最後の車は、長距離の走行快適性ならセダン、乗り降りや荷物の扱いやすさならSUVが有力ですが、車種ごとの違いが重要です。
50代・60代・70代からの車選びでは、運転の楽しさだけでなく、膝や腰への負担、駐車のしやすさ、維持費も気になりますよね。
この記事では、クラウン セダンやハリアーなど代表6車種を比較しながら、10年後も無理なく楽しめる一台の選び方を、具体的な数字とともに解説します。
最後の車はセダンとSUVどちらが快適?4つの条件で判断
最後の車にセダンとSUVのどちらが快適かは、走行環境・乗り降り・車体サイズ・予算の4条件で判断するのがおすすめです。
高速道路を長時間走るならセダンの低重心を生かした安定感が魅力ですが、買い物や旅行など幅広い用途ではSUVの実用性が役立ちます。
ただし、SUVだから必ず乗り降りしやすい、セダンだから必ず静かというわけではありません。
車体の設計やシート、タイヤ、運転する人の体格によって、快適さは大きく変わるからです。
セダンとSUVの快適性を比較
比較項目 セダン SUV
長距離運転 低重心を生かした安定感 シートや足回りによる
乗り降り 低い座面からの立ち上がりに注意 座面が高すぎる車種に注意
前方視界 比較的低い目線 高い目線で見渡しやすい
静粛性 独立したトランクが有利な場合も 遮音設計によって高い静粛性
カーブでの安定感 低重心を生かしやすい 車高や足回りの設計による
荷物の積みやすさ トランク開口部に左右される 大きな開口部を持つ車種が多い
駐車 長い全長に注意 広い全幅に注意
維持費 車格・排気量・タイヤによる 大径タイヤが負担になる場合も
向いている用途 長距離移動、走りの楽しさ 買い物、旅行、趣味
この表は一般的な傾向であり、個別の車種の優劣を保証するものではありません。
例えば、上級SUVのハリアーが、価格の安いセダンより静かに感じられることも十分考えられます。
大切なのは、ボディタイプのイメージではなく、実際に比較する車の性能と使いやすさです。
長距離ドライブが中心ならセダンを優先
セダンの魅力は、比較的低い重心を生かした落ち着いた走行感覚です。
一般的に、車体の重心が低いとカーブでの横方向の傾きを抑えやすく、運転中の姿勢変化が穏やかになる傾向があります。
高速道路を長時間走る方にとって、この安定感は魅力ですよね。
また、客室とトランクが分かれているセダンでは、荷室から伝わる音を抑えやすい構造上の利点があります。
ただし、静粛性は車体の形だけでは決まりません。
タイヤから伝わるロードノイズ、風切り音、エンジン音、遮音材の配置などが複雑に関係します。
特に長距離運転では、シートの体への支え方も重要です。
私は、最後の車としてセダンを検討するなら、カタログの高級感よりも、実際に走ったときの落ち着きと疲れにくさを優先したいと考えています。
買い物や旅行が中心ならSUVを優先
SUVは、運転席の目線が比較的高く、前方の道路状況を見渡しやすいことが特徴です。
また、後席を倒して荷室を広げられる車種が多く、旅行用のバッグや趣味の道具を積みやすい利点があります。
買い物袋を積むときも、大きく開くバックドアが便利に感じられるでしょう。
ただし、SUVには見落としやすい弱点もあります。
車高が高いモデルでは、乗り込む際に足を大きく持ち上げなければならない場合があります。
また、荷室の床が高ければ、重い荷物を積むときに負担が増えることもあります。
つまり、SUVの車高が高いことと、日常動作が楽なことは同じではないのです。
SUVを選ぶ場合は、運転席の座面と荷室の床の高さを、それぞれ確認したいですね。
迷ったら普段の使用頻度で判断する
例えば、月に何度も高速道路を使って旅行する方なら、長距離移動の快適性を優先する価値があります。
一方、普段はスーパーへの買い物や近距離移動が中心なら、乗り降りや駐車のしやすさが重要になるでしょう。
ここで私がおすすめしたいのは、特別な一日ではなく、普通の一週間を想像することです。
年に一度の旅行に便利な車でも、週に何度も利用する駐車場で苦労するなら、満足度が下がるかもしれません。
最後の車だからこそ、見栄や流行よりも、普段の生活に自然になじむことを大切にしたいですね。
最後の車におすすめの代表6車種は?セダンとSUVを比較
最後の車を具体的に選ぶなら、クラウン セダン、スカイライン、インプレッサ、ハリアー、RAV4、ヴェゼルの6車種が比較の参考になります。
