シエンタとフリードの乗降性は『ベストカー』の評価ではフリードが優勢ですが、ステップの高さだけで優劣は決まらず、家族構成や3列目の使用頻度によって最適な選択は変わります。
シエンタには2WDで約330mmという低い乗り込み口があり、フリードの6人乗りには2列目中央を通って3列目へ移動できる特徴があります。子どもの送迎や親御さんの通院など、毎日の乗り降りを想像しながら違いを確認していきましょうね。
シエンタとフリードはどっちが乗り降りしやすい?ベストカーの評価を比較
2026年8月27日公開の『ベストカー』では、乗降性についてシエンタが4つ星、フリードが5つ星と評価されています。
ただし、この結果は両車の乗り込み口を同一条件で測定し、高さだけを比較したものではありません。
自動車評論家の渡辺陽一郎氏が執筆した『ベストカー』の記事では、トヨタのシエンタとホンダのフリードについて、価格や装備、居住性、積載性、乗降性などを比較しています。
記事の初出は『ベストカー』2026年7月10日号で、比較の基準となった情報は2026年6月時点のものです。
まずは、元記事の評価とメーカーが案内する車両構造、そして私自身の分析を分けて整理してみましょう。
比較項目 シエンタ フリード
ベストカーの乗降性評価 ★★★★☆ ★★★★★
推奨仕様 ハイブリッドG・7人乗り e:HEV AIR EX・6人乗り
後席ドア 両側スライドドア 両側スライドドア
推奨仕様の電動スライドドア 両側 両側
乗り込み口の高さ 2WD約330mm 同条件の数値は未確認
2列目シート 7人乗りはベンチタイプ 6人乗りは左右独立型
3列目への移動 2列目シートを操作 中央通路を利用可能
公式情報で確認できる特徴 低床・フラットフロア 大開口スライドドア・低床フロア
筆者が注目する点 2列目への乗り込み動作 3列目への移動のしやすさ
ここで押さえておきたいのは、表の情報には性質の異なるものが含まれていることです。
星の数は『ベストカー』による第三者評価、乗り込み口やシート構造はメーカーが案内する仕様、最後の注目点は私自身の分析です。
フリードが5つ星だから、必ずシエンタよりステップが低いという意味ではありません。
元記事には乗降性の星評価が示されていますが、各寸法をどのように配点したのかという詳細な採点内訳までは確認できません。
また、乗降性以外の項目も含めて比較された記事であるため、総合的な車の評価と乗降性だけの評価を混同しないことも大切です。
フリードの5つ星は何を意味する?
『ベストカー』の評価ではフリードが一歩リードしていますが、その理由を一つの装備に限定することはできません。
フリードは大きく開くスライドドアや低床フロアを備え、6人乗りでは2列目の中央に通路が設けられています。
こうした特徴は乗降時の使いやすさを考えるうえで重要ですが、中央通路が5つ星の直接的な採点理由だったと断定することは避けたいところです。
一方、シエンタにも低床設計という明確な特徴があります。
私としては、星の数を車選びの出発点にしながら、最後は家族が実際に乗り降りする場面で判断するのが合理的だと考えています。
比較するグレードと乗車定員にも注意
今回の比較で見落としたくないのが、推奨仕様の乗車定員です。
シエンタは7人乗り、フリードは6人乗りを基準にしています。
乗車定員が違えば、2列目の形状や3列目へのアクセス方法も変わります。
つまり、車名だけを比べるのではなく、購入予定のグレードと乗車定員をそろえて確認することが重要なんですね。
シエンタの乗り込み口330mmは本当に低い?フリードとの違い
シエンタの乗降性を考えるうえで、具体的な判断材料になるのが乗り込み口の高さです。
トヨタのシエンタ公式サイトで案内されている「低床&フラットフロア」の情報では、スライドドア部分の地面から乗り込み口までの高さは次のようになっています。
- 2WD:約330mm
- E-Four:約350mm
この数字は、燃料満タンで人や荷物を載せていない空車状態を基準とした目安です。
乗車人数や荷物の量、積載位置などによって車体の高さは変化するため、実際の使用時に常に同じ高さになるわけではありません。
330mmは33cmです。
一般的な30cm定規より少し高い位置に乗り込み口があると考えると、イメージしやすいでしょう。
ただし、330mmという数字はシエンタの乗り込み口の高さを示すもので、フリードより低いことを証明する数字ではありません。
この区別は大切にしたいところです。
330mmの低床設計が乗降動作に与える影響
車に乗り込むとき、人はまず地面から片足を上げます。
その後、車内へ体を移し、座面に腰を下ろします。
乗り込み口が低ければ、最初に足を持ち上げる距離を小さくできる可能性があります。
例えば、小さなお子さんや足を高く上げるのが苦手な方にとって、この最初の動作は重要ですよね。
しかし、乗り込み口が低いだけで乗降性が決まるわけではありません。
座面が高い位置にあれば、乗り込んだあとに腰を持ち上げる動作が必要になります。
反対に座面が低すぎると、腰を深く下ろしたり、降りる際に立ち上がったりする動作が負担になることもあります。
つまり、乗り降りのしやすさは次の3つの位置関係で考える必要があります。
地面から乗り込み口、乗り込み口から座面、座面から立ち上がるときの姿勢。
この一連の動きを確認することが、単なるステップ高の比較よりも重要なのです。
フリードのワンステップ低床フロアとは?
