最後の車は、10年以上乗るなら新車、5年前後なら保証付き中古車が有力です。ただし、定年後の生活資金と総費用によって最適な選択は変わります。
「最後の車くらい、新車で気持ちよく乗りたい。でも、退職後のお金も心配……」。そんな迷いを感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、2026年7月に改良されたホンダ・フィットの新車価格と、2023年式・2021年式の中古車掲載例を参考に、5年・10年・15年の総所有費用、故障リスク、保証、税金まで比較します。
最後の車は新車と中古車どちらがおすすめ?3つの判断基準
最後の車を選ぶときは、購入価格だけでなく、所有予定年数、故障への備え、購入後に残せる生活資金の3つを確認しましょう。
特に定年後は、車の購入に使ったお金を簡単に取り戻せるとは限りません。
10年以上乗るなら新車が有力
60歳で購入して70歳、あるいは75歳まで乗る予定なら、新車は有力な候補です。
新車には、過去の使用履歴がなく、購入時からメーカー保証を利用できるというメリットがあります。
さらに、新しい安全装備や快適装備を選びやすく、長期的な整備計画を立てやすい点も魅力です。
例えば、60歳で新車を購入して15年間乗れば、75歳時点の車齢は約15年になります。
一方、5年落ちの中古車を購入して同じ15年間乗ると、車齢は約20年です。
この差は、将来の部品交換や整備の見通しを考えるうえで無視できません。
ただし、長く乗るから必ず新車のほうが安くなるわけではありません。
購入時の価格差が大きければ、修理費を含めても中古車の総費用が低くなる可能性があります。
5年前後で見直すなら保証付き中古車
60歳で購入し、65歳ごろに車の使い方を見直す可能性があるなら、保証付き中古車も合理的な選択です。
購入費用を抑えられれば、退職後の生活資金を多く残せるからです。
例えば、新車と中古車の支払総額に80万円の差があれば、その80万円を住宅修繕費や旅行、将来の予備資金に回すこともできます。
ただし、中古車は一台ごとに状態が異なります。
整備履歴が不明確だったり、購入直後に高額な修理が必要になったりすれば、予算が崩れる可能性があります。
そのため、価格だけでなく、保証内容と整備状態を確認することが大切です。
迷ったら高年式の認定中古車
新車の安心感は欲しいけれど、購入費用も抑えたい。
そんな方には、比較的新しい認定中古車が候補になります。
例えば、初度登録から3年程度の車なら、年式やグレードによっては比較的新しい安全装備が搭載され、メーカー保証が一部残っている場合もあります。
ただし、メーカー保証を引き継ぐには所定の点検や保証継承手続きが必要になることがあります。
購入前に販売店で確認してくださいね。
判断項目 新車 高年式認定中古車 一般中古車
購入価格 高め 中間的 幅広い
使用履歴 新車から把握できる 記録で確認 個体差が大きい
保証 メーカー保証 認定保証など 販売店ごとに異なる
安全装備 新しい仕様を選びやすい 比較的新しい 年式次第
初期の故障リスク 比較的低い 状態次第 個体差が大きい
長期所有 計画しやすい 整備状態次第 慎重な確認が必要
向いている人 長期所有・安心重視 費用と安心の両立 初期費用重視
この表は一般的な傾向であり、個々の車両の故障率や将来費用を保証するものではありません。
私が大切にしているのは、新車か中古車かという二択にこだわらないことです。
何年乗るか、いくら残せるか、故障したときに困らないか。
この3つを整理すると、自分に合った車が見えてきますよ。
ホンダ・フィットの新車と3年落ち・5年落ち中古車はどれだけ違う?
