価格を重視するならルーミー、燃費や4WDも比べたいならソリオが候補です。ただし、購入者調査は60代限定ではありません。
この記事では、購入者調査の読み方と、燃費・寸法の比較条件を整理します。年齢だけで車種を決めず、乗り降りや視界、駐車のしやすさを実車で確かめる方法も紹介します。
60代に人気なのはどちら?購入者調査で分かること
確認できた購入者調査は年齢別ではないため、「60代にはルーミーが人気」「ソリオが選ばれている」とは言えません。分かるのは、幅広い年齢の購入者における世帯構成や購入傾向です。
2026年8月10日公開の東洋経済オンラインの記事は、インテージの自動車調査「Car-kit®」を使い、2020年1月以降に新車を購入した人を分析しています。執筆者はインテージの自動車アナリスト、三浦太郎さんです。
分析対象はルーミー4,480人、ソリオ1,741人、シエンタ5,010人、フリード4,481人。ルーミーにはカスタム、ソリオにはバンディットが含まれています。これは車種ごとの購入者サンプル数で、60代の人数ではありません。
同記事によると、2人世帯の割合はソリオが38%、ルーミーが36%。2人以下の世帯は、どちらも45%でした。一方、4人世帯はルーミーが18%、ソリオが17%で、シエンタやフリードより低い割合です。
この数字から読み取れるのは、ルーミーとソリオが夫婦や単身など少人数世帯にも選ばれていることです。ときどき家族や友人を乗せるけれど、3列シートまでは必要ない人にとって、車種を考える手がかりになります。
ただし、2人世帯の割合が高いからといって、乗り降りしやすい、運転しやすいと直接証明されるわけではありません。世帯構成は「誰と使うか」の参考で、体格や体調、駐車環境との相性は実車で確かめる必要があります。
購入者調査の平均価格は、値引き前の車両本体価格とオプション価格の合計で、ルーミー244万円、ソリオ254万円でした。差は10万円ですが、希望グレードや装備がそろった見積もりではありません。現在の支払総額を示す数字でもないため、購入時は最新の価格と装備で見積もりを取り直しましょう。
ソリオとルーミーの価格・燃費差はどう見る?
調査上の平均価格だけを比べると、ルーミーが10万円低い結果でした。一方、燃料代の差は走行距離やガソリン価格によって変わります。購入時の価格と毎年の維持費を分けて計算すると、判断しやすくなります。
東洋経済オンラインの調査にある244万円と254万円は、値引き前の車両本体価格とオプション価格の平均です。税金や登録費用を含む乗り出し総額でも、値引き後の支払額でもありません。装備条件が同一の2台を比べた数字でもないため、ここから「ルーミーの方が必ず10万円安い」とは言えません。
現在の価格は、トヨタのルーミー価格・グレード情報と、スズキのソリオ価格・オンライン見積りで確認できます。車両本体価格だけでなく、必要な安全装備、ナビ、カメラ、冬用タイヤなどを含めて条件を合わせるのがポイントです。
燃費は、資料の時点とグレードをそろえて見る必要があります。以下はメーカーが公表しているWLTCモード燃費の例です。WLTCモードは決められた試験条件による数値で、実際の燃費は気温や渋滞、走り方などで変わります。
車種・条件 WLTCモード燃費 資料・時点
ソリオ HYBRID MG・2WD 22.0km/L スズキ、2025年1月16日発表
ソリオ HYBRID MG・4WD 20.7km/L スズキ、2025年1月16日発表
ルーミー・ノンターボ車 18.4km/L トヨタ公式主要諸元表、2026年10月11日確認
ルーミー・ターボ車 16.8km/L トヨタ公式主要諸元表、2026年10月11日確認
ソリオの数値はスズキの一部仕様変更発表に掲載されたHYBRID MGの値です。ソリオはグレードや駆動方式で価格や装備が異なるため、購入時には最新の主要装備表・主要諸元表も確認してください。
ルーミーの数値は、トヨタの主要諸元・仕様情報に掲載された燃費の例です。グレード、駆動方式、仕様変更の時期によって内容が異なる場合があります。上の燃費だけで希望グレードの価格差まで判断することはできません。
燃料代の違いをイメージするため、2WDの例としてソリオを22.0km/L、ルーミーを18.4km/L、ガソリン価格を1Lあたり170円と仮定して単純計算すると、次のようになります。
年間走行距離 1年間の燃料代差の目安 5年間の差の目安
5,000km 約7,600円 約3万8,000円
10,000km 約1万5,100円 約7万6,000円
15,000km 約2万2,700円 約11万3,000円
この試算では、年間1万kmを5年間走っても差は約7万6,000円です。調査上の平均価格差10万円と単純に見比べると、燃費差だけでは埋まらない可能性があります。ただし、これはカタログ燃費を使った概算で、実燃費や将来のガソリン価格、グレードごとの購入価格は反映していません。
私の見方では、年間走行距離が少ない人ほど、燃費差より購入時の総額や乗降のしやすさが判断に影響しやすくなります。反対に、毎日長い距離を走る人は、燃料代の積み重ねや給油頻度も比較に加えるとよいでしょう。ご自身の走行距離を使って計算し、見積もりの差額と並べてみるのが現実的です。
乗り降りや視界はどう確かめる?