ただし、インプレッサは現行日本仕様ではセダンではなく5ドアハッチバックです。セダンとSUVの中間的な選択肢として取り上げます。
また、車種によって価格帯や車格が異なるため、単純に数値だけで順位をつけることはできません。
代表6車種のサイズ・燃費・価格比較
以下は、各メーカーが公表したモデル情報を基に、比較対象を明示した参考表です。
2026年10月21日時点のすべての最新仕様・販売価格を独立して照合できているわけではないため、購入前には必ず公式の価格表・諸元表を確認してください。
車種・比較対象 全長×全幅×全高 WLTC燃費参考値 車両価格参考
クラウン セダン HEV 5,030×1,890×1,475mm 18.0km/L 730万円〜
スカイライン 3.0Lターボ系 4,810×1,820×1,440mm 約10.0km/L 約544万円〜
インプレッサ ST 2WD 4,475×1,780×1,450mm 14.0km/L 約230万円〜
ハリアー HEV 2WD 4,740×1,855×1,660mm 22.4〜22.7km/L 約370万円〜
RAV4 新型Z HEV 4,600×1,855×1,680mm 22.5km/L 450万円
ヴェゼル e:HEV 2WD系 4,340×1,790×1,580mm 25.3〜26.0km/L 約300万円〜
※寸法の単位はmm、価格は税込車両本体価格の参考値です。オプションや諸費用は含みません。
※クラウン セダンは2023年登場モデルのHEV、スカイラインは3.0Lターボ系の参考仕様、インプレッサは2023年登場世代のST 2WDを基準としています。
※ハリアーは2025年6月改良モデル、RAV4は2025年12月発売の新型Z、ヴェゼルは2025年改良関連資料を参考にしています。
※インプレッサの価格は発売時期・改良時期によって異なります。ヴェゼルの寸法は代表的な標準ボディ仕様であり、e:HEV RSなどの仕様とは異なる場合があります。
※価格の下限と燃費値が必ずしも同一グレードに対応するわけではありません。グレード、駆動方式、装備を統一した購入比較には、各メーカーの最新資料が必要です。
この表でまず注目したいのは、車体の高さではなく、全幅と全長です。
例えば、クラウン セダンの全幅は1,890mm、ハリアーは1,855mmで、その差は35mmしかありません。
一方、全長はクラウン セダンが5,030mm、ハリアーが4,740mmで、290mmの差があります。
つまり、セダンだから細くて扱いやすい、SUVだから大きくて駐車しにくいという単純な判断はできません。
クラウン セダン|上質な長距離移動を楽しみたい人向け
トヨタ・クラウン セダンは、ゆったりとした移動空間と落ち着いた走行感覚を求める方に注目してほしい車です。
2023年に登場した現行世代は、全長5,030mmという伸びやかな車体を採用しています。
長距離移動での上質さを重視したい方には魅力的ですが、全長5mを超えるため、狭い住宅街や駐車場では取り回しに注意が必要です。
また、車高が比較的低いため、乗り降りの際に腰を深く下ろす動作が負担にならないか確認したいですね。
向いているのは、広い駐車環境があり、長距離ドライブの快適性を優先したい方です。
スカイライン|運転する楽しさを大切にしたい人向け
日産スカイラインは、スポーティーな走行感覚を重視するセダンです。
参考仕様の全長は4,810mm、全幅は1,820mmで、クラウン セダンよりコンパクトですが、決して小さな車ではありません。
運転操作に対する反応や、カーブを曲がる楽しさを大切にしたい方には魅力があります。
一方、スポーティーな足回りは、路面の凹凸を比較的はっきり伝える場合があります。
運転そのものが趣味という50代・60代の方なら、候補に入れる価値があるでしょう。
ハリアー|セダンからSUVへ乗り換えたい人向け
トヨタ・ハリアーは、上質な内装とSUVの実用性を両立したモデルです。
2025年6月11日には一部改良モデルが発売され、参考仕様の全長は4,740mm、全幅は1,855mmです。
高い運転姿勢を好む方や、セダンからSUVへ移りたい方には比較しやすい一台でしょう。
ただし、全幅1,855mmは狭い駐車場では気になるサイズです。
長距離の快適性と日常の使いやすさを両立したい方に向いていますが、乗降性は座面の位置とドアの開き方まで確認したいですね。