新車と中古車の価格差を具体的に考えるため、ホンダ・フィットを例に比較してみましょう。
フィットは日常の買い物から通勤、旅行まで幅広く使えるコンパクトカーで、定年後の車選びでも検討しやすい一台です。
今回は、2026年7月改良型の新車と、2023年式、2021年式の中古車掲載例を取り上げます。
2026年7月改良型フィットの新車価格
Hondaは2026年7月9日にフィットの改良を発表し、翌7月10日に発売しました。
今回の改良ではタイプ構成が見直され、従来のHOMEに代わる位置づけとしてZ、BASICに代わる位置づけとしてXが設定されています。
また、Zでは前席シートヒーターなどの快適装備が標準化されました。
比較の基準となる主な車両本体価格は、次のとおりです。
2026年型フィット 駆動方式 税込車両本体価格
X ガソリン FF 1,806,200円
Z ガソリン FF 2,145,000円
e:HEV Z FF 2,499,200円
Hondaの2026年7月改良型に関する公表価格を基に整理しています。
なお、e:HEV Xやe:HEV RSを含む全タイプの価格は、購入時にHondaの最新価格表で確認してください。
上記の金額には、登録関連費用、税金、保険料、販売店装着用品などが含まれていません。
例えば、e:HEV Zの車両本体価格は約250万円ですが、実際の支払総額はこれより高くなる可能性があります。
ナビやドライブレコーダー、フロアマットなどを追加すれば、その分だけ予算も増えます。
中古車と比較する際には、必ず新車側も支払総額の見積もりを取ることが大切です。
2023年式フィットの中古車掲載例
2023年式のフィットは、2026年時点で約3年落ちに相当します。
カーセンサーに掲載されていた2023年式「フィット e:HEV HOME」には、次のような例があります。
項目 掲載内容
車種 フィット e:HEV HOME
年式 2023年
走行距離 約2.4万km
車両本体価格 188.8万円
支払総額 199.9万円
修復歴 なし
保証 あり
この車両には、ナビ、バックカメラ、衝突被害軽減システムなどが装備されていると紹介されていました。
ただし、これは元記事で取り上げた掲載例であり、今回、個別の掲載ページ、販売店名、在庫継続、保証の詳細条件まで独立して再確認できたものではありません。
実際の購入判断には、販売店名、車両識別情報、車両状態証明書、保証書の内容が確認できる最新の掲載情報を使用してください。
また、2023年型HOMEと2026年型Zでは、装備や仕様が異なります。
価格差のすべてが経過年数による値下がりではない点に注意しましょう。
2021年式フィットの中古車掲載例
5年落ちに相当する2021年式では、さらに購入費用を抑えられる車両もあります。
元記事で紹介したHonda Cars 静岡の掲載例は、次のような内容でした。
項目 掲載内容
車種 フィット e:HEV HOME Casa
年式 2021年
走行距離 約3.5万km
車両本体価格 163.8万円
支払総額 176.5万円
修復歴 なし
車検 車検整備付き
また、カーセンサーには、同じ2021年式e:HEV HOME Casaで走行距離約4.5万km、支払総額165.9万円という掲載例もありました。
これらも元記事で参照した価格例であり、2026年10月21日現在の販売継続や個別条件を再確認できたものではありません。
中古車価格は、走行距離、装備、車両状態、保証、販売店によって変動します。
最新の価格や在庫は、Honda認定中古車検索や販売店の掲載情報で確認しましょう。
新車と中古車の価格差を比較
今回の3台を整理すると、次のようになります。
比較項目 2026年新車 2023年中古車 2021年中古車
グレード e:HEV Z e:HEV HOME e:HEV HOME Casa
年式 2026年 2023年 2021年
経過年数 0年 約3年 約5年
車両本体価格 249.92万円 188.8万円 163.8万円
支払総額 要見積もり 199.9万円 176.5万円
走行距離 新車 約2.4万km 約3.5万km
保証 新車保証 掲載上あり 詳細要確認
中古車の価格は元記事で紹介した掲載例です。現在の在庫価格を保証するものではありません。
また、新車と中古車は同一グレードではなく、新車の支払総額も未確定です。
したがって、249.92万円と176.5万円を単純に差し引いた金額を、実際の購入価格差として扱うことはできません。
それでも、車齢が3年、5年と進むことで購入予算に違いが生まれることは分かります。
販売現場の視点で比較するなら何を見る?
私がこうした価格表を確認するとき、重視したいのは「同じ条件にどれだけ近づけられるか」です。
長年ディーラーで車選びの相談に向き合ってきた立場からも、グレードや装備が異なる車を価格だけで比較すると、判断が難しくなると感じています。
例えば、今回の3台はいずれもe:HEVですが、年式によって装備構成が異なります。
2026年型Zには前席シートヒーターなどが標準装備されている一方、2021年式HOME Casaにも独自の快適装備があります。
そのため、購入前には次の条件をそろえたいところです。
- e:HEV同士など、パワートレインをそろえる
- FFと4WDを混在させない
- ナビや安全装備など必要な装備を確認する
- 車検残期間と納車整備内容を確認する
- 保証期間と保証対象部品を比較する
- 諸費用込みの支払総額で判断する
特に重要なのは、新車の車両本体価格と中古車の支払総額を直接比較しないことです。
例えば、中古車の支払総額に車検整備費用が含まれていても、タイヤ交換などが別途必要になる場合があります。
一方、新車ではオプションを追加しすぎると、当初の予算を大きく超えることもあります。
同じ使い方を想定して、同じ装備水準に近づけて比較することが、納得できる車選びにつながります。
2021年型と2026年型の安全装備にも注目
フィットにはHonda SENSINGが採用されていますが、年式やグレードによって機能や作動条件が異なる場合があります。
同じ名称の安全運転支援システムでも、すべての機能が同じとは限りません。
購入前には、衝突被害軽減ブレーキ、車線維持支援、駐車時の周囲確認機能などを個別に確認しましょう。
特に定年後の車選びでは、駐車場での取り回しや夜間の視認性が重要になる方もいるでしょう。
ただし、安全運転支援装備は事故を完全に防ぐものではありません。
装備の有無だけでなく、実際に運転して操作感を確かめることが大切ですよ。
定年後の最後の車は5年・10年・15年で総費用がどう変わる?