60代だからといって、乗り降りの条件が一律に変わるわけではありません。大切なのは、年齢で決めつけることではなく、ご自身の体格や普段の動作に合うかを車内で確認することです。
カタログの室内高や全高だけでは、シートに腰を下ろしやすいか、足を入れやすいかまでは分かりません。試乗の際は、次の動作をいつものペースで試してみましょう。
- シートに腰を下ろすとき、深く沈んだり大きくよじ登ったりしないか
- 足を車内に入れるとき、ドア開口部やステップにぶつけにくいか
- 座った姿勢から立ち上がるとき、手を添えやすい場所があるか
- 運転席から車両の前端や左右の端を把握しやすいか
- ミラーや後方の見え方が自然で、無理に首を動かさず確認できるか
- メーターやスイッチを、無理のない姿勢で見たり操作したりできるか
- 駐車場で隣の車との間隔が狭いときも、出入りしやすいか
買い物袋を持つ、傘をたたむ、後席に乗る人を待つなど、普段の場面も思い浮かべてください。スライドドアは狭い場所でドアを大きく振り出さずに済む一方、スイッチの場所や開閉方法は車種やグレードで違う場合があります。普段後席を使う人がいるなら、その人にも実際に乗り降りしてもらいましょう。
視界や安全運転支援機能も、装備名だけで判断せず、表示の見やすさや操作方法を確認したいところです。スズキの2025年1月発表では、ソリオに衝突被害軽減ブレーキや車線維持支援機能などを採用したと説明されていますが、装備内容にはグレードによる違いがあります。機能には作動条件や限界があるため、販売店で希望グレードの装備表を見ながら説明を受けてください。
燃費・4WD・ボディサイズの違いは?
ソリオにはマイルドハイブリッド車と4WDの設定があります。ルーミーはガソリン車で、ターボ車は2WDです。雪道や坂道を日常的に走る人は、車名だけではなく、検討するグレードの駆動方式を確認しましょう。
スズキの発表資料では、ソリオのHYBRID MGは2WDが22.0km/L、4WDが20.7km/L。マイルドハイブリッドは、減速時などに蓄えた電力を発進時や加速時に活用する仕組みです。ルーミーにはハイブリッド車の設定がなく、燃費はノンターボ車とターボ車などで異なります。
4WDは、雪道や滑りやすい路面などで走るときの選択肢です。4WDであれば、どのような路面でも安全に走れるという意味ではありません。タイヤの状態や速度、路面状況も関わります。積雪地や坂道を走る頻度を販売店に伝え、駆動方式と冬用タイヤの用意を合わせて相談しましょう。
ボディサイズも、公式諸元に載る数値の例で比べておくと、駐車場との相性を考える手がかりになります。
車種 全長 全幅 数値の確認先
ソリオ 3,810mm 1,645mm スズキ主要諸元表
ルーミー 3,700mmまたは3,705mm 1,670mm トヨタ主要諸元表
この数値の例では、ルーミーは全長が短く、ソリオは全幅が25mm狭い計算です。ただし、グレードや仕様によって数値が変わる場合があります。車体寸法だけで「駐車しやすい」と断定せず、自宅の駐車枠の幅や、車庫入れで必要な切り返しも含めて考えましょう。
私が比較するときに重視したいのは、寸法の数字を自宅周辺の場面に置き換えることです。駐車枠に車を入れたあと、運転席から降りる余裕があるか。よく通る道の角で切り返しが必要か。数字を普段の動線に結びつけると、わずかな全長や全幅の差も判断材料になります。
試乗で何を比べれば選びやすい?
