2021年型フリードとソリオは自動車税が基本的に同額で、年間8,000km走る場合の燃料代はソリオが約1万612円安くなる計算です。
10年間の燃料代差は約10万6,122円。さらに2021年当時の新車価格を加えると、ソリオが約24万3,622円有利になります。
ただし、これは車検や保険、修理費を含めた総所有費用ではありません。今回は2021年8月4日に公開されたMOTAの比較記事を基に、税金の計算条件を検証し、2026年に中古車として購入する場合の判断基準まで詳しく解説します。
2021年型フリードとソリオは何が違う?MOTAの比較内容を確認
2021年当時のフリードとソリオは、どちらもスライドドアを備えた使いやすい車ですが、乗車定員と車体サイズが大きく異なります。
ソリオは5人乗りのコンパクトなトールワゴン、フリードは6人乗りのコンパクトミニバンです。
維持費を比較する前に、まず同じ条件で比較できる部分と、車の役割が異なる部分を整理しておきましょう。
MOTAが2021年8月4日に比較した2台
自動車情報サイトMOTAは2021年8月4日、自動車ジャーナリストのまるも亜希子さんによるスズキ・ソリオとホンダ・フリードの比較記事を公開しました。
比較されたのは、ソリオの上級グレード「HYBRID MZ」と、フリードのガソリン車「G ホンダセンシング」です。
比較項目 ソリオ フリード
比較グレード HYBRID MZ G ホンダセンシング
当時の車両価格 2,022,900円 2,160,400円
エンジン排気量 約1.2L 約1.5L
駆動方式 2WD 2WD
乗車定員 5人 6人
シート構成 2列 3列
WLTC燃費 19.6km/L 17.0km/L
自動車税の基本年額 30,500円 30,500円
車両価格と燃費は、2021年当時の比較条件を基準としています。
自動車税については、元記事の金額をそのまま転載するのではなく、2021年に初回新規登録された自家用乗用車の税率区分で再確認しています。
なお、この記事でいう「2021年型」は、2021年当時に販売されていた仕様を意味します。
2021年に登録された個体だけを指すものではありませんが、税額の計算では初度登録年月を2021年と仮定します。
また、2026年に販売されている現行モデルとは仕様が異なるため、混同しないようにしてくださいね。
2021年当時の新車価格はソリオが137,500円安い
当時の車両本体価格は、ソリオが2,022,900円、フリードが2,160,400円でした。
差額を計算すると、
2,160,400円 − 2,022,900円 = 137,500円
となります。
つまり、2021年当時の新車価格ではソリオが137,500円安かったことになります。
ただし、この価格差を単純にソリオのお得額と考えるのは少し早いでしょう。
フリードには3列目シートがあり、6人で移動できるという明確な違いがあるからです。
私は、この137,500円を「6人目の座席と3列シートを備えるための追加負担」として考えると、車選びが分かりやすくなると思います。
もちろん、価格差には車体構造や装備などの違いも含まれますから、座席だけの価格という意味ではありません。
それでも、6人乗る必要があるかどうかは、両車を比較するうえで重要な判断材料になります。
全長475mmの差は運転のしやすさに影響する?