ホンダは現行フリードの公式情報で「大開口スライドドア&ワンステップ低床フラットフロア」を特徴として案内しています。
スライドドアの開口部を広く確保し、乗り込み時の段差を抑えることで、後席へのアクセスをしやすくする設計です。
ただし、今回参照した現行型のHonda公式Web情報では、シエンタの約330mmと同じ測定位置・測定条件で直接比較できるフリードの乗り込み口高さを確認できませんでした。
旧型フリードの寸法や、測定位置の異なる数値を並べても、公平な比較にはなりません。
そのため、本記事では両車の乗り込み口について「何mmの差がある」とは判断しません。
数字が確認できない場合は、差を推測するのではなく、実車で確かめることが必要です。
スライドドアの開口幅・開口高・座面高は比較できる?
乗降性を詳しく調べるなら、乗り込み口の高さ以外にも確認したい寸法があります。
例えば、スライドドアの開口幅が広ければ、体を車内へ入れる際の余裕につながります。
開口高は、頭や肩をかがめる必要があるかを考える材料になります。
さらに座面高や2列目の足元空間も、乗り込んでから座るまでの動作に関係します。
ただし、今回参照した情報だけでは、両車について同じ測定基準で比較できる開口幅・開口高・座面高の数値をそろえられませんでした。
未確認の寸法を推測して表に埋めることは避けます。
販売店で比較するときは、次の点を確認するとよいでしょう。
- スライドドアの開口幅と開口高
- 地面から乗り込み口までの高さ
- 乗り込み口から2列目座面までの高さ
- 乗降時につかまれるグリップの位置
- 2列目シートの前後位置と足元の広さ
特に注意したいのが、カタログに記載される「最低地上高」です。
最低地上高は車体下部と路面との間隔を示すもので、後席の乗り込み口高さとは異なります。
最低地上高が小さい車ほど後席へ乗り込みやすい、と判断することはできません。
また、グリップの位置や形状は仕様によって確認が必要です。
カタログ上の寸法と、人が実際につかまる場所の使いやすさは、分けて評価したいですね。

シエンタとフリードのスライドドア・2列目シートは何が違う?
