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70代は車に何年乗る?買い替えと免許返納を見据えた保有年数の考え方

車選び
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70代の車は、公的な推奨年数ではありませんが、70歳なら5〜7年、75歳なら3〜5年を最初の見直し期間にすると考えやすくなります。

その理由は、75歳の免許更新制度、自家用乗用車の車検周期、数年単位で変わる体力や生活環境を重ねると、「10年乗り切る」より数年ごとに続けるか判断する計画の方が現実的だからです。

70代は車に何年乗る?70歳・75歳ではどう考える?

70代で車を買うときは、車そのものの寿命よりも、何歳まで無理なく運転する予定なのかから保有期間を逆算するのがおすすめです。

筆者が目安として考える期間を整理すると、次のようになります。

車を買う年齢 最初に考えたい期間 見直す年齢の目安 主な確認ポイント
70歳 5〜7年 75〜77歳 75歳の免許更新、車検、体力
72歳 5年前後 77歳前後 運転の負担、生活環境
75歳 3〜5年 78〜80歳 認知機能検査、運転への不安
78歳 2〜4年程度 80〜82歳 運転能力、家族の意見、移動手段
80歳前後 年数を固定しない 定期的に確認 安全に運転できるかを最優先

ここで強くお伝えしておきたいのは、「70歳なら5〜7年」「75歳なら3〜5年」は国や警察が示している推奨年数ではないということです。

これは、制度上の節目と車の整備周期、70代以降に起こり得る生活の変化を組み合わせた、筆者独自の判断フレームです。

では、なぜ70歳なら5〜7年なのでしょうか。

70歳で車を買えば、5年後は75歳です。75歳は、運転免許証の更新において認知機能検査が関係してくる大きな節目になります。

さらに、自家用乗用車の車検は新車なら初回が3年、その後は2年ごとです。

たとえば70歳で新車を買った場合、73歳に最初の車検、75歳に次の車検を迎える組み合わせになりやすく、75歳は「免許」と「車」の両方を見直しやすい地点になるわけです。

75歳で新車を買う場合も同じです。

初回車検は78歳、その次は80歳ですから、「3〜5年」という期間で一度考え直すと、車検という自然な区切りを利用できます。

私はこの考え方なら、「何となく5年」と決めるより納得しやすいと思っています。

もちろん、75歳になったから車を手放す必要はありません。

80歳でも安全に運転している方はいますし、反対に70代前半でも運転そのものに負担を感じる方はいらっしゃいます。

ですから年齢は「終了ライン」ではなく、確認するタイミングとして使うのがよいでしょう。

一方、「そもそも車は何年くらい使えるの?」という疑問もありますよね。

一般財団法人自動車検査登録情報協会が公表した2025年3月末時点のデータでは、軽自動車を除く乗用車の平均使用年数は13.35年でした。前年より0.03年長く、4年ぶりに長期化しています。

ただし、この13.35年は「新車を買った人が平均13.35年間所有する」という意味ではありません。

初度登録されてから抹消登録されるまでを基に算出した平均であり、一人のオーナーの保有期間とは別物です。

だからこそ70代では、「車があと何年使えるか」と「自分があと何年この車を使うか」を分けて考えることが大切なのです。


なぜ75歳が車の保有期間を見直す節目になる?

75歳が節目になるのは、免許返納が義務になるからではなく、認知機能検査など運転免許更新の手続きが変わる年齢だからです

まず、運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が70歳以上の場合、高齢者講習が更新に関係します。

さらに、更新期間が満了する日の年齢が75歳以上の方は、原則として認知機能検査を受ける必要があります。一部、医師の診断書を提出した場合など、受検が免除されるケースもあります。