2021年当時の代表的な2WD仕様を比較すると、車体サイズにも違いがあります。
項目 ソリオ フリード
全長 3,790mm 4,265mm
全幅 1,645mm 1,695mm
全高 1,745mm 1,710mm
最小回転半径 4.8m 5.2m
乗車定員 5人 6人
フリードはソリオより全長が475mm長く、全幅も50mm広くなっています。
約48cmの全長差は、数字だけでは小さく感じるかもしれません。
しかし、自宅の駐車場やスーパーの駐車場では、車の後ろに残るスペースが変わります。
例えば、駐車場の奥行きが5mの場合、単純に車体の長さを差し引くと、ソリオは約121cm、フリードは約73.5cmの余裕が残ります。
もちろん、実際には車止めの位置や車体の張り出し、駐車方法によって使える空間は異なります。
それでも、車体が短いソリオの方が、狭い駐車場で余裕を確保しやすいことは分かりますね。
最小回転半径もソリオが4.8m、フリードが5.2mです。
数値上はソリオの方が小回りに優れています。
ただし、運転のしやすさは最小回転半径だけでは決まりません。
運転席からの見通しや車体の角の把握しやすさも関係するため、できれば実車で確認したいところです。
後席スライドと荷室の使い勝手にも違いがある
2021年のMOTA記事では、後席の使い勝手も比較されていました。
フリードの2列目シートは左右それぞれ約36cmスライドでき、乗車人数や足元空間に合わせて調整できることが紹介されています。
一方、ソリオの後席は左右それぞれ16.5cmスライドでき、最大56度のリクライニング機構を備えていました。
ソリオは2列シートのため、後席を使った状態でも荷室を確保しやすい構成です。
後席を左右5対5で分割して倒せるほか、荷室側から後席のスライド操作ができる点も特徴として紹介されていました。
フリードは3列目を左右に跳ね上げることで、荷室を広く使えます。
ただし、6人全員が乗車すると、荷物を置ける空間は限られます。
ここで私が注目したいのは、乗車定員と荷室の広さは同時に最大化できないという点です。
6人で旅行するなら、6人分の荷物も必要になります。
購入前には、普段使っているスーツケースや買い物かごを実際に積めるか確認すると安心です。
50代以降の車選びでは、荷室の広さだけでなく、荷物を持ち上げる高さやシート操作の負担も見逃せません。
フリードとソリオの税金はいくら?自動車税と重量税を検証
2021年に初回新規登録された比較対象車では、自動車税の基本年額は両車とも30,500円です。
一方、自動車重量税は車両重量、経過年数、エコカー減税の適用条件によって変わります。
この2つの税金は仕組みが異なるため、分けて確認しましょう。
自動車税は両車とも年間30,500円
自動車税の種別割は、基本的にエンジンの総排気量によって税額が決まります。
2019年10月1日以降に初回新規登録された自家用乗用車では、主な税額は次のとおりです。
総排気量 年間自動車税
1.0L超〜1.5L以下 30,500円
1.5L超〜2.0L以下 36,000円
ソリオ HYBRID MZのエンジン排気量は約1.2Lです。
フリード G ホンダセンシングのガソリンエンジンは1,496ccです。
ここで注意したいのが、フリードの排気量です。
一般的には「1.5Lエンジン」と呼ばれますが、実際の排気量は1,496ccなので、1.5L以下の区分に入ります。
したがって、両車とも基本税額は30,500円となります。
MOTA記事のフリード36,000円という記載はなぜ違う?
2021年のMOTA比較記事では、ソリオの自動車税が30,500円、フリードが36,000円として紹介されていました。
しかし、比較対象のフリードは1,496ccです。
2019年10月以降の新規登録車に適用される税率では、1.5L超〜2.0L以下の36,000円には該当しません。
そのため、元記事の36,000円という記載は、比較対象車の排気量区分と整合しないと考えられます。
税率区分の取り違えなどが考えられますが、当時の計算過程までは確認できないため、原因は断定できません。
重要なのは、フリードの自動車税が年間5,500円高いという前提で、長期費用を計算しないことです。
仮に年間5,500円の差があると誤認すると、10年間で55,000円もの差が生じます。
この誤差は、今回の燃料代差約10万6,000円の半分以上に相当します。
車体が大きいから税金も高いとは限らないのですね。
5年間・10年間の自動車税はいくら?
税率変更や重課がない条件で計算すると、次のようになります。
保有期間 ソリオ フリード
1年間 30,500円 30,500円
5年間 152,500円 152,500円
10年間 305,000円 305,000円
この表は、2021年登録車の基本税額を単純に積み上げた参考計算です。
実際の納税額は、初度登録年月、課税年度、保有期間、重課の適用などによって変わります。
特に2026年に2021年式の中古車を購入し、2036年まで保有する場合には注意が必要です。
一般的なガソリン車の自動車税には、一定の年数を経過すると重課される制度があります。
ただし、自動車税の重課判定と重量税の経年重課は、判定方法や適用時期が異なります。
自動車税は初度登録からの経過年数と課税年度の関係、重量税は車検時の経過年数などを確認する必要があります。
また、燃料の種類や車両の区分によって適用条件が異なる場合もあります。
そのため、2026年から2036年までの税額を、毎年30,500円のまま確定することはできません。
中古車を長期間所有するなら、初度登録年月を基準に将来の税負担を確認してください。
自動車重量税は車両重量でどう変わる?