RAV4|旅行やアウトドアを楽しみたい人向け
トヨタ・RAV4は、荷室の実用性や力強いデザインを重視するSUVです。
2025年12月発売の新型について、参考資料ではZの全長4,600mm、全幅1,855mm、全高1,680mmとされています。
旅行用品や趣味の道具を積む機会が多い方には、SUVらしい荷室の使いやすさが魅力になります。
一方、全幅が広いため、狭い道路や駐車場での扱いやすさは確認が必要です。
旅行や趣味の時間を積極的に楽しみたい方に向いた選択肢ですが、荷室床面の高さにも注目してください。
ヴェゼル|大きすぎないSUVを求める人向け
ホンダ・ヴェゼルは、都市部での使いやすさとSUVらしいスタイルを両立したモデルです。
現行2代目は2021年4月に発売され、発売後約1か月で3万2,000台を超える受注を記録しました。
標準ボディの代表的な寸法は全長4,340mm、全幅1,790mmで、ハリアーやRAV4よりコンパクトです。
日常の買い物や近距離移動が中心で、ときどき旅行も楽しみたい方には検討しやすいでしょう。
大きなSUVは不安だけれど、高い運転姿勢は欲しい方に向いています。
ただし、後方視界や後席への乗り降りは実車で確認しておきたいですね。
インプレッサ|低い車体と荷室の便利さを両立したい人向け
スバル・インプレッサは、現行日本仕様では5ドアハッチバックです。
2023年に登場した世代では、低めの車体と後部ハッチを組み合わせ、乗用車らしい走行感覚と荷室の実用性を両立しています。
参考仕様の全長は4,475mm、全幅は1,780mmで、今回の6車種では比較的扱いやすいサイズです。
また、運転支援技術「アイサイト」を採用していることも特徴です。
SUVほど高い車体は必要ないけれど、セダンのトランクでは不便という方におすすめしたい第三の選択肢です。
予算別に考えると候補を絞りやすい
最後の車選びでは、異なる価格帯の車を単純比較しないことも重要です。
例えば、クラウン セダンとヴェゼルでは価格帯が大きく異なり、内装や装備、遮音設計などにも違いがあります。
予算が300万円前後なら、ヴェゼルやインプレッサなどを中心に検討するとよいでしょう。
400万〜500万円程度なら、ハリアーやRAV4の対象グレードが候補になります。
さらに高い予算なら、クラウン セダンやスカイラインのような上級セダンも比較対象になるでしょう。
ただし、ここで挙げた予算は車両価格を中心とした目安です。
税金、登録費用、オプション、保険料、購入後の維持費まで含めた総額で判断してくださいね。
セダンとSUVは乗り降りの何が違う?座面高とドア開口部を確認
最後の車では、車体の全高よりも、運転席の座面高、ドア開口部、サイドシル、足元空間が乗り降りのしやすさを左右します。
特に重要なのは、乗り込むときだけでなく、降りるときの動作まで確認することです。
SUVのほうが必ず乗り降りしやすいわけではない
SUVは車高が高いため、乗り降りも楽だと思われがちです。
しかし、実際には座面の高さが体格に合っているかどうかが重要になります。
座面が低いセダンでは、腰を深く下ろして座り、降りるときには立ち上がる動作が必要です。
一方、座面が高いSUVでは、乗り込む際に足を大きく持ち上げる場合があります。
どちらが楽かは、身長や脚の長さ、関節の動かしやすさによって変わります。
また、車体の全高と座面高は別の数値です。
例えば、クラウン セダンの全高は1,475mm、ハリアーは1,660mmで、その差は185mmあります。
しかし、これは車体全体の高さの差であり、運転席の座面が185mm違うという意味ではありません。
今回、両車の座面高を同じ測定条件で確認できた実測データはありません。
そのため、ハリアーのほうが乗り降りしやすいと数値だけで断定することはできないのです。
なぜ乗り込むときより降りるときが重要なのか
私が特に重視したいのは、降車動作です。
乗り込むときはシートに体重を預けられますが、降りるときは座った姿勢から体を持ち上げなければなりません。
座面が低い車では、膝や股関節を深く曲げた状態から立ち上がるため、負担を感じる場合があります。
さらに、ドアの開きが小さいと、足を外へ出す動作や上半身を起こす動作が窮屈になることもあります。
これは、カタログの車体寸法だけでは判断しにくい部分です。
実車を見るときには、運転席に座って終わりではなく、普段と同じ動作で数回乗り降りしてみましょう。