最後の車の経済性を判断するには、購入時の価格だけでなく、所有期間全体の支出を比較する必要があります。
ここでは、5年、10年、15年という3つの期間について、同じ計算条件を使って比較します。
総所有費用の計算式
総所有費用とは、車を購入してから手放すまでに、実質的にどれだけ費用がかかったかを表すものです。
基本的には、次の式で計算できます。
総所有費用=購入支払総額+税金+燃料費+保険料+車検・整備費+修理費+ローン金利-売却額
駐車場代や洗車代などが必要な場合は、それらも加えます。
例えば、300万円で購入した車を5年間所有し、その間の維持費が100万円、売却額が120万円だった場合を考えましょう。
総所有費用は、300万円+100万円-120万円=280万円です。
購入時に300万円支払ったからといって、5年間の実質負担が300万円だけで決まるわけではありません。
この考え方は、中古車でも同じです。
比較条件を統一して試算する
以下は、計算方法を分かりやすくするために設定した架空のモデルケースです。
実際のフィットの販売価格、維持費統計、故障率、将来の査定額を示すものではありません。
比較条件は次のように設定します。
項目 新車 中古車
購入支払総額 250万円 150万円
購入時点の車齢 0年 5年
年間走行距離 8,000km 8,000km
年間税金 3.5万円 3.5万円
年間燃料費 6万円 6万円
年間任意保険料 5万円 5万円
ローン金利 0円 0円
年間税金3.5万円は試算用の仮定であり、実際のフィットの税額を表していません。
また、燃料費と保険料を同額に設定していますが、実際には年式、車両状態、保険条件、燃費などによって違いが生じます。
修理費と車検・消耗品費は別々に計算し、重複しないようにします。
将来の売却額も架空の仮定です。
5年間所有する場合の総費用
60歳で購入して65歳まで乗る場合を考えます。
以下は実測値ではなく、計算例です。
費用項目 新車 中古車
購入支払総額 250万円 150万円
税金5年分 17.5万円 17.5万円
燃料費5年分 30万円 30万円
任意保険5年分 25万円 25万円
車検・消耗品費 15万円 25万円
修理費 5万円 15万円
売却額 −100万円 −40万円
総所有費用 242.5万円 222.5万円
月平均 約40,417円 約37,083円
この条件では、中古車のほうが5年間で20万円安くなります。
購入時には100万円の差がありましたが、売却額と整備・修理費を含めると差が縮まりました。
ここが、購入価格だけで判断することの難しいところです。
特に5年間で手放す予定なら、将来の売却価格が結果を大きく左右します。
10年間所有する場合の総費用
次に、60歳から70歳まで10年間乗るケースです。
こちらも実際の平均維持費ではなく、架空の計算例です。
費用項目 新車 中古車
購入支払総額 250万円 150万円
税金10年分 35万円 35万円
燃料費10年分 60万円 60万円
任意保険10年分 50万円 50万円
車検・消耗品費 35万円 55万円
修理費 15万円 45万円
売却額 −40万円 −10万円
総所有費用 405万円 350万円
月平均 約33,750円 約29,167円
この仮定では、中古車のほうが55万円安くなります。
ただし、中古車は購入時点で5年落ちなので、10年後には車齢約15年です。
エアコン、足回り、電装品などの修理が必要になれば、想定費用が増える可能性があります。
反対に、整備状態が良く、大きな故障が発生しなければ、中古車の経済的なメリットが残る場合もあります。
15年間所有する場合の総費用
60歳から75歳まで乗るケースでは、車齢の違いがさらに重要になります。
新車は15年落ち、中古車は20年落ちになる想定です。
以下も故障実績や統計に基づかない架空の計算例です。
費用項目 新車 中古車
購入支払総額 250万円 150万円
税金15年分 52.5万円 52.5万円
燃料費15年分 90万円 90万円
任意保険15年分 75万円 75万円
車検・消耗品費 65万円 100万円
修理費 40万円 90万円
売却額 −10万円 0万円
総所有費用 562.5万円 557.5万円
月平均 約31,250円 約30,972円
この条件では、中古車が5万円安くなります。
15年間で5万円の差なら、年間では約3,333円、月平均では約278円です。
つまり、今回の仮定では、15年間所有した場合の経済的な差はかなり小さくなります。
ただし、これは新車と中古車の維持費が実際にこのように推移するという予測ではありません。