両車ともスライドドアを採用していますが、乗り込んだあとの動線には違いがあります。
特に注目したいのが、シエンタ7人乗りとフリード6人乗りの2列目シート構造です。
シエンタ7人乗りは2列目シートを操作して3列目へ
シエンタの7人乗りでは、2列目にベンチタイプのシートを採用しています。
トヨタの公式情報では、タンブル機構付セカンドシートによって、2列目を折りたたみ、3列目への乗り降りを可能にしています。
つまり、3列目を使うときは2列目シートの操作が必要になります。
この仕組みには、2列目を一体的に使えるという特徴があります。
一方、3列目に乗るたびにシートを操作することは、利用頻度によって負担になる可能性があります。
例えば、月に1回程度の家族旅行で3列目を使うなら、それほど気にならないかもしれません。
しかし、毎日の送迎で3列目まで使う家庭では、シート操作の回数が増えます。
便利さを考えるときは、一度の操作が簡単かどうかだけでなく、毎日繰り返した場合の使い勝手も確認したいですね。
フリード6人乗りは中央通路から3列目へ移動できる
フリードの6人乗りは、2列目に左右独立したキャプテンシートを採用しています。
左右の座席の間に通路があるため、2列目を倒さずに3列目へ移動できる構造です。
これは、3列目を頻繁に使う家庭にとって魅力的な特徴でしょう。
例えば、祖父母を含む6人で出かける機会が多い家庭を考えてみてください。
乗車するたびに2列目を動かす必要があるか、それとも中央通路を使えるか。
一度だけなら小さな違いでも、何年間も繰り返せば使い勝手に差が生まれる可能性があります。
ただし、中央通路があるからといって、誰でも無理なく通れるとは限りません。
通路の幅、乗る方の体格、足元の荷物、前後のシート位置などによって、移動のしやすさは変わります。
また、フリードでも7人乗りは2列目がベンチシートとなるため、6人乗りと同じ中央通路はありません。
3列目への移動を重視するなら、フリードという車名だけでなく、6人乗り仕様を指定して確認しましょう。
パワースライドドアの便利さも乗降性の一部
今回の推奨仕様では、両車とも両側パワースライドドアを備えています。
電動で開閉できることは、荷物を持っているときや子どもを連れているときに便利ですよね。
ただし、ドアが電動だから乗降性が同じになるわけではありません。
ドアを開けたあとに体をどの方向へ動かすか、足をどこへ置くか、座席へどう腰を下ろすかという違いが残ります。
さらに、実際の駐車場では隣の車との距離も重要です。
スライドドアはヒンジ式ドアと比べて横方向の開閉スペースを抑えやすい構造ですが、乗り降りする人が立つ場所まで不要になるわけではありません。
買い物袋を持ったまま乗り込む場面や、チャイルドシートに子どもを乗せる場面も想像してみてください。
ドアの便利さと、ドアの向こう側の使いやすさをセットで考えることが大切です。
子ども・高齢者・3列目利用ではどっちが楽?乗降4動作で確認
ここからは、実際の生活に合わせた選び方を考えていきましょう。
私がおすすめしたいのは、乗降性を「またぐ・入る・座る・降りる」の4つに分ける方法です。
私はこれを「乗降4動作」と呼んでいます。
動作 確認するポイント 特に重視したい人
①またぐ 足を無理なく持ち上げられるか 子ども・足を上げにくい方
②入る 頭や肩を大きくかがめず入れるか 大人・子どもを抱える保護者
③座る 腰を自然に下ろせるか 高齢者・膝や腰に不安がある方
④降りる 足を安定して地面に着けられるか 高齢者・小さな子ども
この方法なら、単に「乗りやすかった」という感想だけで終わらず、どの動作が楽だったのかを整理できます。
なお、以下は公式の車両構造をもとにした確認方法であり、私が両車を同一条件で独自実測した結果ではありません。
実車での乗降感覚には個人差があるため、最終的には普段乗る方自身に試していただくことをおすすめします。
子どもの送迎なら足の上げやすさとチャイルドシート
小さなお子さんが自分で乗り降りする場合、最初に確認したいのは足を持ち上げる動作です。
シエンタ2WDの約330mmという乗り込み口高さは、ここで参考になる数字です。
ただし、お子さんの身長や足の長さによって、上げやすい高さは違います。
さらに、乗降時につかまれる場所があるかも確認したいところです。
一方、チャイルドシートを使用する場合は、保護者の動作が重要になります。
子どもを抱えたまま車内へ体を入れ、シートへ座らせ、ベルトを装着する必要があるからです。
このとき、ドアの開口部が広くても、体を大きくひねらなければならないと負担になります。
私なら、チャイルドシートの取り付け位置を想定しながら、次のように確認します。
