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60歳で買った新車は何年乗る?最後の買い替え時期から逆算する考え方

60歳の男性が新車の横で67歳70歳75歳までのカーライフを思い描いている場面 車選び
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60歳で新車を買うなら、まず7〜10年を一区切りにし、67〜70歳で「乗り続けるか」を再判断するのが現実的です。

ただし年齢だけで決めるのではなく、年間走行距離、整備履歴、乗り降りや駐車の負担まで一緒に見ることが大切ですよ。

60歳で買った新車は何年乗る?まず7〜10年が一つの目安

60歳で新車を買った場合、私は7〜10年を最初の見直し時期として考えることをおすすめします。

7年乗れば67歳、10年なら70歳です。車の状態だけでなく、その時点の生活や運転のしやすさまで含めて判断し直せる、ちょうどよい節目だからです。

実際、日本自動車工業会が2026年4月14日に公表した「2025年度乗用車市場動向調査」では、前に保有していた車の平均保有期間は7.2年でした。

そのうち前保有新車は平均7.3年、前保有中古車は7.1年で、さらに10年を超えて保有した車が3割弱を占めています。

出典:一般社団法人日本自動車工業会「2025年度乗用車市場動向調査」

ひとつ前の「2023年度乗用車市場動向調査」でも、平均保有期間は7.2年、前保有新車は7.7年でした。

つまり、7年前後で買い替える人がいる一方、10年以上大切に乗る人も珍しくないということですね。

ただし、ここで注意したいことがあります。

「平均7年だから7年で売る」という意味ではありません。

平均値はあくまで、たくさんの人の買い替え結果をならした数字です。

60歳からのカーライフでは、「何年乗ったか」以上に、次に判断するとき自分が何歳になっているかが重要になります。

  • 60歳で購入 → 7年後は67歳
  • 60歳で購入 → 10年後は70歳
  • 60歳で購入 → 13年後は73歳
  • 60歳で購入 → 15年後は75歳

このように並べると、「15年乗れる車を探そう」と考えるより、「70歳の自分にまだこの車が合っているだろうか」と考えたほうが、ずっと現実的に見えてきますよね。


年数だけでは決められない?走行距離と整備履歴も確認しよう

同じ「10年乗った車」でも、状態はまったく同じではありません。

たとえば年間3,000km走る人なら、10年間で約3万kmです。一方、年間1万5,000kmなら、10年間で約15万kmになります。

年式は同じ10年でも、車が経験してきた距離には約12万kmもの差が生まれます。

ですから、60歳から新車に何年乗るか考えるときは、年数・走行距離・整備履歴の3つをセットで見るのがおすすめです。

目安としては、次のように確認すると分かりやすいでしょう。

  • 年間走行距離は何kmくらいか
  • これまで定期点検や消耗品交換をきちんと行っているか
  • 大きな修理が増えていないか
  • エンジンやハイブリッドシステムだけでなく、エアコンや電装品にも不具合がないか
  • タイヤやブレーキなど今後まとまった交換費用が必要にならないか

「10年・10万km」という言葉を耳にすることがありますが、これは10年または10万kmで一律に車の寿命を迎えるという公的な基準ではありません。

使われ方も整備状態も違いますから、10年という数字だけで機械的に買い替える必要はないのですね。

逆に、年数が浅くても走行距離が多く、大きな修理が続いているなら、早めに買い替えを検討したほうがよいケースもあります。

私が大切だと思うのは、「何年乗ったか」というカレンダーだけではなく、その車がどんな10年間を走ってきたのかを見ることです。

人間でいえば年齢だけで健康状態を判断しないのと少し似ていますね。


67歳・70歳・73歳では何を確認すればいい?