試乗では走り心地だけでなく、乗る・座る・降りる・荷物を積む・駐車する動作まで試すと、日常での使いやすさを確認しやすくなります。同じ人が同じ荷物を使って2台を比べると、記憶だけに頼りにくくなります。
- いつも使うバッグや買い物袋を持って、前席と後席に出入りする
- 運転姿勢を合わせ、前方・左右・後方の見え方を比べる
- 可能なら駐車枠に入れ、車両の端をつかみやすいか確かめる
- 後席に人を乗せる場合、その人にも乗り降りや足元を確認してもらう
- スライドドアのスイッチや開閉操作を試す
- 普段の荷物を積み、荷室の開口部や高さ、後席を動かしたときの変化を見る
- 安全運転支援機能の表示や作動条件をスタッフに説明してもらう
同じ条件での試乗は、車の優劣を決める試験というより、「自分にとって気になる点」を見つけるためのものです。荷物を持参できないときは、縦・横・高さを測っておくと、積めるかだけでなく出し入れのしやすさも尋ねやすくなります。

なお、この記事では実車試乗や販売店への取材、乗降動作の実測は行っていません。ここで紹介した確認項目は、カタログの数値だけでは分かりにくい点を、ご自身で比較するためのチェック方法です。
60代の車選びでは、どちらを選ぶ?
私の考えでは、購入者調査の数字は候補を考える入口として役立ちますが、最終判断を「60代に人気かどうか」に預ける材料にはなりません。調査は幅広い購入者の世帯構成や価格傾向を示すもので、年齢ごとの好みや身体状況を説明するものではないためです。
ルーミーは、調査上の平均購入価格がソリオより低く、車体の全長も短い数値例があります。購入時の予算や駐車場の長さを重視する人は、希望グレードの見積もりと実車の取り回しを確かめる価値があります。
ソリオは、マイルドハイブリッド車の燃費数値や4WDの設定が比較材料になります。年間の走行距離が多い人、雪道を走る機会がある人は、燃費だけでなく駆動方式や装備を含めた総額を見てみましょう。
ここで購入者データから得られる実用的な視点は、「少人数世帯にも選ばれている車だから、後席や荷室を一度も使わないとは限らない」ということです。家族構成が小さくても、通院の付き添いや旅行、買い物で同乗者や荷物が増える場面はあります。普段の一人乗車だけでなく、年に数回の使い方も試乗時に確かめておくと、購入後のミスマッチを減らしやすくなります。
また、調査の平均価格差10万円と、燃費から計算した燃料代の差は、比較の条件が異なります。片方は購入者の平均実績、もう片方はカタログ燃費と仮定したガソリン価格による試算です。両方の数字をそのまま相殺して結論を出すのではなく、希望グレードの見積もりと年間走行距離で考え直してください。
私は、最後は運転席からの見え方と、日常の乗り降りを重視したいと考えます。車はカタログを閉じたあとも、毎日の買い物や送迎で使う道具です。数字で候補を絞ったら、実車の前で座り、乗り降りし、駐車スペースを想像してみてくださいね。
まとめ|ソリオとルーミーは使い方で比べよう
東洋経済オンラインが紹介したインテージの購入者調査では、ルーミーとソリオの購入者に2人以下の世帯が多く含まれていました。ただし、60代限定の人気調査ではありません。
調査上の平均価格はルーミー244万円、ソリオ254万円。燃費の例ではソリオに高い数値があり、4WDの設定もありますが、価格や装備はグレードや時点で異なります。希望する仕様で最新の公式情報と見積もりを確認しましょう。
60代の車選びでは、年齢だけで候補を決めず、乗り降り、視界、駐車、荷物の積み下ろしを実車で確かめることが大切です。数字と普段の使い方を照らし合わせて、毎日無理なく使える一台を選んでください。
よくある質問
60代にはルーミーとソリオのどちらが人気ですか?
ここで取り上げた調査は年齢別の集計ではありません。60代にどちらが人気かは、このデータからは判断できません。
燃費を重視するならソリオですか?
紹介した資料の例では、ソリオHYBRID MGの2WDは22.0km/L、ルーミーのノンターボ車は18.4km/Lです。資料時点やグレードが異なるため、最新の公式諸元を希望グレードごとに確認してください。
乗り降りのしやすさは何を試せば分かりますか?
シートに座る、足を車内に入れる、立ち上がる動作を試しましょう。後席を使う人がいる場合は、その人にも実際に乗り降りしてもらうと安心です。
杉原健一(すぎはらけんいち)
モーターライフ・アドバイザー



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