特に車齢13年超の自動車税種別割や重量税の重課、経年による燃費変化、保険料変動、修理費の増減は、この単純化した試算には反映していません。
実際の15年間の費用を見積もる際には、これらの条件を追加して再計算する必要があります。
5年・10年・15年の比較結果
3つの試算をまとめてみましょう。
所有期間 新車の総費用 中古車の総費用 差額
5年間 242.5万円 222.5万円 中古車が20万円安い
10年間 405万円 350万円 中古車が55万円安い
15年間 562.5万円 557.5万円 中古車が5万円安い
この表は、前述の仮定に基づく計算結果であり、一般的な新車・中古車の優劣を示すものではありません。
ここで注目したいのは、所有期間が長くなるほど中古車が必ず不利になるわけではないことです。
今回の試算では、10年間の差額が5年間より大きく、15年間では小さくなっています。
これは、設定した修理費や売却額による結果です。
条件を変えれば、新車が有利になるケースも、中古車の差がさらに広がるケースもあります。
購入価格差100万円は修理費をどこまで吸収できる?
もう一つ、覚えておきたい計算があります。
例えば、新車と中古車の購入価格差が100万円だった場合、中古車に追加修理費が発生しても、直ちに新車より高くなるわけではありません。
中古車の追加修理費が50万円なら、購入価格と追加修理費だけの比較では、まだ50万円の差が残ります。
追加修理費が100万円になれば、その2項目だけでは差がなくなります。
ただし、実際の損益分岐点は、売却額、税金、燃料費、保険料、整備費などの差によって変わります。
「故障したら中古車は損」と決めつけず、購入時の価格差と将来の追加費用を分けて考えることが重要です。
一方で、修理費以外の負担も忘れてはいけません。
車が使えない期間にレンタカーが必要になったり、予定を変更したりすることもあります。
金額だけでは測れない安心感も、最後の車選びでは大切な判断材料になりますよ。
中古車の故障リスクは年式でどう変わる?点検項目と保証の注意点
中古車の故障リスクは、年式や走行距離だけでは判断できません。
整備履歴、使用環境、保管状況、過去の修理内容などによって、車両の状態は大きく異なります。
ここでは、3年落ち、5年落ち、10年以上経過した車について、確認したい項目を整理します。
3年落ちの中古車で確認したいこと
3年落ちの中古車は、比較的新しい安全装備を備えている場合があり、購入候補にしやすい年式です。
ただし、年式が新しいからといって、点検が不要になるわけではありません。
確認したいのは、タイヤの摩耗、補機バッテリー、ブレーキ、エアコン、電装品などです。
また、メーカー保証が残っている場合には、保証継承の条件を確認しましょう。
特に、初回車検の時期が近い車両では、車検費用や交換部品の有無も重要です。
購入時の支払総額が安くても、納車直後にタイヤ交換や車検整備が必要になれば、追加費用が発生します。
5年落ちの中古車で確認したいこと
5年落ちになると、購入後の所有期間によっては、複数の消耗品交換が重なる可能性があります。
例えば、タイヤ、補機バッテリー、ブレーキ関連部品、ワイパーなどです。
さらに、エアコンや足回りの状態も確認したいところです。
ただし、これらの部品が5年で必ず故障したり、交換時期を迎えたりするわけではありません。
走行距離や使用環境によって状態は異なります。
重要なのは、交換が必要な部品を購入前に把握することです。
例えば、車両本体価格が安くても、タイヤ4本の交換やバッテリー交換が近ければ、購入後の負担が増えます。
販売店に納車整備の内容を確認し、必要な交換費用を含めて比較しましょう。
10年以上経過した中古車で注意したいこと
10年以上経過した車では、消耗品だけでなく、経年劣化による修理にも注意が必要です。
代表的な確認対象は、次のとおりです。
点検・交換項目 主な確認内容
タイヤ 摩耗、ひび割れ、製造年
補機バッテリー 電圧、劣化状態
ブレーキ パッド、ディスク、作動状態
足回り ゴム部品、異音、がたつき
エアコン 冷暖房性能、異音
冷却系統 冷却水漏れ、ホース類
電装品 センサー、スイッチ、表示装置
ハイブリッド機構 診断結果、保証範囲
この表は故障発生率のランキングではなく、購入前に確認したい項目を整理したものです。
実際の交換時期は、メーカーの点検基準と車両状態に従って判断してください。
修理費も車種や部品、作業内容によって大きく異なります。
そのため、「10年落ちなら修理費が年間何万円かかる」と一律に決めることはできません。

走行距離3万kmと8万kmではどちらが安心?