ただし、販売店の許可を得たうえで、安全な場所で確認してくださいね。
車幅よりドアの開き方が問題になることもある
車体の全幅は、駐車のしやすさを判断する重要な数字です。
しかし、駐車後の乗り降りでは、ドアをどれだけ開けられるかも大切になります。
例えば、全幅1,890mmのクラウン セダンと、全幅1,855mmのハリアーを比較してみましょう。
駐車枠の幅を2,500mmと仮定し、車を中央に停めた場合の余裕は次のようになります。
比較項目 クラウン セダン ハリアー
車体全幅 1,890mm 1,855mm
駐車枠幅 2,500mm 2,500mm
左右の余裕合計 610mm 645mm
片側の余裕 305mm 322.5mm
この条件では、片側の余裕の差はわずか17.5mmです。
つまり、全幅35mmの違いだけでは、実際の乗り降りのしやすさを十分に判断できません。
ドアの長さ、開く角度、隣の車との距離、駐車場の柱や壁の位置によって、使いやすさは変わります。
特に自宅の駐車場では、車が収まるかどうかだけでなく、運転席のドアを開けて自然に降りられるかを確認したいですね。
なお、全幅1,850mmという数字は法令上の安全基準ではなく、この記事で大きめの車を比較する際の確認目安です。
荷室の高さも忘れずに確認したい
SUVを選ぶときには、荷室の広さだけでなく、荷物を持ち上げる高さにも注目しましょう。
大きなバックドアがあっても、荷室の床が高ければ、重い荷物を積む際に負担を感じる場合があります。
反対に、セダンはトランクの開口部が小さくても、荷物の種類によっては扱いやすいことがあります。
例えば、普段積むものが買い物袋なのか、旅行用スーツケースなのか、趣味の道具なのかによって、必要な荷室は変わります。
私は、最後の車選びでは荷室容量の数字だけでなく、普段使う荷物を無理なく出し入れできるかを重視したいと思います。
メーカーが公表する荷室容量も参考になりますが、測定方式が異なる場合には単純比較できません。
座面高や荷室開口高についても、メーカーが同じ基準で数値を公表していない場合があります。
そのような項目は、未確認の数字を補うのではなく、販売店で測定条件を確認するか、実車で使い勝手を確かめることが大切です。

セダンとSUVの維持費はどれくらい違う?燃料費とタイヤ代を比較
最後の車を10年以上所有するなら、購入価格だけでなく、燃料費、税金、タイヤ交換費用、保険料も考える必要があります。
特に走行距離が多い方は、燃費の違いが長期的な負担に影響します。
年間1万km走った場合の燃料費を試算
まずは、年間10,000km走る場合の燃料費を比較してみましょう。
今回は計算条件をそろえるため、燃料単価を仮に1L当たり180円とします。
実際のガソリン価格は地域や時期によって変わるため、これは将来の燃料費を予測するものではありません。
計算式は次のとおりです。
年間燃料費=年間走行距離÷燃費×燃料単価
比較対象 WLTC燃費参考値 年間燃料費
クラウン セダン HEV 18.0km/L 約100,000円
スカイライン 3.0Lターボ系 10.0km/L 約180,000円
インプレッサ ST 2WD 14.0km/L 約128,600円
ハリアー HEV 2WD 22.4km/L 約80,400円
RAV4 新型Z HEV 22.5km/L 約80,000円
ヴェゼル e:HEV 2WD系 25.3km/L 約71,100円
※燃費は前述の参考仕様を使用し、計算結果は100円単位に丸めています。
※燃料単価は比較のため全車一律180円/Lとした仮定です。実際にはレギュラーガソリンとハイオクガソリンの指定が車種・仕様によって異なるため、実支出を比較する際は指定燃料の価格を使用してください。
※WLTC燃費をそのまま計算に使用しており、実際の燃費や支出を保証するものではありません。
この試算では、クラウン セダン HEVとハリアー HEV 2WDの年間燃料費の差は約19,600円です。
同じ条件で10年間走ると、単純計算では約19万6,000円の差になります。
ただし、実際の燃費は渋滞、気温、エアコン使用、走行速度などによって変化します。
また、購入価格や税金、タイヤ代などを含めなければ、総合的な経済性は判断できません。
燃料費だけを見て車を決めるのではなく、維持費全体の一部として考えたいですね。
タイヤ交換費用はSUVのほうが高い?