自動車重量税は、一般的な自家用乗用車の場合、車両重量を500kg単位で区分して計算します。
新車登録時や車検時に納付する税金で、自動車税とは別のものです。
国土交通省の自動車重量税制度では、一般的な自家用乗用車について、エコカー減税などを適用しない継続検査時の本則的な税額区分とは別に、経過年数に応じた税額が設けられています。
例えば、エコカー減税等を適用しない13年未満の一般的な自家用乗用車について、通常の2年車検時の重量税は次のようになります。
車両重量区分 2年分の重量税
0.5t以下 8,200円
0.5t超〜1.0t以下 16,400円
1.0t超〜1.5t以下 24,600円
1.5t超〜2.0t以下 32,800円
これは一般的な税額区分を説明する表であり、2021年当時の新車購入時の税額や、両車の減税適用後の税額を示すものではありません。
2021年当時のソリオ HYBRID MZは、代表的な2WD仕様で車両重量が約1,000kgの区分に入る車です。
フリード G ホンダセンシングの6人乗り2WD仕様は、代表的な仕様で約1,350kgとなり、1.0t超〜1.5t以下の区分に入ります。
ただし、ソリオは仕様や装備によって車両重量が異なる可能性があり、1,000kgという境界付近ではわずかな違いが税額区分に影響します。
例えば、車両重量が1,000kgなら1.0t以下の区分ですが、1,010kgなら1.0t超〜1.5t以下の区分です。
わずか10kgでも区分が変わるため、購入する車両の車検証で正式な重量を確認することが重要です。
元記事の重量税24,600円と16,800円は比較できる?
2021年のMOTA記事では、ソリオ24,600円、フリード16,800円という重量税額が紹介されていました。
この2つの金額については、同じ条件で比較されているか慎重に確認する必要があります。
まず、24,600円は、一般的な13年未満の自家用乗用車で、車両重量が1.0t超〜1.5t以下の場合の2年分の標準的な税額と一致します。
一方、16,800円という金額は、同じ表の一般的な2年分の税額には一致しません。
このことから、元記事の2つの数字には、課税期間やエコカー減税など、異なる計算条件が含まれている可能性があります。
ただし、16,800円の算出根拠を確認できていないため、具体的にどの制度が適用された結果なのかは断定できません。
また、2021年当時の新車登録時には、燃費性能などに応じたエコカー減税の適用条件がありました。
そのため、一般的な標準税額と、新車購入時の減税適用後の税額を同じ表で比較することは適切ではありません。
今回確認できる範囲では、両車の正式な車両型式、適用された減税区分、課税期間を同一条件で確定できていません。
したがって、元記事の7,800円という差を、両車の確定した重量税差として扱うことはできません。
2026年に中古車を購入する場合は、次回の継続車検時に適用される税額を確認する方が実用的です。
確認する際は、車検証に記載された車両重量、初度登録年月、車両型式を基に、国土交通省の自動車重量税額の案内や販売店の見積もりを照合してください。
特に重量税の境界付近にある車では、グレード名だけで判断しないことが大切です。
フリードとソリオの燃料代は5年・10年でいくら違う?