中古車選びでは、走行距離が短いほど安心だと思いがちですよね。
しかし、走行距離だけで状態の良し悪しは決まりません。
例えば、定期点検を受け、適切に整備されてきた8万kmの車と、整備履歴が不明確な3万kmの車では、前者のほうが良好な状態である可能性もあります。
また、走行距離が少なくても、長期間ほとんど動かされていなかった車では、バッテリーやタイヤなどの状態に注意が必要です。
私が確認したいのは、距離の数字そのものよりも、その距離をどのように走ってきたかです。
整備記録簿を確認し、定期点検やオイル交換などが適切に行われていたかを見ておきましょう。
なお、修復歴なしという表示も、過去に一切の損傷や板金修理がなかったことを意味するわけではありません。
車両状態証明書などを確認し、不明な点は販売店へ質問することが大切です。
Honda U-Selectの保証内容は?
ホンダには、認定中古車制度「Honda U-Select」があります。
Hondaの認定中古車制度では、車両状態の確認や点検整備、保証などが組み合わされています。
代表的な区分は、U-SelectとU-Select Premiumです。
区分 基本的な無料保証 確認したい内容
U-Select 原則1年間 対象車両、保証範囲
U-Select Premium 原則2年間 認定基準、保証条件
延長保証 加入条件による 延長期間、費用、対象部品
上記は制度の基本的な案内を整理したもので、すべての販売車両に同じ条件が適用されることを保証するものではありません。
年式、走行距離、車両価格などによって保証条件や例外が設けられる場合があります。
U-Select Premiumには通常のU-Selectより厳しい認定基準が設けられていますが、具体的な年式・走行距離条件は購入時の最新規定を確認してください。
また、延長保証の加入可否や最長期間も車両条件によって異なります。
購入時には、Hondaの認定中古車公式案内と販売店が交付する保証書を照合しましょう。
保証があっても自己負担になる費用は?
保証付き中古車でも、すべての修理費が無料になるわけではありません。
例えば、タイヤ、ワイパー、ブレーキパッドなどの通常の摩耗や消耗に伴う交換は、保証対象外となる場合があります。
また、保証対象部品であっても、使用状況や故障原因によって適用条件が異なることがあります。
購入前には、次の点を確認しておきたいですね。
- 保証期間と走行距離制限
- 保証対象となる部品
- 消耗品や経年劣化の扱い
- 修理費の上限や自己負担の有無
- 保証修理を受けられる販売店
- 延長保証の加入条件
- 故障時の代車対応
特に最後の車として長く乗る場合、保証期間が終わった後の整備体制も重要です。
保証が2年間付いていても、10年間所有するなら残り8年間は別途修理費に備える必要があります。
販売店で「保証付きです」と説明されたら、どこまで保証されるのかを具体的に確認しましょう。
ハイブリッド中古車の駆動用バッテリーは大丈夫?