SUVは比較的大きなタイヤを装着するモデルが多く、交換費用が高くなる場合があります。
しかし、必ずしもSUVのタイヤがセダンより高価とは限りません。
例えば、上級セダンでも大径ホイールや高性能タイヤを採用していれば、交換費用が高くなることがあります。
タイヤ代を比較するときには、車種名だけでなく、タイヤサイズ、銘柄、性能、交換工賃を確認することが重要です。
また、冬用タイヤが必要な地域では、スタッドレスタイヤやホイールの購入費用も考えておきましょう。
購入前に販売店で純正タイヤサイズを確認し、同等性能の交換用タイヤの見積もりを取っておくと、維持費を把握しやすくなります。
自動車税や保険料は車体の形だけでは決まらない
自動車税の負担は、一般的な乗用車では主に排気量や登録時期などによって異なります。
SUVだから税金が高い、セダンだから安いというわけではありません。
また、重量に関係する税負担もあるため、車両重量や環境性能を含めて確認する必要があります。
任意保険料についても、車種、型式、運転者の条件、補償内容、等級などによって変わります。
そのため、車両価格だけを比較して維持費を判断するのは適切ではありません。
私は、最後の車を購入する前に、少なくとも年間の燃料費、税金、保険料、タイヤ代、点検整備費を概算しておくことをおすすめします。
購入後に維持費が負担となり、好きな車に乗る楽しみが減ってしまっては残念ですよね。
10年所有するなら購入価格より総費用を見る
例えば、購入価格が50万円安い車でも、年間の維持費が5万円高ければ、10年間の単純合計では差がなくなります。
もちろん、実際には修理費、車検費用、燃料価格の変動、下取り価格なども影響します。
さらに、年齢を重ねると車の使用頻度が変わる可能性もあります。
現在は年間15,000km走っていても、退職後は年間5,000km程度になるかもしれません。
走行距離が短くなれば、燃費差による金銭的な影響も小さくなります。
その場合は、燃費だけでなく、乗り降りのしやすさや運転席の快適性を優先する判断も合理的でしょう。
最後の車では、購入時の価格と将来の生活を切り離さずに考えることが大切です。
50代・60代・70代の最後の車選びで何を重視する?
最後の車を選ぶときは、年齢だけで車種を決めるのではなく、今の運転環境と今後の生活の変化を考えることが大切です。
50代では運転の楽しさ、60代では長距離移動や乗降性、70代では操作の分かりやすさなどが、検討のきっかけになるでしょう。
50代は運転の楽しさと将来性を両立
50代では、まだまだ長距離ドライブや旅行を楽しみたいという方も多いでしょう。
この年代なら、スカイラインのようなスポーティーなセダンを選ぶことも魅力的です。
一方、趣味の道具を積んで出かける機会が多いなら、SUVの実用性も役立ちます。
私が50代の車選びで大切だと考えるのは、今の好みを我慢しすぎないことです。
ただし、10年以上所有する可能性があるなら、退職後の生活も少し意識しておきたいですね。
例えば、現在は通勤が中心でも、将来は買い物や旅行が中心になるかもしれません。
使用目的が変わったときにも、無理なく使えるかどうかを考えておくと安心です。
60代は乗り降りと長距離運転の負担を確認
60代では、退職後の旅行や趣味の時間が増える方もいるでしょう。
その一方で、長時間の運転や車への乗り降りに負担を感じる場合もあります。
この年代で重視したいのは、運転席のシート調整機能と乗降動作です。
セダンは座面が低いモデルが多く、降りるときに立ち上がる動作が必要になります。
SUVは座面が高いものの、車種によっては足を大きく持ち上げる必要があります。
どちらが楽なのかは、体格や関節の動かしやすさによって異なります。
また、長距離ドライブを楽しみたい方は、腰や背中を自然に支えられるシートかどうかも確認してみましょう。
柔らかいシートが必ず疲れにくいわけではありません。
体が沈み込みすぎると姿勢を保ちにくくなる場合があり、座面や背もたれが適切に体を支えることが重要です。
70代は操作の分かりやすさと安全性を重視
70代で車を選ぶ場合、乗り降りのしやすさに加え、操作の分かりやすさも重要になります。
最近の車には、大型ディスプレイやタッチ操作を採用したモデルが増えています。
便利な機能が多くても、運転中に操作方法を迷ってしまうようでは負担になりますよね。