2021年当時の比較対象車のWLTC燃費を使うと、年間8,000km、ガソリン170円/Lでは、ソリオの燃料代が年間約10,612円安くなります。
10年間では約106,122円の差です。
ここでは、計算条件を固定して燃料代の違いを確認しましょう。
MOTAが比較した500km走行時の燃料代
2021年のMOTA記事では、500km走行した場合の燃料代が比較されていました。
燃費は、ソリオ HYBRID MZが19.6km/L、フリード G ホンダセンシングが17.0km/Lです。
当時の比較に使われたガソリン価格は152.1円/Lでした。
燃料代は次の式で計算できます。
燃料代 = 走行距離 ÷ 燃費 × ガソリン単価
ソリオの場合は、
500km ÷ 19.6km/L × 152.1円/L = 約3,880円
フリードの場合は、
500km ÷ 17.0km/L × 152.1円/L = 約4,474円
となります。
差額は約594円です。
元記事では約593円の差として紹介されていましたが、端数処理によって1円程度の違いが生じます。
500kmで約600円と聞くと、大きな差には感じないかもしれません。
しかし、年間走行距離が増えれば、この差も積み重なっていきます。
年間8,000km・170円/Lで燃料代を計算
ここからは、ガソリン価格を170円/Lと仮定します。
この価格は比較用に設定したもので、2026年10月25日の実売価格を示すものではありません。
年間走行距離は8,000km、燃費は2021年当時のWLTCモード値を使用します。
項目 ソリオ フリード
WLTC燃費 19.6km/L 17.0km/L
年間走行距離 8,000km 8,000km
年間燃料使用量 約408.2L 約470.6L
年間燃料代 約69,388円 80,000円
ソリオの年間燃料代は約69,388円です。
フリードは80,000円となります。
差額は約10,612円です。
月平均では約884円の違いになります。
毎月の家計で考えると、それほど大きな差ではないかもしれません。
ただし、5年間、10年間と保有する場合には、無視できない金額になります。
5年間・10年間の燃料代を比較
年間8,000km、ガソリン170円/L、カタログ燃費を維持するという条件で計算すると、次のようになります。
保有期間 ソリオ フリード 差額
1年間 69,388円 80,000円 10,612円
5年間 346,939円 400,000円 53,061円
10年間 693,878円 800,000円 106,122円
計算は途中で丸めず、最終結果を1円単位で四捨五入しています。
5年間では約5万3,000円、10年間では約10万6,000円の差です。
ここで注意したいのは、これは燃料代だけの比較という点です。
車検費用、保険料、修理費、タイヤ交換費用などは含まれていません。
また、WLTC燃費は実際の走行で必ず達成できる数字ではありません。
それでも、同じ条件で比較することで、燃費性能の違いが家計に与える影響を把握できます。

年間走行距離によって差額はどう変わる?
燃費の差が家計に与える影響は、年間走行距離によって大きく変わります。
ガソリン170円/Lという条件で計算してみましょう。
年間走行距離 年間燃料代差 10年間の差
3,000km 約3,980円 約39,796円
5,000km 約6,633円 約66,327円
8,000km 約10,612円 約106,122円
10,000km 約13,265円 約132,653円
15,000km 約19,898円 約198,980円
年間3,000kmなら、10年間の燃料代差は約4万円です。
一方、年間15,000kmでは約19万9,000円になります。
その差は約15万9,000円にもなります。
例えば、片道20kmの通勤を年間220日続けると、通勤だけで年間8,800kmです。
買い物や休日の外出を加えれば、年間10,000kmを超えることもあるでしょう。
このような使い方なら、燃費性能は購入判断の重要な材料になります。
反対に、近所の買い物や通院が中心で年間3,000km程度しか走らない場合、燃費差よりも車両価格や乗り降りのしやすさを重視する選び方も合理的です。
私は、燃費を比較するときには、カタログの数字だけでなく、自分が年間何km走るのかを最初に確認することをおすすめします。
ガソリン価格が変わると差額は?
燃料代はガソリン価格によっても変わります。
年間8,000km走る場合の差額を、燃料単価別に計算しました。
ガソリン単価 年間燃料代差
150円/L 約9,364円
170円/L 約10,612円
190円/L 約11,861円
200円/L 約12,485円
ガソリン価格が高くなるほど、燃費の良いソリオの経済的なメリットは大きくなります。
ただし、この表は将来のガソリン価格を予測したものではありません。
一定の価格を仮定した比較です。
実際の燃料代は、走行環境やエアコンの使用、乗車人数などによっても変わります。
例えば、実燃費をソリオ16km/L、フリード14km/Lと仮定すると、年間8,000km、170円/Lではソリオ85,000円、フリード約97,143円となります。
この場合の差額は年間約12,143円です。
これは実測値ではなく、燃費が変わった場合の計算例です。
中古車ではタイヤの状態や整備状況も燃費に影響することがあるため、カタログ値だけで将来の燃料代を確定しないようにしましょう。
2021年当時の新車価格と10年間の燃料代を合計すると?