フィットe:HEVのようなハイブリッド車には、一般的な補機バッテリーとは別に、駆動用の高電圧バッテリーが搭載されています。
このバッテリーは、一定年数が経過したら必ず交換するというものではありません。
ただし、使用状況や経年によって性能が低下する可能性があります。
中古車を購入する際には、ハイブリッドシステムの診断結果や警告表示の有無を確認したいところです。
また、保証の対象となる部品と期間も重要です。
Hondaの販売店によっては、認定中古車のハイブリッド機構について長期保証を案内している場合があります。
ただし、初度登録からの経過年数、対象部品、対象車両などの条件があるため、すべてのハイブリッド中古車に同一の保証が適用されると考えてはいけません。
保証期間の起算日が購入日なのか初度登録日なのかも確認しましょう。
例えば、初度登録から10年間を上限とする保証であれば、5年落ちの車を購入した時点で、残りの保証期間は原則として5年間以内になります。
これは購入後10年間の保証とは異なります。
長く乗る予定なら、保証終了後の点検や修理についても販売店へ相談しておくと安心です。
新車でも故障しないわけではない
新車は購入初期の故障リスクを比較的抑えやすいと考えられますが、故障しないことを保証するものではありません。
また、タイヤやブレーキ、ワイパーなどの消耗品は、新車でも交換が必要になります。
国産乗用車では、一般保証が3年または6万km、特別保証が5年または10万kmという設定が一般的に見られます。
ただし、メーカーや車種、対象部品によって条件は異なります。
購入時には保証書を確認し、保証終了後の整備費用も考慮しましょう。
なお、新車と中古車の実際の故障発生率を同一条件で比較できる統計は、この記事では確認できていません。
したがって、特定の年式について故障確率を数値で断定することは避けています。
定年後の車購入予算はいくら?退職金・税金・ローンの注意点
定年後の最後の車選びでは、購入後にどれだけ生活資金を残せるかが重要です。
現役時代と比べて収入が変わる可能性があるため、購入予算は慎重に決めたいですね。
退職金1,000万円なら車にいくら使える?
例えば、退職金1,000万円を受け取るケースを考えてみましょう。
そのうち300万円を車の購入に使えば、単純計算では700万円が残ります。
しかし、残った700万円がすべて自由に使えるお金とは限りません。
住宅ローン、住宅修繕費、生活費、医療費、家電の買い替えなど、将来必要になる支出があるからです。
また、年金収入や再雇用による収入、預貯金の状況によっても適切な購入予算は変わります。
退職金の何割までなら車に使ってよい、という一律の基準はありません。
私なら、車の購入予算を決める前に、まず生活費と予備資金を確保します。
そのうえで、無理なく支払える金額を考えたいですね。
最後の車だからこそ、少し良い車に乗りたいという気持ちは自然です。
ただし、車を購入したことで旅行や趣味を楽しむ余裕がなくなってしまっては、もったいないと思います。
ローンを利用するなら返済総額も確認
定年後にローンを利用する場合は、月々の返済額だけで判断しないことが大切です。
返済期間が長くなるほど、金利負担が増える場合があります。
例えば、月々の返済額を小さくするために返済期間を延ばすと、将来の生活費に影響する可能性があります。
また、車を手放す時点でローンが残っている場合、売却代金だけでは完済できないこともあります。
購入時には、金利、返済期間、返済総額、途中売却時の条件を確認しましょう。
現金購入が必ず正解というわけではありません。
大切なのは、購入後も生活資金に余裕を残せる返済計画を立てることです。
2026年10月の自動車税制はどうなっている?
車の購入費用を比較する際には、税金の仕組みも確認しましょう。
2026年度の税制改正では、自動車税・軽自動車税の環境性能割について廃止を含む制度変更が行われています。
2026年4月1日以降の取得と、それ以前の取得では、適用される制度を区別する必要があります。
過去の車購入ガイドに掲載された税額や計算方法を、そのまま2026年10月の購入に当てはめるのは適切ではありません。
実際の税額は、取得時期、車種、登録条件などによって異なります。
この記事では、2026年度の税制改正について、法令原文と車種別の適用条件を独立して照合できていないため、個別の税額を断定していません。
購入時には、総務省や自治体の最新案内、販売店の見積書で確認してください。
普通車と軽自動車の税金の違い
普通車の自動車税種別割は、原則として毎年4月1日時点の所有者に課税されます。
ただし、ローンなどで所有権が留保されている場合には、使用者が納税義務者となるケースがあります。
新規登録では、登録月の翌月から年度末までの月割課税が行われるのが基本です。
一方、登録済み中古車の名義変更では、新規登録と同じように購入者へ月割課税されるわけではありません。
販売店との契約によって、自動車税相当額を精算する場合があります。
この精算金は、法律上の納税義務とは区別して考える必要があります。