エアコンの操作、シフトレバーの位置、メーターの見やすさなどを確認しておきましょう。
また、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時の加速抑制機能なども比較したい装備です。
ただし、運転支援装備は事故を完全に防ぐものではありません。
運転を続けるかどうかは、年齢だけでなく、健康状態や運転能力、生活環境などを踏まえて判断する必要があります。
運転に不安がある場合は、警察の安全運転相談窓口「#8080」を利用する方法もあります。
安心して車を楽しむために、自分の状態を客観的に確認することも大切ですね。
最後の車の試乗で確認したい7項目
最後の車を選ぶ試乗では、走行中だけでなく、乗り込む前から降りるまでの動作を確認することをおすすめします。
次の7項目を意識すると、セダンとSUVの違いを比較しやすくなります。
- 乗り込み:腰を深く下ろしたり、足を大きく持ち上げたりする必要がないか
- 降車動作:足を地面に置いて自然に立ち上がれるか
- 運転姿勢:シートとハンドルを調整し、無理なくペダルを操作できるか
- 視界:前方、左右、後方の死角を確認しやすいか
- 乗り心地:段差やカーブでの揺れ方が自分に合っているか
- 駐車操作:車幅や全長を把握しやすく、無理なく駐車できるか
- 荷物の積み降ろし:買い物袋や旅行用バッグを無理なく扱えるか
特に、シートの座り心地は短時間では判断しにくい部分です。
可能であれば、販売店に相談し、普段利用する道路に近い環境で試乗してみましょう。
また、同じ車種でもグレードによってタイヤやシートの仕様が異なる場合があります。
購入予定のグレードに近い試乗車を選ぶことも大切です。
今回紹介した6車種について、筆者が同一条件で乗降性や長距離快適性を実測したわけではありません。
したがって、ここでの評価はメーカー公表情報、車体構造の特徴、一般的な運転姿勢の考え方を基にしたものであり、実測比較による順位ではありません。
クラウンはなぜSUVへ展開した?2020年の予測と現在を比較
クラウンは2020年にセダン生産終了の検討が報じられましたが、実際にはセダンを残しながら、SUV系を含む4つのボディタイプへ展開しました。
2020年11月11日には、クラウンのセダン生産終了を検討し、SUVに似た車形の新型車を投入するという報道がありました。
同年11月29日、AUTOCAR JAPANで鈴木ケンイチ氏は、クラウンが従来のセダンから変化する可能性を分析しています。
当時の記事では、購入者層の高齢化や販売規模の縮小も背景として取り上げられました。
販売規模については、2018年が約5万台、2019年が約3万6,000台、平成初期には年間約15万台に達していたという参考値が紹介されています。
ただし、これらは当時の記事に記載された数字であり、集計期間や登録区分を同一条件で照合した統計ではありません。
その後、トヨタは2022年7月にクラウンの4タイプ展開を発表しました。
2020年当時の注目点 その後の展開
セダンが終了する可能性 2023年に新型セダンが登場
SUV系への転換 クロスオーバー、スポーツなどを展開
ブランド存続への対応 4つの車形へ選択肢を拡大
従来の顧客層からの変化 多様な用途・好みに対応する商品構成へ
2022年9月にはクラウン クロスオーバーが発売され、2023年にはクラウン スポーツとクラウン セダンが登場しました。
その後、クラウン エステートもシリーズに加わっています。
つまり、当時注目されたSUV系への展開は実現しましたが、セダンを完全に置き換えるという結果にはなりませんでした。
私は、この変化を単なるSUV人気への対応だけで説明するのは不十分だと考えています。
従来の購入者層、車種構成、販売戦略という複数の要素が関係しているからです。
最後の車選びでも同じことがいえます。
高級車だからセダン、実用車だからSUVという固定観念ではなく、用途に合った車体を選べる時代になったと考えられるでしょう。
最後の車はセダンとSUVどちらを選ぶべき?私の考察
ここまで比較してきて、私は最後の車選びでは、ボディタイプだけで優劣を決めるべきではないと考えています。
大切なのは、運転している時間だけでなく、日常生活のなかで無理なく使えることです。
快適性は走行中と日常動作で分けて考える