2021年当時の車両本体価格に、年間8,000km・ガソリン170円/Lで計算した10年間の燃料代を加えると、ソリオが243,622円安くなります。
ただし、これは2021年に新車を購入したと仮定する参考試算であり、2026年に中古車を購入する場合の総所有費用差ではありません。
新車価格と燃料代だけを合算した参考試算
項目 ソリオ フリード
2021年当時の新車本体価格 2,022,900円 2,160,400円
10年間の燃料代 693,878円 800,000円
合計 2,716,778円 2,960,400円
差額は243,622円です。
このうち137,500円は当時の車両本体価格差で、106,122円は燃料代差となります。
つまり、2021年当時の比較条件では、購入時の本体価格と燃料代の両方でソリオが有利でした。
ただし、ここには自動車重量税、購入時諸費用、自賠責保険、任意保険、車検整備費、消耗品交換費、修理費、駐車場代などは含まれていません。
また、保有終了時の売却価格も考慮していません。
そのため、243,622円を「10年間の総維持費差」と呼ぶことはできません。
あくまで、2021年当時の新車本体価格と仮定した10年間の燃料代を合計した参考値です。
2026年に中古車を買う場合は計算を分ける
2026年10月現在、2021年式のフリードやソリオは中古車として購入を検討する車両です。
2021年の新車価格を、現在の中古車購入価格として使うことはできません。
中古車の販売価格は、走行距離、修復歴、グレード、装備、整備状態、車検残期間などによって変わります。
そのため、2026年の中古車購入では、実際の支払総額を使って比較する必要があります。
例えば、次のような条件の中古車が見つかったと仮定してみましょう。
比較項目 ソリオ フリード
年式 2021年式 2021年式
走行距離 50,000km 50,000km
仮の支払総額 130万円 145万円
購入価格差 — 15万円高い
この価格は2026年の実際の販売相場や掲載車両を示すものではなく、比較方法を説明するための仮定です。
この条件なら、購入時の差額は150,000円です。
さらに、年間8,000km走る場合の燃料代差は10年間で約106,122円ですから、購入価格と燃料代だけならソリオが約256,122円有利になります。
ただし、これは2026年から10年間の総所有費用差ではありません。
両車の整備費用、保険料、重量税、修理費、売却価格などが異なれば、最終的な差額も変わります。
また、2021年式を2036年まで保有すると車齢は約15年になります。
13年経過後の税額や、車齢に応じた修理費用も考慮する必要があります。
このように、2021年当時の新車比較と2026年の中古車比較は、計算の出発点が異なるのです。
車検と消耗品交換で差が逆転することはある?
中古車では、購入後の整備費用が燃料代差を上回ることがあります。
例えば、ソリオの購入価格がフリードより10万円安くても、購入直後に大きな修理が必要になれば、そのメリットが小さくなる可能性があります。
逆に、フリードの方が購入価格は高くても、タイヤやバッテリーなどの消耗品が交換済みなら、当面の支出を抑えられることもあるでしょう。
私は、2021年式の中古車を購入する場合、購入後1年間の整備費用を特に重視したいと考えています。
車齢5年前後になると、使用状況によって消耗品の状態に差が出てくるからです。
購入前には、次の項目を確認しましょう。
- 整備記録簿:定期点検やオイル交換、部品交換の履歴が残っているか
- タイヤ:残り溝だけでなく、製造年やひび割れ、偏摩耗がないか
- バッテリー:始動状態や点検結果、交換履歴を確認できるか
- スライドドア:開閉時の異音、途中停止、引っかかりがないか
- エアコン:冷暖房の効きや異音に問題がないか
- ブレーキ:摩耗状態や異音、点検記録に問題がないか
特に電動スライドドア装着車では、開閉動作を確認したいところです。
モーターやローラー、ワイヤーなどの部品に不具合があると、修理費用が発生する可能性があります。
また、ソリオのマイルドハイブリッド車は、一般的なガソリン車とは電装システムの構成が異なります。
だからといって必ず整備費が高くなるわけではありませんが、警告灯の点灯履歴や電装系の状態は確認しておきたいですね。
車検費用についても、重量税や自賠責保険などの法定費用と、整備・部品交換費用を分けて見積もることが重要です。
中古車選びでは、車両本体価格の安さだけでなく、購入後に必要な費用まで見通しておくと安心です。
フリードとソリオはどちらがお得?6人乗車の回数から考える
普段5人以下で利用し、燃料代と取り回しを重視するならソリオが有力です。
一方、6人で移動する機会が多いなら、フリードの3列シートには燃料代差を上回る価値があります。
ここでは、数字を使って具体的な判断基準を考えてみましょう。
6人乗車が年に何回あるかを数える
フリードを選ぶ大きな理由は、6人で移動できることです。
ただし、6人で出かける機会が年に数回しかない場合、普段はソリオを使い、必要なときだけレンタカーを利用する方法もあります。
例えば、6人以上乗れるレンタカーを1回15,000円で借りると仮定します。
年間利用回数ごとの費用は次のとおりです。
年間利用回数 年間費用 10年間の費用
1回 15,000円 150,000円
2回 30,000円 300,000円
3回 45,000円 450,000円
5回 75,000円 750,000円
10回 150,000円 1,500,000円
これはレンタカー料金の実勢価格ではなく、判断方法を説明するための仮定です。
実際の料金は、車種、利用時間、地域、時期、保険、燃料代などによって異なります。
また、レンタカーを利用する場合には、予約や受け取り、返却の手間も発生します。
それでも、6人乗車の頻度を数字にすると、車選びの方向性が見えてきます。
何回以上ならフリード所有が合理的になる?