60歳で新車を購入したら、67歳、70歳、73歳あたりをチェックポイントとして考えると、買い替え計画が分かりやすくなります。

それぞれ確認したいポイントが少しずつ違います。

7年目・67歳では「今の暮らしに合っているか」を確認

60歳から7年乗ると67歳です。

ここでは車が古いかどうかより、現在の生活にその車がまだ合っているかを確認してみましょう。

購入時には仕事や旅行で長距離を走っていたのに、退職後は近所への買い物が中心になっているかもしれません。

子どもや孫を乗せるために大きなミニバンを選んだものの、今ではほとんど一人か二人しか乗らないということもありますよね。

反対に、趣味の旅行やアウトドアを楽しんでいて、荷室の広さが今でも役立っているなら、無理に小さな車へ替える必要はありません。

67歳は買い替える年ではなく、「この車のまま70代へ進んでよいか」を確認する年と考えるとよいでしょう。

10年目・70歳では「車より人の変化」を重視する

60歳から10年乗れば70歳です。

ここでは車の整備状態に加えて、以前との運転感覚の違いも確認したいところです。

たとえば、

  • 乗り降りで腰や膝に負担を感じないか
  • 運転席から周囲を確認しやすいか
  • 車幅や前後の長さを無理なく把握できるか
  • 駐車時の緊張が以前より強くなっていないか
  • 荷物を無理なく積み下ろしできるか
  • 夜間運転や長距離運転を負担に感じるようになっていないか

といった変化です。

これは「70歳になったら運転が難しくなる」と決めつける話ではありません。

年齢が同じでも、運転頻度、身体の状態、生活環境は一人ひとり違います。

ですから見るべきなのは数字の年齢ではなく、今の自分にとって無理のない車かどうかなのですね。

13年目・73歳では税金と修理費を具体的に確認

60歳から13年乗れば73歳です。

この頃になると、車そのものが快調でも、税金や車検、部品交換などの費用を一度具体的に確認しておきたいところです。

東京都主税局の案内では、自動車税種別割について、4月1日時点で初回新規登録からガソリン車・LPG車は13年超、ディーゼル車は11年超になると、対象車について概ね15%の重課となります。

一方で、電気自動車や、ガソリンを燃料とするハイブリッド自動車などは、この重課の対象外とされています。

出典:東京都主税局「自動車税|自動車と税金」

つまり「13年乗ったら、すべての車の税金が一律に上がる」というわけではありません。

車種や動力方式によって条件が異なるため、実際の税額は自分の車で個別に確認してくださいね。

また、自動車重量税にも経過年数による税額区分があります。

車検が近づいたら税金だけでなく、タイヤ、ブレーキ、バッテリー、足回り、エアコンなど、今後数年間に必要になりそうな整備費も一緒に確認すると判断しやすくなります。

多少税金が増えても、大きな故障がなく、年間走行距離が少なく、自分にとって扱いやすい車なら、そのまま乗り続けるほうが家計に合う場合もあります。

逆に税負担に加えて高額修理が重なり、「そろそろこの大きさが負担だな」と感じているなら、買い替えを考えるタイミングになってきます。


ディーラーの相談現場では「壊れたから」以外の買い替えが多い

長年ディーラーでお客様の相談を受けていると、買い替え理由は故障だけではありません。

むしろ60代以降では、車より先に生活の使い方が変わるケースが少なくありませんでした。

典型的なのが、退職を機に大きな車が必要なくなるケースです。

現役時代は家族を乗せたり遠出したりするためにミニバンを使っていたものの、退職後は夫婦二人で買い物へ行く程度になり、「乗車人数より駐車するときの負担のほうが気になる」とコンパクトな車へ替えたいという相談です。

これは、車が壊れたわけではありません。

車としてはまだ十分使えても、暮らしに対して車が大きくなりすぎたのですね。

反対に、退職後に旅行へ行く機会が増え、「今まで以上に長距離が楽な車が欲しい」という方もいらっしゃいます。

同じ60代でも正解は一つではありません。

だから私は、「60歳で何年乗る車を選ぶか」ではなく、60代の暮らしに合う車を選び、70歳前後でもう一度確認するという考え方をおすすめしています。

遠い目的地まで一度も休まず走るより、途中のサービスエリアで地図を見直すようなものですね。


70歳以降に買い替えるなら何を重視する?