また、軽自動車税種別割には月割課税がありません。
4月2日以降に新規登録した軽自動車は、原則としてその年度の軽自動車税種別割が課税されず、翌年度から課税対象になります。
ただし、登録済み中古軽自動車の購入では、4月1日時点の課税関係や販売店との精算条件を確認してください。
車齢13年超の税金にも注意
最後の車として15年間乗る場合、車齢による税負担の変化も確認しておきたいところです。
一定年数を経過したガソリン車などでは、自動車税種別割や自動車重量税が重課される場合があります。
一般に、自動車税種別割では初度登録から13年超、重量税でも一定の経過年数が判断基準になります。
ただし、ハイブリッド車などには重課の対象外となる条件があり、すべての車が同じ扱いになるわけではありません。
今回比較したフィットe:HEVについても、該当する税制区分を個別に確認する必要があります。
15年間の総所有費用を計算するときは、現在の税額を15倍するだけでなく、将来の制度変更や車齢による課税条件も考慮しましょう。
車検と任意保険の費用も比較
一般的な自家用乗用車の新車は、初回車検が3年後、その後は原則2年ごとです。
中古車の場合は、購入時点で車検がどれだけ残っているかによって、次回の車検時期が変わります。
また、任意保険料は、運転者の年齢、等級、補償内容、車両保険の有無などによって異なります。
新車と中古車では車両保険の設定や保険料が変わる場合もあります。
購入前に、それぞれの条件で保険料の見積もりを取っておくと安心です。
燃料費についても、カタログ燃費だけでは実際の負担を判断できません。
年間走行距離と普段の走行環境を基に、自分の使い方に近い条件で計算しましょう。
最後の車で後悔しない選び方は?60歳から75歳までの判断ポイント
最後の車選びでは、購入時の満足感だけでなく、5年後、10年後、15年後の使いやすさも考えることが大切です。
ここからは、モーターライフ・アドバイザーとして、特に重視したい判断基準を整理します。
60歳から65歳まで乗るなら購入価格と売却額
5年程度で手放す可能性がある場合は、購入時の支払総額と将来の売却価格を重視しましょう。
新車は購入初期の値下がりが大きい車種もありますが、人気車種では比較的高い売却価格が期待できる場合もあります。
中古車も、購入価格が安いからといって、必ず値下がりが小さいわけではありません。
例えば、購入価格が100万円安くても、5年後の売却額が80万円低ければ、購入価格と売却額の差は20万円しか残りません。
そこに修理費や整備費の差が加わります。
短期間の所有では、将来の売却価格が重要な判断材料になるのです。
ただし、将来の買取価格は正確に予測できません。
複数の販売店で現在の相場を確認し、あくまで参考情報として利用しましょう。
60歳から70歳まで乗るなら保証と整備履歴
10年間所有するなら、新車と高年式認定中古車を中心に比較する方法があります。
新車は購入初期の安心感が魅力ですが、中古車にも購入費用を抑えられるメリットがあります。
私が重視したいのは、購入後の整備費用をどれだけ具体的に見通せるかです。
例えば、5年落ちの中古車を購入して10年間乗るなら、車齢15年までの整備を想定する必要があります。
購入前にタイヤや補機バッテリー、足回り、エアコンなどの状態を確認しておけば、将来の支出を考える材料になります。
また、整備記録が残っている車なら、過去にどのような部品が交換されたかを確認できます。
購入価格だけでなく、これから必要になる整備内容まで含めて比較しましょう。
60歳から75歳まで乗るなら長期整備の見通し
15年間所有する予定なら、購入時点の車齢が特に重要です。
新車を購入すれば15年後の車齢は約15年ですが、5年落ちの中古車なら約20年になります。
車齢が高くなると、ゴム部品、樹脂部品、電装品などの経年劣化が進む可能性があります。
また、車種や部品によっては、将来の補修部品の入手に時間がかかる場合もあります。
ただし、20年経過した車が必ず故障するわけではありません。
適切に整備され、長く使用されている車もあります。
私が15年間の所有を考える場合、購入前に次の3点を確認したいと思います。
第一に、長期的な整備を相談できる販売店や整備工場があることです。
第二に、エアコン、駆動系、電子制御装置など、修理費が大きくなりやすい部分の状態を確認できることです。
第三に、将来修理費が高額になった場合、乗り続けるか手放すかを判断できる予算を残しておくことです。
例えば、車齢が高くなった段階で高額な修理が必要になった場合、修理して乗り続ける方法と、別の車へ乗り換える方法を比較することになります。
そのときに生活資金の余裕がなければ、選択肢が限られてしまいます。
最後の車を長く乗る計画と、途中で手放せる余裕を持つことは、矛盾しません。
むしろ、両方を考えておくことが安心につながると感じています。
乗り降りのしやすさは新車・中古車共通の重要条件
価格や故障リスクと同じくらい、確認してほしいのが乗り降りのしやすさです。