車の快適性というと、静粛性や乗り心地を思い浮かべる方が多いでしょう。
もちろん、長距離ドライブでは非常に重要な要素です。
しかし、最後の車を考えるなら、私はもう一つの快適性にも注目したいと思います。
それが、乗り降りや駐車、荷物の積み降ろしといった日常動作の快適性です。
例えば、クラウン セダンのような大型セダンは、長距離移動で上質な走りを楽しめる可能性があります。
一方で、全長5,030mmというサイズは、狭い駐車場では負担になるかもしれません。
ハリアーのようなSUVでは、高い運転姿勢や荷室の使いやすさが魅力になります。
ただし、全幅1,855mmというサイズを考えると、駐車場の幅やドアの開閉スペースを確認する必要があります。
このように、走行中の快適性と日常動作の快適性は、必ずしも一致しません。
最後の車では、この二つを分けて評価することが後悔を減らすポイントだと考えています。
柔らかいシートが必ず快適とは限らない
長距離運転の快適性では、シートの柔らかさも気になるところですよね。
しかし、柔らかいシートが必ず疲れにくいとは限りません。
座面が柔らかすぎると、体が沈み込み、姿勢を維持するために余計な力が必要になる場合があります。
また、腰や太ももを十分に支えられないシートでは、長時間同じ姿勢を続けることが負担になる可能性があります。
反対に、少し硬めのシートでも、体を適切に支えられれば快適に感じられることがあります。
私が注目したいのは、座った瞬間の柔らかさよりも、運転姿勢を自然に保てるかどうかです。
シートの前後位置、高さ、背もたれの角度、ハンドルとの距離を調整して、無理なくペダルを操作できるか確認しましょう。
特に最後の車として長く所有するなら、シート調整の幅も重要です。
体格に合った運転姿勢を取れることは、セダンとSUVのどちらを選ぶ場合にも共通する大切な条件だと思います。
「10年後の一日」を想像すると答えが見えてくる
私は、最後の車を選ぶときに「10年後の自分が、その車でどんな一日を過ごしているか」を想像してみる方法をおすすめしたいと思います。
例えば、朝、自宅の駐車場から車を出してスーパーへ向かう場面を考えてみましょう。
買い物を終えたら荷物を積み、午後は少し遠くの公園までドライブするという一日です。
そのとき、運転席への乗り降りは自然にできるでしょうか。
スーパーの駐車場で、車体の大きさを気にせず停められるでしょうか。
買い物袋を荷室へ積むとき、重い荷物を高く持ち上げる必要はないでしょうか。
そして帰宅したとき、「今日も運転して楽しかった」と感じられるでしょうか。
このように考えると、車選びの優先順位が変わることがあります。
例えば、現在は長距離ドライブの快適性を重視してセダンに魅力を感じていても、将来の日常利用を考えるとSUVが合う場合があります。
反対に、SUVの広い荷室が便利そうに見えても、普段は大きな荷物をほとんど積まないなら、セダンの走行感覚を優先する選択もあります。
最後の車に必要なのは、すべての性能で優れていることではありません。
自分が大切にしたい時間を、無理なく楽しめることなのだと思います。
私なら「運転時間」と「乗降回数」を一緒に考える
ここで、もう一つ提案したい考え方があります。
それは、運転する時間だけでなく、一日に何回乗り降りするかを考えることです。
例えば、週末に長距離ドライブを楽しむ方は、一度乗り込めば長い時間運転することになります。
その場合は、シートの快適性や高速道路での安定感を重視する価値があります。
一方、近所の買い物や通院などで一日に何度も車を使う方は、乗り降りの回数が多くなります。
その場合は、走行中のわずかな快適性の違いよりも、毎回の乗降動作が楽であることのほうが重要になるかもしれません。
例えば、片道15分の移動を一日に何度も繰り返す方と、週末に片道2時間のドライブを楽しむ方では、求める快適性が違います。
私は、この違いを意識することで、セダンとSUVの選択がかなり整理しやすくなると考えています。
長距離運転が中心ならセダン、乗り降りの回数が多いなら座面の高さが合うSUVやハッチバックを優先するという考え方です。
もちろん、これは一般的な判断の目安であり、すべての人に当てはまるものではありません。
それでも、日常の行動を具体的に振り返ることで、カタログだけでは分からない自分の優先順位が見えてくるでしょう。
これからのセダンとSUVはどう変わる?