まず保護者がドアの外側に立ち、子どもを抱える姿勢を再現します。
次に、頭や肩が開口部に近づきすぎないか、腕を自然に動かせるかを確認します。
最後に、ベルトの装着作業を無理のない姿勢で行えるかを見ます。
実際のチャイルドシートを持ち込む場合は、販売店の許可を得て、車両とチャイルドシートの適合情報も確認してください。
子どもが乗りやすいことと、保護者が乗せやすいことは、必ずしも同じではありません。
ここを分けて考えると、毎日の送迎での使いやすさが見えてきます。
高齢の親を乗せるなら座面への腰の下ろしやすさ
高齢の親御さんを乗せることが多い場合、私はステップ高だけで車を決めないことをおすすめします。
低い乗り込み口は足を持ち上げる動作を助ける可能性がありますが、座面へ腰を下ろすときの負担は別だからです。
例えば、足を車内へ入れることは簡単でも、座面に座るときに膝を深く曲げなければならない場合があります。
また、降りるときに立ち上がりにくいと感じることもあるでしょう。
こうした違いは、乗り込み口の高さだけでは判断できません。
販売店では、普段乗る方に実際の動作を確認してもらいましょう。
ドアの前に立ち、片足を入れ、座面へ腰を下ろし、もう片方の足を入れる。
次に、同じ動作を逆に行って降りてみます。
このとき、座面の端に無理なく腰を掛けられるか、体を支える場所があるか、降車時に地面を見やすいかがポイントです。
特に降車時は慎重に確認してください。
乗車時よりも地面との距離を把握しにくい場合があり、足の着き方によって不安を感じることもあります。
試す際は車両を安全な平坦地に停止させ、必要に応じて付き添いの方が補助してください。
なお、身体の状態によって適切な乗降方法は異なりますので、無理な動作は避けましょう。
高齢者にとっての乗りやすさは、低い床だけでなく、自然に座れて安全に立ち上がれることまで含めて判断したいですね。
3列目を頻繁に使うならフリード6人乗りが有力
3列目を日常的に使う家庭では、フリード6人乗りを優先して確認する価値があります。
中央通路を使える構造は、2列目シートを操作する手間を減らせるからです。
例えば、子どもの習い事の送迎で毎週6人が乗る場合を考えてみましょう。
3列目へ乗る人が毎回同じとは限りません。
乗車する順番が変わったり、途中で人が降りたりすることもあります。
そのような場面では、中央通路の使い勝手が便利に感じられる可能性があります。
一方、3列目を年に数回しか使わない家庭なら、その違いの重要度は下がります。
普段は2列目までしか使わないのであれば、2列目への乗り込みやすさや座り心地を優先したほうが満足できるかもしれません。
3列目の使いやすさは、乗車定員の多さだけではなく、そこへ何回移動するかで価値が変わります。
シエンタとフリードの価格差は?乗降性と購入費用を考える
乗降性の違いが分かってくると、次に気になるのが価格ですよね。
『ベストカー』が2026年6月時点の情報として掲載した推奨仕様の価格は、次の通りです。
比較項目 シエンタ フリード
推奨グレード ハイブリッドG e:HEV AIR EX
駆動方式 FF FF
乗車定員 7人 6人
ベストカー掲載価格 2,814,900円 3,212,000円
この時点での差額は、397,100円です。
ただし、これは2026年6月時点の比較に使われた価格です。
2026年10月時点のメーカー公式情報として、シエンタ・ハイブリッドG・2WD・7人乗りは2,874,300円、フリードe:HEV AIR EX・FF・6人乗りは3,212,000円という価格が示されています。
この2台を比較すると、差額は次のようになります。
3,212,000円 − 2,874,300円 = 337,700円
つまり、元記事掲載価格での差額39万7,100円と、今回参照した2026年10月時点の価格差33万7,700円は区別する必要があります。
なお、価格はメーカー希望小売価格を基準とした比較であり、税金や諸費用、オプションなどを含めた購入総額ではありません。
また、価格改定や仕様変更が行われる可能性があるため、購入時にはトヨタとHondaの最新公式情報、販売店の見積もりを確認してください。
約34万円の差は乗降性だけの価格ではない
ここで注意したいのは、フリードに約34万円多く支払えば、その分だけ乗降性が良くなるという考え方です。
両車の価格差には、パワートレーンや装備、シート構成など、車全体の違いが含まれています。
乗降性だけを金額に換算することはできません。
それでも、日常の使い方によって価格差の受け止め方は変わるでしょう。
例えば、3列目を毎週使う家庭では、フリード6人乗りの中央通路に大きな価値を感じるかもしれません。