特に60代以降の車選びでは、座面の高さ、ドアの開口部、足元の広さなどが日常の使いやすさに影響します。
例えば、座面が低い車では、乗り込むときに腰や膝への負担を感じる方もいます。
反対に、座面が高い車でも、足を大きく持ち上げる必要があれば乗りにくく感じる場合があります。
つまり、座面が高ければ必ず乗り降りしやすいわけではありません。
購入前には、実際に運転席へ座り、乗り降りを繰り返して確認してみましょう。
また、運転席からの視界、ペダルの位置、スイッチ類の操作感も大切です。
安全装備が充実していても、運転姿勢が合わなければ疲れやすくなる可能性があります。
新車でも中古車でも、自分の体格や運転の仕方に合っていることが、長く快適に乗るための条件になります。
故障したときに困らない車を選ぶ
もう一つ、私が重視したいのは、故障したときの対応です。
例えば、通院や買い物で毎日車を使う方にとって、数日間車が使えないことは大きな負担になるかもしれません。
修理費が保証で無料になったとしても、移動手段が確保できなければ困ってしまいますよね。
そのため、購入前には販売店の整備体制や代車対応も確認しておきましょう。
自宅から通いやすい場所に整備工場があるかどうかも重要です。
車両価格が多少安くても、遠方の販売店まで何度も通う必要があれば、時間や交通費の負担が増える可能性があります。
特に長期所有では、購入した後の相談先が明確であることが安心材料になります。
これからの中古車選びは電子制御の整備対応力も重要
今後、車の電子制御化や安全運転支援装備の高度化が進むほど、故障診断や修理に専門的な設備が必要になる場面が増えると考えられます。
そのため、中古車を長く乗るなら、購入価格だけでなく整備対応力も重要になります。
例えば、センサーや電子制御装置に不具合が発生した場合、専用の診断機器が必要になることがあります。
また、安全運転支援に関わる部品を修理・交換した際には、車種や作業内容によって調整作業が必要になる場合もあります。
私は、こうした車の進化によって、販売店や整備工場を選ぶ重要性がさらに高まると考えています。
新車ならメーカー系販売店との継続的な付き合いが安心材料になります。
中古車でも、適切な診断設備と整備体制を持つ販売店を選ぶことが大切です。
購入時に安い車を探すだけでなく、購入後も安心して使える環境を選ぶ。
これが、これからの最後の車選びで大切になる視点ではないでしょうか。
まとめ|最後の車は新車・中古車・認定中古車を所有期間で選ぼう
最後の車を新車にするか中古車にするかは、購入価格だけでは決められません。
10年以上の長期所有を考え、生活資金に余裕があるなら新車が有力です。
5年前後で車の使い方を見直す可能性があるなら、保証付き中古車も合理的な選択になります。
費用と安心感のバランスを重視するなら、高年式の認定中古車も検討してみましょう。
今回のフィットの比較では、2026年型新車と2023年式・2021年式中古車の価格や装備、保証に違いがあることを確認しました。
また、5年・10年・15年の架空試算からは、購入価格だけでなく、整備費、修理費、売却額を含めて考える必要があることが分かります。
ただし、実際の費用や故障リスクは車両状態と使用条件によって異なります。
購入前には、同等の装備条件で新車と中古車の見積もりを取り、保証内容と整備履歴を確認してください。
そして、5年後、10年後の自分の暮らしを想像してみましょう。
最後の車だからといって、必ず新車である必要はありません。
大切なのは、これからの生活に無理なくなじみ、安心して乗り続けられる一台を選ぶことです。
焦らず、自分に合った車を見つけていきましょうね。
よくある質問
最後の車は新車と中古車のどちらが長く乗れますか?
一般的には、使用履歴のない新車のほうが、購入時点から長期所有の計画を立てやすいでしょう。
ただし、中古車でも適切に整備されていれば長く乗れる可能性があります。年式だけでなく、整備履歴や車両状態、保証内容を確認することが重要です。
60歳で5年落ちの中古車を購入しても大丈夫ですか?
5年落ちという理由だけで避ける必要はありません。
ただし、75歳まで15年間乗る場合、車齢は約20年になります。長期所有を考えるなら、整備履歴、消耗品の状態、保証、将来の修理費や部品供給の見通しを確認しましょう。
最後の車の購入予算は退職金の何割が目安ですか?
退職金の何割という一律の基準はありません。
年金収入、預貯金、住宅費、生活費、医療費などを考慮し、購入後も必要な生活資金と予備資金を確保できる金額に設定することが大切です。
杉原健一(すぎはら けんいち)
モーターライフ・アドバイザー/54歳
長年メーカー直営ディーラーの現場でお客様の車選びや日々の疑問に向き合ってきた経験をもとに、特定のメーカーに偏らない情報発信を心がけています。
車選びに正解は一つではありません。これからも、皆さんが安心して自分らしいモーターライフを楽しめるよう、分かりやすく丁寧にお伝えしていきます。



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