67〜70歳で買い替えることになった場合、若い頃とは車選びの優先順位を少し変えてみてもよいでしょう。

私なら、パワーや豪華装備よりも「毎日ラクに扱えるか」を上位に置きます。

特に確認したいのは、乗降性、視界、車体サイズ、駐車のしやすさ、安全運転支援機能です。

国土交通省では2017年から、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などを備えた「安全運転サポート車(サポカー)」の普及を進めています。

さらに2026年7月24日には、対象となる安全技術を拡大した「安全運転サポート車(Ver.2.0)」「サポカー2.0」として普及を進める方針を公表しました。

ドライバーモニタリングシステムなど、より高度な技術も対象に広げる考え方です。

出典:国土交通省「サポカーがVer.2.0に進化します!~更なる高齢運転者の交通事故削減に向けて~」(2026年7月24日)

もちろん、安全装備があれば事故を完全に防げるわけではありません。

あくまで運転を支援してくれる機能なので、最後は自分が無理なく操作できる車かどうかが基本になります。

試乗では、カタログの装備表だけを見るのではなく、実際に運転席へ座って確かめてみましょう。

まず乗り降りです。

車高が低すぎれば立ち上がる動作が負担になることがありますし、逆に大型SUVのように座面が高すぎれば、乗り込む際に身体を持ち上げる負担が出ることもあります。

次に視界です。

前方だけでなく左右、斜め後ろ、車体四隅が把握しやすいかを確認しましょう。

そしてぜひ確認してほしいのが駐車です。

広い道路をまっすぐ走っただけでは、自分に合う車かどうかは分かりにくいものです。

普段利用するスーパーや病院の駐車場を思い浮かべながら、車庫入れや切り返しのしやすさを確認してみてください。

若い頃は「大きいほうが便利」と考えることもありますが、60代後半以降では少し見方を変えてもいいでしょう。

私は、必要以上に大きくないことも実用的な安全性能の一つだと考えています。

※画像はAIによるイメージ

70歳・75歳の免許更新制度も買い替え計画に入れておこう

60歳で車を買うなら、車そのものの経過年数だけでなく、免許更新の節目も一緒に考えておくと計画が立てやすくなります。

警察庁によると、運転免許証の更新期間満了日の年齢が70歳以上の場合、更新時には高齢者講習を受講する必要があります。

さらに、更新期間満了日の年齢が75歳以上のドライバーは、認知機能検査等の対象になります。

また75歳以上で一定の違反歴がある方については、運転技能検査に合格しなければ免許更新を受けることができません。

出典:警察庁「高齢運転者の運転免許更新等の手続」「認知機能検査について」「運転技能検査について」

ここで60歳からの年数を重ねてみましょう。

60歳で10年間乗れば70歳。

13年間なら73歳。

15年間なら75歳です。

つまり、60歳から新車を長く乗るほど、車を見直したい時期と免許更新制度の節目が自然に近づいてくるのですね。

ですから、60歳の時点で「75歳まで絶対にこの車に乗る」と決める必要はありません。

70歳前後で高齢者講習などの節目を迎えたときに、「今の車を今後も無理なく扱えるだろうか」と一緒に確認すればよいのです。

そして75歳前後では、車だけでなく、自分の運転状況や生活環境、公共交通や家族の送迎など、移動方法全体を改めて考える。

私はこのように、車と自分を同じタイミングで点検する考え方が現実的だと思います。


長く乗るのと買い替えるのはどちらが得?