近年のSUVには、乗用車と共通の車体構造を採用し、舗装路での快適性を重視するモデルが数多くあります。
また、ハイブリッド車や電気自動車では、駆動方式の特徴を生かした静かな移動空間も期待できます。
そのため、今後はセダンとSUVの快適性を、ボディタイプだけで判断することがますます難しくなるかもしれません。
一方で、車高や重心、車体寸法といった基本的な違いがなくなるわけではありません。
セダンには低い車体を生かした走りがあり、SUVには高い運転姿勢や積載性という魅力があります。
クラウンが複数のボディタイプへ展開したことも、こうした価値観の多様化を示す例だと考えられます。
私は、これからの最後の車選びでは、車種の人気やイメージよりも、自分の体格や生活環境に合っているかどうかが重要になると思っています。
好きな車に乗る喜びは、年齢を重ねても大切にしたいものです。
その喜びを長く続けるためにも、運転の楽しさと日常の使いやすさを両立できる一台を探してみてくださいね。
まとめ|最後の車はセダンとSUVの快適性を実車で比較しよう
最後の車にセダンとSUVのどちらを選ぶべきかは、普段の使い方と重視する快適性によって変わります。
セダンは、低重心を生かした落ち着いた走りや長距離移動の快適性を求める方に向いています。
一方、SUVは高い運転姿勢や荷室の使いやすさ、幅広い用途への対応力が魅力です。
ただし、SUVだから必ず乗り降りが楽、セダンだから必ず疲れにくいというわけではありません。
年齢を重ねてからの車選びでは、次の点を確認しておきたいですね。
- 長距離運転で疲れにくいシートと乗り心地か
- 乗り降りの際に膝や腰へ無理な負担がないか
- 運転席から周囲を確認しやすいか
- 自宅や普段利用する駐車場で扱いやすいか
- 購入後の維持費を無理なく負担できるか
トヨタ・クラウンがセダンだけでなくSUV系のモデルへ展開したことからも分かるように、快適な車の形は一つではありません。
最後の車にふさわしいのは、人気のある車でも高価な車でもなく、これからの自分が安心して運転を楽しめる車です。
ぜひセダンとSUVの両方に試乗し、10年後の生活も想像しながら、自分に合った一台を選んでみてくださいね。
よくある質問
最後の車はセダンとSUVのどちらが疲れにくいですか?
一般的には、低重心で落ち着いた走りを実現しやすいセダンが、長距離運転で快適に感じられる場合があります。
ただし、SUVでもシートや足回りの設計が優れていれば、十分に快適な長距離移動が可能です。
疲れにくさは体格や運転姿勢によっても変わるため、実際に試乗して確認することをおすすめします。
60代・70代にはセダンよりSUVがおすすめですか?
必ずしもSUVのほうが適しているわけではありません。
SUVは座面が高く乗り降りしやすい場合がありますが、車種によっては足を大きく持ち上げる必要があります。
セダンも、座面やドア開口部の形状によっては無理なく乗り降りできる場合があります。
年齢だけで判断せず、自分の体格や運転環境に合った車を選ぶことが大切です。
最後の車として10年以上乗るなら何を重視すべきですか?
乗り降りのしやすさ、運転席からの視界、シートの快適性、車体サイズ、維持費を総合的に確認することが重要です。
特に、今の生活だけでなく、将来の体の変化や車の使用頻度も考えておきたいですね。
運転支援装備の内容や操作の分かりやすさも確認し、長く安心して使える一台を選びましょう。
杉原健一(すぎはら けんいち)
モーターライフ・アドバイザー/54歳
長年メーカー直営ディーラーでお客様の車選びや疑問に向き合ってきた経験を大切にしながら、現在は第三者の視点で車やバイクの情報を丁寧に調べ、分かりやすくお伝えしています。
この記事では、メーカーが公表した車両情報と一般的な車体構造の特徴を基に比較し、筆者の考察と確認済みの事実を区別することを心がけました。なお、紹介した6車種を同一条件で実測したものではありません。
車選びに迷ったときは、焦らず、ご自身の生活や気持ちに合った選択をしていただけたらうれしいです。これからも安心して楽しめるモーターライフを、一緒に考えていきましょうね。



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