認知機能検査では記憶力や判断力を確認し、結果は「認知症のおそれがある」「認知症のおそれがない」に区分されます。

ここで注意したいのは、この検査だけで認知症を医学的に診断するわけではないことです。

「認知症のおそれがある」と判定された場合には、公安委員会からの通知に基づいて専門医の診断を受けたり、医師の診断書を提出したりする手続きにつながります。

そして75歳以上で、一定期間内に所定の違反歴がある方には運転技能検査があります。

警察庁によると、更新時の基準となる日の前3年間に、普通自動車などの運転で一定の違反をした人が対象です。

対象となる違反には、信号無視、速度超過、横断歩行者等妨害等、安全運転義務違反、携帯電話使用等などが含まれます。

対象者は運転技能検査に合格しなければ、運転免許証の更新を受けることができません。

つまり75歳は、

「もう運転できない年齢」ではなく、「運転を続ける条件を改めて確認する年齢」

と考えるのが正確です。

私はこの制度上の節目を、車の買い替えや保有期間を考えるタイミングとして利用するとよいと思っています。

70歳で買った車なら75歳。

75歳で買った車なら78歳の最初の車検、さらに80歳前後。

こうして「次に考える日」を最初から決めておけば、10年後の自分を今の時点で無理に予測する必要がありません。


70代は買い替えるべき?今の車を乗り続けてもよい条件

70代になったからという理由だけで、今の車を買い替える必要はありません。

故障が少なく、自分が迷わず扱え、運転そのものに負担を感じないなら、乗り慣れた車を継続することも十分合理的です。

これは意外と大切なポイントです。

新しい車には衝突被害軽減ブレーキや駐車支援など便利な機能がありますが、車が新しくなるほど必ず本人にとって操作しやすくなるとは限りません。

電子式シフト、電動パーキングブレーキ、大型ディスプレイ、ステアリングスイッチなど、慣れるまで戸惑う装備もありますよね。

長年ディーラーの店頭でお客様のお話を伺ってきた経験からも、年齢を重ねた方の車選びでは、装備の数より「考え込まずに操作できるか」がとても重要だと感じています。

一方、次のような変化が出ているなら、車が壊れていなくても買い替えを考える価値があります。

  • 車体が大きく感じ、狭い道や駐車場で気を使うようになった
  • 車庫入れの切り返しが以前より増えた
  • 左右や斜め後方の確認がつらくなった
  • 運転席への乗り降りで足腰に負担を感じる
  • メーターやスイッチが見づらくなった
  • 夜間や雨天時の運転が以前より疲れる
  • より新しい衝突被害軽減ブレーキなどを利用したい