お金だけで比べると、一台の車を長く使えば、新車を購入する回数を減らしやすくなります。

しかし、だからといって「15年乗れば必ず得」とまでは言えません。

反対に、査定価格が残っているうちに数年ごとに買い替えれば得、と単純に決めることもできません。

重要なのは、売却価格ではなく次の車まで含めた総支出を見ることです。

たとえば今の車にあと3年間問題なく乗れるなら、新しい車を買う時期も3年間先送りできます。

査定価格が3年間で下がったとしても、その間に新車購入費を払わずに済む効果があります。

一方で大きな故障が続き、車検や消耗品交換を含めてまとまった費用が必要になっているなら、乗り続けることが必ずしも合理的とは限りません。

ここで私がもう一つ加えたいのが、扱いやすさも維持費の一部と考えるという視点です。

もちろん、駐車のしにくさに請求書が来るわけではありません。

ですが、毎回車庫入れで強く緊張する、狭い道ですれ違うたびに疲れる、乗り降りするたび身体に負担がかかる。

そんな状態で週に何度も車を使うなら、その負担も無視できません。

60歳以降では、

車両価格+税金+整備費+燃料費+自分の扱いやすさ

まで含めて判断してみてください。

数字にはしにくい部分ですが、長く快適にカーライフを続けるためには、とても大切な基準ですよ。


60歳からの新車は「60→70→75歳」の3段階で考えよう

私が60歳からの新車選びでおすすめしたいのは、15年先を一度に決めないことです。

次の3段階で考えると、ずっと分かりやすくなります。

60歳では、60代を快適に過ごせる車を選ぶ。

年間走行距離や用途を考え、必要以上に大きな車を選ばず、長距離を走るなら疲れにくさ、街乗り中心なら取り回しのよさを重視します。

67〜70歳では、車・走行距離・自分の変化を再評価する。

車が快調で、整備費も無理がなく、運転もしやすいなら、そのまま乗り続ければよいでしょう。

一方、大きさや乗り降りに負担を感じたり、より新しい安全運転支援機能が欲しくなったりしたなら、買い替えを検討します。

73〜75歳では、カーライフそのものを再評価する。

税金や整備費、免許更新、自分の運転状況、今後どのくらい車が必要かまで含めて考えます。

60歳で購入したときの答えと、75歳の答えが同じである必要はありません。

車を小さくしてもいい。

気に入った車を整備しながら長く乗ってもいい。

生活環境によっては、車を所有しない方法へ移ることもあるでしょう。

60歳からの車選びで大切なのは、「人生最後の一台」を当てることではなく、将来の自分が選び直せる余白を残しておくことだと私は考えています。


まとめ|60歳の新車は7〜10年を目安に再判断しよう

60歳で新車を買ったら何年乗るか迷った場合、まず7〜10年を最初の見直し時期として考えてみてください。

日本自動車工業会の「2025年度乗用車市場動向調査」では、前保有車の平均保有期間は7.2年、新車は7.3年で、10年超の保有も3割弱です。

ただし、平均年数をそのまま自分の買い替え時期にする必要はありません。

60歳で購入 → 67〜70歳で再評価 → 73〜75歳でカーライフ全体を再評価。

そして判断するときには、年齢だけでなく、年間走行距離、累積走行距離、整備履歴、修理費、乗降性、駐車のしやすさまで確認しましょう。

60歳で「15年間絶対に乗る」と決めなくても大丈夫です。

まずは60代を気持ちよく過ごせる車を選び、70歳前後でもう一度未来を考える。

そのほうが生活や身体の変化に合わせやすく、結果として納得できるカーライフにつながると私は考えています。


よくある質問

60歳で新車を買って10年乗るのは長すぎますか?

10年という年数だけで長すぎるとはいえません。

一般社団法人日本自動車工業会「2025年度乗用車市場動向調査」では、前保有車の10年超保有が3割弱を占めています。

60歳から10年なら70歳ですので、「10年で寿命」と考えるより、70歳になった時点で車の状態、走行距離、整備履歴、自分の扱いやすさを再確認する節目と考えるとよいでしょう。

年間走行距離が少なければ15年乗っても大丈夫ですか?

年間走行距離が少ないことは、長期保有を考える一つの材料になりますが、それだけで判断はできません。

たとえば年間3,000kmなら15年間で約4万5,000kmですが、走行距離が少なくてもゴム部品やバッテリーなどは経年変化します。

走行距離と一緒に、年式、整備履歴、故障状況、車検時の点検結果を確認してくださいね。

13年乗ると自動車税は必ず高くなりますか?

すべての車が一律に同じ条件で重課されるわけではありません。

東京都主税局の現行案内では、ガソリン車・LPG車は初回新規登録から13年超、ディーゼル車は11年超になると対象車の自動車税種別割が概ね15%重課されます。

一方、電気自動車やガソリンを燃料とするハイブリッド自動車などは対象外です。

税制は変更される可能性がありますので、実際に13年目を迎える時点で最新制度と自分の車の税額を確認しましょう。

杉原健一(すぎはらけんいち)

モーターライフ・アドバイザー

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