ここで、2021年当時の新車価格と10年間の燃料代だけを使って、簡単な条件付き試算をしてみましょう。
先ほど計算したソリオの優位額は243,622円です。
レンタカー1回の費用を15,000円とすると、
243,622円 ÷ 15,000円 = 約16.2回
となります。
つまり、10年間で約17回、年間平均で約1.7回という計算です。
この条件だけを見れば、6人乗車のためのレンタカー費用が10年間で17回分に達すると、ソリオの購入価格と燃料代の優位額を上回ります。
ただし、これはフリード所有とレンタカー利用の損益分岐点を確定したものではありません。
レンタカー代に含まれる燃料費や保険、フリードとソリオの整備費用、税金、売却価格などを考慮していないからです。
また、2026年に中古車を購入する場合は、2021年当時の新車価格差137,500円を使うこともできません。
それでも、6人乗車の必要回数を金額に置き換える考え方は役立ちます。
例えば、6人での外出が年1回なら、レンタカーを組み合わせる方法を検討する価値があります。
一方、毎月のように6人で移動するなら、フリードを所有する利便性はかなり高くなるでしょう。
私は、車を選ぶときに「いつか使うかもしれない」という可能性だけで判断するより、実際に何回使うのかを数えることが大切だと考えています。
使わない機能に費用をかけすぎないことも、無理のないカーライフにつながります。
50代以降は家族構成の変化も考えたい
50代になると、車の使い方が変わることがあります。
子どもが独立して夫婦2人での移動が増えたり、反対に孫や親族を乗せる機会が増えたりすることもあるでしょう。
普段2人で買い物や旅行を楽しむなら、ソリオのコンパクトさは魅力的です。
全長が短く、小回りも利くため、狭い駐車場や住宅街で扱いやすい場面が期待できます。
一方、家族での外出が多く、6人乗車が日常的に必要なら、フリードの3列シートが役立ちます。
ここで注意したいのが、6人乗車時の荷物です。
フリードは6人乗れますが、3列目まで使うと荷室は限られます。
旅行用の大きなスーツケースを複数積む場合には、実車で確認する必要があります。
また、小さな子どもを乗せる場合には、チャイルドシートの取り付け位置や、乗降時の動線も確認しておきたいですね。
車の定員だけでなく、実際の家族構成と荷物の量まで考えることが重要です。
私が考える中古車選びの判断基準
モーターライフ・アドバイザーとして、私はフリードとソリオを比較するとき、購入価格、年間走行距離、乗車人数の3つを最初に確認したいと考えています。
年間走行距離が少なく、普段5人以下で使うなら、購入価格と車両状態を重視します。
年間10,000km以上走るなら、燃料代の差が長期的に大きくなるため、ソリオの燃費性能を積極的に評価します。
6人で移動する機会が多いなら、フリードの3列シートを優先する理由があります。
ただし、中古車の場合は車種の違いだけでなく、個体の状態が重要です。
例えば、整備状態の良いフリードと、購入後に大きな修理が必要なソリオなら、燃費が良いという理由だけでソリオを選ぶことはおすすめしません。
反対に、同程度の整備状態で購入価格にも差があるなら、ソリオの経済性は魅力的です。
私が特に重視したいのは、購入から最初の1年間に必要な費用を見積もることです。
購入時の支払総額に加え、車検、タイヤ、バッテリー、ブレーキなどの交換予定を確認すれば、購入後の負担を把握しやすくなります。
長年、車の購入相談では、購入価格ばかりに目が向き、納車後の維持費を十分に考えていないケースが少なくありません。
だからこそ、車を選ぶ段階で、毎年の支出と将来の整備費用まで見通しておくことが大切だと感じています。
なお、今回の比較は2021年のMOTA記事に掲載された情報を基に、税率区分を検証し、燃料代を独自に計算したものです。