一方、普段は夫婦2人で乗り、年に数回だけ家族を乗せる家庭なら、中央通路を使う機会は限られます。
その場合は、シエンタの低床設計や2列目の使いやすさを確認し、購入費用とのバランスを考える方法が合理的です。
私としては、装備がどれだけ豪華かより、暮らしの中でどれだけ役立つかを重視したいと考えています。
乗降性の便利さを使用回数で考える
少し違った角度から考えてみましょう。
例えば、ある家庭では2列目への乗り降りが1日に4回、3列目の使用は月に1回だとします。
別の家庭では、週に5日、3列目まで人が乗るとします。
同じシエンタとフリードを比較しても、重視すべき機能は異なりますよね。
前者では2列目への乗り込みやすさが日常の中心になります。
後者では、3列目へ移動する際の手間が大きな判断材料になります。
これは価格だけでは分からない価値です。
毎日の小さな負担を減らすことは、長く乗る車ほど重要になってきます。
車選びは、購入した瞬間だけでなく、その後の何年間をどう過ごすかまで考えたいものですね。
考察|シエンタとフリードは「乗降4動作」と利用頻度で選びたい
ここからは、『ベストカー』の比較結果とメーカー公式情報を踏まえた私自身の考察です。
私は、シエンタとフリードの乗降性を一つの順位だけで決めるのは難しいと考えています。
なぜなら、乗降性には車両側の寸法だけでなく、乗る人の体格や身体の状態、座席の使い方、利用頻度が関係するからです。
シエンタには具体的な乗り込み口高さが公表されているという特徴があります。
一方、フリード6人乗りには、中央通路を使って3列目へ移動できるという構造上の特徴があります。
どちらも便利ですが、便利になる場面が同じとは限りません。
そこで私なら、購入前に「乗降4動作」と「利用頻度」を組み合わせた確認シートを作ります。
私なら家族ごとの乗降チェックシートを作る
比較する際は、同じ人が両車で同じ動作を試すことが重要です。
例えば、シエンタでは普段乗る方が2列目に乗り、フリードでは別の人が試したのでは、感覚の違いを公平に比較できません。
そこで、次のような簡単な記録方法をおすすめします。
確認項目 シエンタ フリード
足を無理なく上げられる ◎・○・△ ◎・○・△
頭や肩をかがめず入れる ◎・○・△ ◎・○・△
自然な姿勢で座れる ◎・○・△ ◎・○・△
安定して降りられる ◎・○・△ ◎・○・△
3列目へ移動しやすい ◎・○・△ ◎・○・△
普段使う駐車場で扱いやすい ◎・○・△ ◎・○・△
◎は負担をほとんど感じない、○は問題なく使える、△は気になる点がある、といった形で家族自身に記録してもらいます。
これはメーカーや公的機関が定めた乗降性の評価基準ではなく、購入前に感覚を整理するための簡易的な方法です。
重要なのは、評価を他人と比べることではありません。
同じ人が同じ条件で比較し、自分にとって負担の少ない車を見つけることです。
試乗車の条件をそろえると比較しやすい
実車確認では、できるだけ条件をそろえましょう。
例えば、2列目シートの前後位置が大きく違うと、足元の広さや座りやすさが変わります。
また、試乗車に荷物が置かれている場合、足を動かせる範囲が狭くなることがあります。
乗降性を比較するなら、次の条件を意識してください。
- 同じ人が両車に乗り降りする
- できるだけ平坦な場所で確認する
- 2列目シートの位置を実際の使用状態に合わせる
- 普段使う靴で試す
- 乗車だけでなく降車も確認する
- 3列目を使うなら、実際にそこまで移動する
特に、購入予定車と試乗車の乗車定員が異なる場合には注意が必要です。
フリードの6人乗りと7人乗りでは、2列目のシート構造が異なります。
中央通路の使いやすさを確認したい場合は、必ず6人乗り仕様を確認してください。
シエンタについても、5人乗りと7人乗りでは後席の構成が異なるため、購入予定の仕様に近い車で確認することが望ましいでしょう。
乗り降りの負担は「乗る瞬間」だけではない
私がもう一つ重視したいのは、乗降動作の前後です。
例えば、子どもを乗せたあとに保護者がチャイルドシートのベルトを装着する場面があります。
高齢の親御さんが降りたあと、車の横で姿勢を整える場面もあるでしょう。
3列目へ移動した人が、荷物を足元に置いて座ることもあります。
こうした動作まで含めると、単なる開口寸法だけでは分からない使い勝手が見えてきます。
これは私が車選びで大切にしたい視点です。
車は、カタログの中で使うものではありません。
雨の日の買い物や、慌ただしい朝の送迎、家族で出かける週末など、さまざまな生活場面で使います。
だからこそ、乗り込み口が何mmなのかという数字と、実際にどのような姿勢で乗り降りするのかという感覚の両方を確認したいのです。
