことも重要です。
だからこそ、シニア向けの乗降性には「低ければ低いほどいい」という単純な正解はありません。
本人にとって無理なく足を置けて、腰を移せて、最後に立ち上がれる高さが正解です。
もうひとつ、50代、60代で車を買うなら、私は今だけでなく5年後を少し想像することも大切だと考えています。
購入時には何ともなくても、数年後には「以前より足を上げにくい」「狭いドアから身体をひねって乗るのが面倒」と感じることがあるかもしれません。
その意味では、ソリオのように低めの後席ステップ、スライドドア、グリップを最初から備えた車を候補へ入れておくことには意味があります。
スズキ自身も、ソリオについて取り回しのよいコンパクトなボディーの中に広い室内と荷室を確保するパッケージングを特徴として説明しています。スズキ
「大きなミニバンまではいらない。でも普通のコンパクトカーより、親や自分が乗り降りしやすい車がいい」
そんな人にとって、ソリオは実車確認へ進む価値が高い一台でしょう。
まとめ:ソリオの乗り降りしやすさは365mmのステップだけで決まらない
ソリオは、ステップ高365mm、スライドドア開口幅640mm、開口高1,220mm、後席両側スライドドア、乗降グリップという要素を組み合わせ、後席乗降に配慮したコンパクトカーです。スズキ+2スズキ+2
さらにリヤシートを前後へ動かせるため、高齢の家族を乗せる日は足元を優先し、荷物が多い日は荷室を優先するといった使い分けもできます。5名乗車時の荷室長は、後席位置によって550mmから715mmまで変化します。スズキ
ただし、最も重要なのは数字ではありません。
購入前には後席左右から2〜3回ずつ乗り降りし、足を上げる高さ、グリップの位置、腰の移動、降車時の立ち上がりを本人の身体で確かめてください。
365mmは候補を選ぶための有益なデータです。
けれど、その家族にとって最後の決め手になるのは、「これなら毎日無理なく乗れそうだね」という実車での感覚です。
車を長く楽しむためにも、装備の豪華さだけではなく、乗る、座る、降りるという何気ない動作に目を向けてソリオを選んでみてくださいね。
よくある質問
ソリオの後席ステップ高は何mmですか?
スズキ販売会社の2026年公開情報では、365mmと案内されています。乗降グリップも備えていますが、乗りやすさは身長や膝・腰の状態によって変わるため、実車での確認がおすすめです。スズキ+1
ソリオの後席スライドドアはどのくらい開きますか?
スズキ販売会社の公開情報では、後席スライドドアの開口幅640mm、開口高1,220mmと案内されています。後席は左右ともスライド式なので、狭い駐車場所でもドアを開けやすいことが特徴です。スズキ+1
ソリオは高齢の親を乗せる車として向いていますか?
後席両側スライドドア、365mmのステップ、乗降グリップ、リヤシートスライドなど、送迎に役立つ要素はそろっています。
ただし、膝や腰の状態によって適した座面高や乗り方は異なります。できれば実際に乗る本人と販売店へ行き、乗車だけでなく降車まで何度か試して判断してください。
杉原健一
モーターライフ・アドバイザー


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