70代の買い替えは、「古いから新しくする」というより、今の身体や生活に車を合わせ直す作業と考えると分かりやすいでしょう。

販売店で候補車を見るとき、私なら次の5項目を確認します。

1. 視界|前だけでなく左右・斜め後方まで見る

普段の運転姿勢に合わせ、交差点や後退時を想定して確認します。
2. 乗り降り|一度ではなく何度か試す

座面の高さ、足の上げ下げ、ドアの開口部が身体に合うかを見ます。
3. 駐車|バックカメラだけに頼らず実際に試す

車幅感覚、ハンドルの切れ方、後方の見え方まで確認しましょう。
4. 操作|日常的に使う装置を自分で触る

シフト、パーキングブレーキ、エアコン、ワイパー、ライトなどを迷わず使えるかが重要です。
5. 数年後|今ではなく3〜5年先の生活も想像する

遠出が減り、通院や買い物中心になった場合にも扱いやすいかを考えます。

特に全周囲カメラなどの装備は、「付いているか」だけでは判断しないでください。

画面が小さかったり、表示の切り替え方法が分かりにくかったりすれば、せっかくの機能を十分に生かせません。

安全装備の数より、自分が使いこなせる安全装備かどうか。

70代の車選びでは、ここまで確認して初めて「自分に合う車」と言えると私は考えています。


75歳で新車を買うなら何年乗る?3〜5年で見直す理由

75歳で新車を買うこと自体は、決して遅いとは言えません。

ただし私は、75歳で購入するなら、まず3〜5年で一度見直す前提で予算を考えることをおすすめします。

この3〜5年という数字にも理由があります。

75歳で新車を購入すると、自家用乗用車なら最初の車検が原則3年後の78歳、その次が2年後の80歳です。

つまり、78歳と80歳に「このまま乗り続けるか」を自然に確認できます。

ここで見るのは車の故障だけではありません。

運転した後の疲れ方、駐車への苦手意識、視界、乗降、家族から見た運転、通院や買い物の変化なども一緒に確認します。

75歳から10年間所有すれば85歳です。

それ自体が悪いわけではありませんが、75歳の時点で85歳の自分の体力や生活環境まで正確に想像するのは難しいですよね。

そこで購入前に、次の質問をしてみてください。

「3年後や5年後に手放すことになっても、この金額なら納得できるだろうか?」

私はこの質問が、70代後半の車選びではとても役立つと思っています。

「人生最後の車になるかもしれないから」と予算いっぱいの車を購入する考え方もあります。

本人がその車を無理なく扱え、家計にも問題がなく、その車で実現したい楽しみがあるなら、その価値観を否定する必要はありません。

ただし、「高かったから運転をやめられない」という状態だけは避けたいところです。

78歳で本人が怖さを感じているのに、

「まだ3年しか乗っていない」

「新車だったのにもったいない」

と考えてしまえば、車の購入価格が運転継続の判断に影響してしまいます。

そこで私は、70代の後半では乗りつぶす前提ではなく、途中で手放せる前提で買うことを一つの考え方として提案したいのです。

将来の売却価格も確実ではありません。

車種、グレード、走行距離、ボディカラー、事故歴や車両状態、中古車市場の需給などによって変わります。

「5年後でも高く売れるから大丈夫」と決め打ちせず、売却額が想定より低くても家計に困らない予算にしておく方が安心ですね。


免許返納は何歳?車を買うときから返納後も考えておく

免許の自主返納には、「○歳になったら必ず返納する」という一律の年齢はありません。

警察庁では、運転免許が不要になった人や、加齢に伴う身体機能の低下などによって運転に不安を感じる人が、自らの意思で返納できる制度として案内しています。

ですから、「75歳になったから返納」「80歳なら全員返納」と年齢だけで決めるものではありません。

むしろ注意したいのは、日常の小さな変化です。

「夜の運転が怖くなった」

「車庫入れに時間がかかる」

「知らない道を走りたくなくなった」

「運転した後に以前より疲れる」

こうした本人の感覚は、数字には表れにくいものの、とても大切な判断材料です。

さらに、小さな接触が増えた、標識や信号を見落としそうになった、同乗する家族が怖さを感じるようになった、といった変化も確認したいところです。

そのとき、「次の車検まで残っているから」「買ってまだ3年だから」と判断を先送りしないことが大切です。

私は70代で車を買う段階から、運転をやめた後の移動方法を一度だけでも調べておくことをおすすめします。

これは返納を急かすためではありません。

「必要になったときに慌てないための予備プラン」です。

たとえば、

  • スーパーまでバスで行けるか
  • 通院をタクシーに替えた場合の費用はどの程度か
  • 自治体に高齢者向けの移動支援があるか
  • 食品や日用品の宅配を利用できるか
  • 家族に送迎を頼める場面はあるか