どちらを選ぶべきか、私の判断基準
私なら、次のように考えます。
シエンタを優先して確認したいのは、2列目を中心に使い、低い乗り込み口と購入費用のバランスを重視する家庭です。
2WDで約330mmという乗り込み口高さは、具体的な判断材料になります。
ただし、フリードより低いことが確認されたわけではないため、最終的には両車で同じ動作を試す必要があります。
フリード6人乗りを優先して確認したいのは、3列目を頻繁に使い、車内での移動のしやすさを重視する家庭です。
中央通路を使える構造は、日常的な3列目利用で便利に感じられる可能性があります。
一方、高齢の親御さんを乗せる家庭では、どちらか一方を車名だけでおすすめすることはできません。
座面への腰の下ろしやすさや降車時の安定感は、乗る方の身体の状態によって変わるためです。
実車確認で一番楽だと感じられた車を優先するのがよいでしょう。
今後の比較では座面高と開口寸法が重要になる
今回の比較で、私が今後さらに確認したいと感じたのは、両車の座面高とスライドドア開口寸法です。
乗り込み口の高さは、足を持ち上げる動作を考える材料になります。
しかし、そこから座面へ腰を下ろす動作を評価するには、座面の位置や形状も重要です。
さらに、グリップの位置や足元の広さを確認できれば、乗降性をより具体的に比較できます。
これらの情報が同一条件でそろえば、今回の星評価とは別の角度から、客観的な比較が可能になるでしょう。
ただし、現時点で確認できない数値を推測して優劣を決めることは適切ではありません。
分かっている数字は正確に使い、分からない部分は実車で確認する。
この姿勢が、安心できる車選びにつながると私は考えています。
まとめ|乗降性評価はフリード優勢、日常の使いやすさは実車で判断
シエンタとフリードは、どちらもスライドドアと低床設計によって乗り降りのしやすさを追求したコンパクトミニバンです。
2026年8月27日公開の『ベストカー』では、乗降性についてシエンタが4つ星、フリードが5つ星と評価されました。
ただし、これは両車のステップ高を同一条件で測定した結果ではありません。
トヨタ公式情報では、シエンタの乗り込み口高さは2WDが約330mm、E-Fourが約350mmと案内されています。
一方、Hondaはフリードの大開口スライドドアとワンステップ低床フラットフロアを特徴として紹介していますが、今回参照した情報ではシエンタと直接比較できる乗り込み口高さの数値を確認できませんでした。
また、フリード6人乗りは中央通路から3列目へ移動できるため、3列目を頻繁に使う家庭では有力な選択肢になります。
購入費用については、今回参照した2026年10月時点のメーカー希望小売価格では、比較した2台に33万7,700円の差があります。
ただし、この差額は乗降性だけによるものではありません。
私なら、2列目中心の利用ならシエンタ、3列目を頻繁に使うならフリード6人乗りを優先候補にして、家族自身が「またぐ・入る・座る・降りる」を確認します。
そして高齢の方や小さなお子さんを乗せる場合には、カタログの数字だけでなく、実際に無理のない姿勢で乗り降りできるかを重視します。
毎日使う車だからこそ、ほんの少しの動作の違いが、長い目で見ると大きな満足につながるかもしれません。
星の数や価格だけで決めず、ご家族が自然に乗り降りできる一台を見つけてくださいね。
よくある質問
シエンタの乗り込み口は何mmですか?
トヨタ公式情報では、スライドドア部分の地面から乗り込み口までの高さは、2WDが約330mm、E-Fourが約350mmです。
燃料満タンで人や荷物を載せていない空車状態での目安であり、乗車人数や積載状態によって変化します。
シエンタとフリードはどちらが乗り降りしやすいと評価されていますか?
2026年8月27日公開の『ベストカー』では、シエンタが4つ星、フリードが5つ星で、フリードが上の評価となっています。
ただし、詳細な採点内訳は確認できないため、ステップ高の差だけが評価理由だったと判断することはできません。
高齢者や子どもを乗せるならどちらがおすすめですか?
子どもが自分で乗り降りする場合は、シエンタの低い乗り込み口が確認したいポイントになります。
3列目を頻繁に使う場合は、中央通路を備えるフリード6人乗りが有力候補です。
高齢の方については、乗り込み口の高さだけでなく、座面への腰の下ろしやすさや降車時の安定感まで実車で確認してください。
乗る本人が無理なく乗り降りできる車を選ぶことが、何より大切です。
杉原健一(モーターライフ・アドバイザー)



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