両車を同じ条件で実走行させた燃費テストや、特定の中古車の整備診断を実施した結果ではありません。
重量税についても、個別車両の型式や減税条件をすべて確定できていないため、総所有費用には加えていません。
こうした前提を明確にしておくことが、比較記事の数字を安心して判断材料に使っていただくために必要だと考えています。
2026年の現行モデルと混同しない
最後に、2026年に新車を購入する場合の注意点です。
ホンダ・フリードは2024年に新世代モデルへ移行し、ガソリン車とe:HEVを展開しています。
スズキ・ソリオも2025年に一部仕様変更が行われており、2021年当時とは装備や仕様が異なります。
そのため、今回使用したフリード17.0km/L、ソリオ19.6km/Lという燃費を、2026年の現行新車にそのまま当てはめることはできません。
また、ソリオのマイルドハイブリッドと、フリードのe:HEVは仕組みが異なります。
単にハイブリッドという名称だけで比較せず、実際の燃費、購入価格、乗車定員、装備を確認しましょう。
最新の価格や仕様、税額については、ホンダとスズキの公式情報や販売店の見積もりで確認してください。
まとめ:2021年型フリードとソリオは燃料代ならソリオが有利
2021年当時のフリード G ホンダセンシングとソリオ HYBRID MZを比較すると、車両本体価格と燃料代ではソリオが有利でした。
主な結果を整理すると、次のようになります。
比較項目 結果・条件
2021年当時の新車価格差 ソリオが137,500円安い
自動車税の基本年額 両車とも30,500円
WLTC燃費 ソリオ19.6km/L、フリード17.0km/L
年間燃料代差 ソリオが約10,612円安い
10年間の燃料代差 ソリオが約106,122円安い
当時の新車価格+10年間の燃料代差 ソリオが約243,622円安い
燃料代の試算条件 年間8,000km、170円/L
計算に含まれない主な費用 重量税、保険、車検、整備、修理、売却価格
この比較は2021年当時の車両仕様を基準とした参考試算です。
2026年に中古車を購入する場合は、実際の支払総額と車両状態を基に計算し直す必要があります。
普段5人以下で使い、燃料代や取り回しを重視するならソリオ。
6人で移動する機会が多く、3列シートが必要ならフリードが有力です。
私は、車の経済性を考えるとき、単純な価格差だけでなく、必要な機能を無理なく使えることも大切にしたいと思っています。
購入前には、年間走行距離、6人乗車の回数、購入後1年間の整備費用を確認してみてください。
その3つを整理するだけでも、自分の暮らしに合う一台が見えてくるはずです。
よくある質問
2021年型フリードとソリオの自動車税は同じですか?
2021年に初回新規登録された比較対象車では、両車とも1.0L超〜1.5L以下の排気量区分に入るため、基本税額は年間30,500円です。
フリードのエンジン排気量は1,496ccなので、1.5L超〜2.0L以下の区分には入りません。
フリードとソリオの燃料代は10年間でいくら違いますか?
2021年当時のWLTC燃費を使い、年間8,000km、ガソリン170円/Lで計算すると、10年間の燃料代差は約106,122円です。
ソリオの方が安くなりますが、実際の燃費やガソリン価格によって差額は変わります。
2026年に中古車を買うならフリードとソリオのどちらがおすすめですか?
普段5人以下で使い、維持費や取り回しを重視するならソリオが有力です。
6人で移動する機会が多いなら、フリードの3列シートが役立ちます。
ただし、中古車は整備状態によって購入後の費用が変わるため、車検証、整備記録簿、消耗品の状態、次回車検の見積もりを確認してから判断しましょう。
モーターライフ・アドバイザー
杉原健一


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