を確認しておきます。

車を手放すことへの不安は、「移動できなくなるかもしれない」という不安でもありますよね。

逆に、「通院はバスとタクシーでできる」「重い買い物は宅配を使える」と分かっていれば、返納を考えるときの心理的な負担は小さくなります。

自主返納後には、条件を満たせば運転経歴証明書を申請できます。

警察庁によると、自主返納から5年以上経過した場合などは交付を受けられないため、希望する場合は期間にも注意が必要です。

2012年4月1日以降に交付された運転経歴証明書は、公的な本人確認書類として利用できます。

また、2025年3月24日からは、マイナンバーカードに運転経歴情報を記録するマイナ経歴証明書の全国運用も始まっています。

従来の運転経歴証明書だけを持つ方法、マイナ経歴証明書を持つ方法、両方を持つ方法から選択できます。

自主返納者向けの公共交通や買い物などの支援については、自治体や事業者ごとに内容が異なります。

制度も変更される可能性があるため、実際に手続きをするときは警察庁や都道府県警察、自治体の最新情報を確認してくださいね。


70代の車選びでは「何年乗るか」より見直す日を決めよう

ここからは筆者としての考えです。

70代の車選びで大切なのは、購入時に「10年乗る」と決めることではなく、次に判断する日を決めておくことだと思っています。

たとえば70歳で新車を買うなら、

73歳の初回車検で一度確認し、75歳の免許更新や次の車検を大きな見直し地点にする。

75歳で新車を買うなら、

78歳の初回車検、80歳前後の次の車検を見直し地点にする。

この方法なら、最初に「いつまで運転するか」という答えを出す必要がありません。

まだ安全に運転でき、本人も不安を感じておらず、車も生活に必要なら乗り続ければいいのです。

反対に状況が変われば、その時点で車を小さくする、家族と共有する、運転する時間帯を限定する、あるいは返納を考えることもできます。

私は、返納年齢を決めるより見直し年齢を決める方が、本人にも家族にも受け入れやすいと考えています。

長く運転してきた方にとって、車は単なる移動手段ではありません。

買い物へ自由に出かけられること、趣味を続けられること、夫婦で好きな場所へ行けることなど、日々の生活そのものと結びついています。

そのため家族が突然、

「もう年なんだから運転をやめて」

と伝えても、簡単には受け入れられないことがあります。

一方、車を買った時点から、

「75歳になったら一度一緒に確認しよう」

「次の車検でまた考えよう」

と話しておけば、それは運転を取り上げる話ではなく、以前から決めていた定期点検のような話になります。

車にも定期点検があるように、運転との付き合い方にも定期的な見直し日を作る

これが、この記事で私が一番おすすめしたい考え方です。

そして、途中で車を手放したとしても「もったいなかった」とは限りません。

75歳で買った車を80歳で手放せば、車自体にはまだ十分使える可能性があります。

それでも5年間、安全に買い物や通院へ行けた。

夫婦で旅行を楽しめた。

趣味を続けられた。

それなら、その車は役割を十分に果たしたと私は思います。

平均使用年数が13.35年だからといって、自分も13年以上所有しなければ損という話ではないのです。

車の寿命を使い切ることと、自分に必要な期間だけ車を使うことは別。

この2つを分けて考えると、70代の車選びはずいぶん楽になりますよ。


まとめ|70代は70歳なら5〜7年、75歳なら3〜5年を最初の区切りに

70代で車に何年乗るか迷ったら、公的な推奨年数ではありませんが、70歳なら5〜7年、75歳なら3〜5年を最初の見直し期間にすると考えやすくなります。

70歳で新車を買えば、原則として73歳に最初の車検、75歳に次の車検を迎えます。75歳は認知機能検査など免許更新制度の節目でもあるため、車と運転を同時に確認しやすい時期です。

75歳で新車を買うなら、78歳の初回車検、80歳前後の次の車検が自然な見直し地点になります。

これが「70歳5〜7年」「75歳3〜5年」という筆者の目安を考える基本的なロジックです。

一方、2025年3月末時点で軽自動車を除く乗用車の平均使用年数は13.35年です。

車そのものは長く使える時代だからこそ、70代では「あと何年もつか」だけでなく、あと何年、自分が安心して扱えるかを考えることが大切になります。

今の車が扱いやすく、運転にも不安がなければ、年齢だけを理由に買い替える必要はありません。

反対に、駐車や乗降、視界、操作に負担を感じ始めたなら、車齢が若くても買い替えや運転方法の見直しを考えてよいでしょう。

そして新しい車を買うなら、「10年乗らなければ損」と自分を縛らないことです。

3年後や5年後に手放しても納得できる予算で、自分が迷わず扱える車を選ぶ。

さらに、75歳、次の車検、80歳など「もう一度考える日」を家族とも共有しておく。

未来を今すべて決める必要はありません。

車と同じように、運転との付き合い方も定期的に点検しながら、その時の自分に合う答えを選んでいきましょうね。


よくある質問

70歳で車を買ったら何年乗るのがいいですか?

一律の正解や公的な推奨年数はありませんが、筆者としては5〜7年を最初の検討期間にすると考えやすいと思います。

70歳で新車を買えば原則73歳に初回車検、75歳に次の車検を迎え、75歳は免許更新制度でも大きな節目です。

75歳で一度確認し、問題がなければその先も乗り続ける、という柔軟な考え方がおすすめです。

75歳で新車を買ったら何年乗れますか?

年齢だけで何年乗れるかを決めることはできませんが、筆者なら3〜5年で一度見直す計画を立てます。

75歳で新車を買えば、原則として78歳が初回車検、80歳がその次の車検になります。

そのタイミングで視界、駐車、乗降、運転後の疲れ、生活環境などを確認し、問題がなければさらに乗り続ければよいでしょう。

免許返納は何歳でするべきですか?

自主返納に一律の年齢はありません。

75歳以上では認知機能検査など免許更新制度上の節目がありますが、「75歳になったから返納」という制度ではありません。

年齢だけでなく、駐車ミスが増えた、夜間運転が怖い、運転後の疲れが強い、本人や家族が不安を感じるといった変化も判断材料にしてください。

杉原健一

モーターライフ・アドバイザー

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